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生成AIパスポート試験の出題範囲を章別に学ぶ|5章まとめと学習ロードマップ【2026年シラバス対応】

当ブログにはPRを含みます。

「社内で生成AIを使えるようにしておけと言われたので、生成AIパスポートを受けることにした。でも参考書を開いたら、ニューラルネットワーク、GAN、RLHF、匿名加工情報と、知らない言葉ばかりで手が止まった」。

この記事は、そういう状態の方に向けて書いています。

筆者は2026年6月の回を受けて合格しました。結果画面に出たのは章ごとの正答率だけで、第1章が87.5%、第2章から第5章は100%でした。受けて分かったのは、問われるのはほとんどが用語の意味だということです。サービスを設計させる問題も計算問題もなく、シラバスに載っている言葉を自分の口で説明できる状態になっていれば届きます。試験時間の60分も余りました。

生成AIパスポートは、合格率が約8割の入門資格です。難しい試験ではありません。それでも落ちる人がいるのは、用語の数に対して覚え方が噛み合っていないからです。シラバスに並ぶ用語は200を超えますが、出題を360問ぶん並べてみると、問われ方は章ごとにごく限られた型に収まります。言い換えると、章ごとに「選択肢を切る軸」を1つずつ持てば、用語を全部覚えていなくても解けるということです。

この記事は、全範囲を章別に整理したシリーズの入口です。試験の概要と学習の順番をここでまとめ、各章の中身は5本の記事に分けています。

この記事でわかること

  • 生成AIパスポート試験の概要(出題数・時間・受験料・開催回数・合格率)
  • シラバス5章の構成と、章をまたいでつながっている考え方
  • 章ごとの「選択肢を切る軸」の一覧
  • 2週間で一周する学習ロードマップ
  • 教材を選ぶときに必ず確認すべきシラバスの改訂
  • 受験までの流れと、当日の時間配分
目次

生成AIパスポート試験とは

試験の基本情報

生成AIパスポート試験の基本情報

図:生成AIパスポート試験の基本情報。60問を60分で解くため、1問あたり1分という時間配分になります。オンライン受験(IBT方式)なので、自宅のパソコンやスマートフォンから受験できます。

項目 内容
実施団体 一般社団法人 生成AI活用普及協会(GUGA)
出題数・試験時間 60問 / 60分
出題形式 四肢択一式(一部複数選択を含む)
受験方式 オンライン実施(IBT方式)。パソコン・スマートフォン・タブレットから受験可能
受験料 一般 11,000円(税込)/学生 5,500円(税込)
開催回数 年5回(2月・4月・6月・8月・10月)
申込期間 受験月の前々月1日から前月末日まで
受験資格 制限なし
合格基準 非公表
資格の有効期限 無期限(任意の資格更新テストあり)

開催回数は、もともと年3回でしたが、受験需要の増加を受けて年5回に拡大されています。申込期間は受験月の2か月前から始まるため、「受けよう」と思った月にはもう申込が締め切られていることがあります。受験月を決めたら、まず申込期間を確認してください。

※ 数値は2026年10月1日時点のものです。最新の情報は公式サイトでご確認ください。

▶ 生成AIパスポート試験 試験概要|GUGA

合格率は約8割。ただし「落ちない試験」ではない

筆者が受けた2026年6月試験では、受験者21,752名に対して合格者17,380名、合格率79.90%という結果が公表されています。その前の2026年4月試験は受験者9,436名・合格者7,487名で79.35%でした。累計の受験者数は11万名を超えています。

合格率は回によって動きます。目安にはなりますが、自分が受かるかどうかの根拠には使えません。

8割が受かる試験なので、難関ではありません。ただ、裏を返せば5人に1人は落ちているということでもあります。受験料は1回11,000円ですから、落ちると安くはありません。

落ちる原因で多いのは、次の2つだと考えています。

  1. シラバスの改訂に教材が追いついていない。 後述しますが、第3章は2026年2月の改訂で中身が大きく入れ替わりました。古い教材だけで学習すると、この部分が丸ごと抜けます
  2. 用語を1つずつ覚えようとして、量に負ける。 シラバスの用語は200を超えます。関係づけずに暗記しようとすると、試験直前で混ざります

この2つは、どちらも学習の進め方で防げます。

シラバス5章の構成

5章の全体像

生成AIパスポートのシラバスは5章構成です。章ごとの出題数は公表されていませんが、シラバスの分量はおおむね均等なので、5章それぞれに同じくらいの時間をかけるのが無難です。

生成AIパスポート シラバス5章の構成

図:5章の構成と、それぞれが扱う範囲。第1章と第2章が技術の土台、第3章が現在の使われ方、第4章が法律と倫理、第5章が実際の使い方です。第1章から順に積み上がる構造になっています。

章 タイトル 扱う範囲
第1章 AI(人工知能) AIの定義、機械学習の手法、ニューラルネットワーク、過学習、AIの歴史、シンギュラリティ
第2章 生成AI(ジェネレーティブAI) VAE・GAN・RNN・Transformer、BERTとGPT、ChatGPTの世代、Gemini・Claude・Copilot
第3章 現在の生成AIの動向 5種類の生成AI、ディープフェイク、RAG、AIエージェント、MCP
第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則 セキュリティの手口、個人情報保護法、知的財産権、AI社会原則、AI新法
第5章 テキスト生成AIのプロンプト制作と実例 LLM、Temperature・Top-p、プロンプトの4要素、使い方の名前、苦手なこと

章ごとの「選択肢を切る軸」

この試験の攻略法を1つだけ挙げるなら、章ごとに軸を1つ持つことです。用語を思い出せなくても、軸があれば選択肢を2つまで絞れます。

章ごとの選択肢を切る軸

図:5章それぞれの「選択肢を切る軸」。問題を読んだら、まず何章の問題かを判定し、その章の軸を当てはめます。用語を思い出す前に、この軸で選択肢を減らします。

章 選択肢を切る軸
第1章 正解のラベルがあるか/学習データに合わせすぎていないか
第2章 そのモデルは何を入力して何を出すのか/いつ誰が作ったか
第3章 モデルの中身を変えるのか、外から材料を渡すのか
第4章 誰の権利か、誰の責任か
第5章 指示・文脈・入力・出力形式の4要素のどれの話か

章をまたいでつながっている3つの考え方

5章は独立していません。同じ考え方が、章を変えて何度も出てきます。ここに気づくと、覚える量はかなり減ります。

つながり1:「重みを変えるか、変えないか」

第2章のファインチューニング(重みを変える)、第3章のRAG(変えない)、第5章のFew-Shotプロンプティング(変えない)は、すべてこの軸の上に並びます。「モデルを学び直させるのか、外から材料を渡すだけなのか」という1本の線で、3つの章がつながります。

つながり2:「人が確認する」

第3章のAIエージェントに業務を任せるときの考え方、第3章のディープフェイクへの対処、第4章の生成AI利用時の個人情報の扱い。いずれも「取り消しにくい操作の前に、人が別の手段で確かめる」という同じ答えになります。この章をまたぐ型を知っていると、対処を問う問題はほぼ取れます。

つながり3:「苦手なこととその対策」

第5章で扱う「テキスト生成AIの苦手なこと」は、第2章・第3章の技術と対応しています。計算が苦手 → Code Interpreter(第2章)が補う。最新の情報を知らない → RAG(第3章)が補う。事実でないことを言う(ハルシネーション、第2章) → 出典を確認する(第4章の事実確認)。弱点と対策を対にして覚えると、どちらも忘れにくくなります。

章別の解説記事

各章の中身は、章ごとに1本ずつ記事にまとめています。それぞれ、シラバスの中項目に沿った解説と、本番形式の例題3問が入っています。

第1章 AI(人工知能)

機械学習の4つの学び方、ニューラルネットワークと重み、過学習と正則化・ドロップアウト、AIの3つのブーム、シンギュラリティまで。第2章以降の土台になるので、ここを飛ばすと後の章がすべて丸暗記になります。

▶ 生成AIパスポート 第1章「AI(人工知能)」の要点|機械学習・ニューラルネットワーク・AIの歴史

第2章 生成AI(ジェネレーティブAI)

ボルツマンマシンからVAE・GAN・RNN・Transformerまでの系譜、BERTとGPTの違い、GPT-1からGPT-5までの世代、RLHFとアライメントとファインチューニングの区別まで。最も専門用語が多い章ですが、系譜を1本の線でつなぐと整理できます。

▶ 生成AIパスポート 第2章「生成AI」の要点|VAE・GAN・Transformer・ChatGPTの系譜

第3章 現在の生成AIの動向

5種類の生成AI、ディープフェイクと偽情報、RAGの仕組みとファインチューニングとの使い分け、AIエージェントとMCPまで。2026年2月の改訂で最も中身が入れ替わった章なので、古い教材を使っている方は特に注意してください。

▶ 生成AIパスポート 第3章「現在の生成AIの動向」の要点|RAG・AIエージェント・MCP・ディープフェイク

第4章 情報リテラシー・基本理念とAI社会原則

フィッシング系の手口の見分け方、個人情報保護法の用語(匿名加工情報とマスキングの違いが頻出)、知的財産権と肖像権・パブリシティ権、AI社会原則と3つの主体、2025年公布のAI新法まで。技術の知識が不要なので、文系の方が得点源にしやすい章です。

▶ 生成AIパスポート 第4章「情報リテラシーとAI社会原則」の要点|個人情報保護法・著作権・AI新法

第5章 テキスト生成AIのプロンプト制作と実例

LMとLLM、TemperatureとTop-p、プロンプトの4要素、Zero-ShotとFew-Shot、使い方の名前20種、苦手な4つとその理由まで。資格を取らなくても業務にそのまま使える章です。

▶ 生成AIパスポート 第5章「テキスト生成AIのプロンプト制作」の要点|LLM・Temperature・Zero-Shot/Few-Shot

2週間で一周する学習ロードマップ

進める順番

2週間の学習ロードマップ

図:2週間で一周するロードマップ。第1週は第1章から第3章の技術系、第2週は第4章・第5章と総復習に充てます。インプットとアウトプットの比率は、後半になるほどアウトプット寄りに移します。

第1週:技術の土台をつくる

日 やること
1〜2日目 第1章。機械学習の4分類とニューラルネットワークの用語を図で押さえる
3〜4日目 第2章前半。VAE・GAN・RNN・Transformerの系譜を1枚にまとめる
5日目 第2章後半。GPTの世代と企業名の対応を表で覚える
6〜7日目 第3章。RAGとファインチューニングの使い分け、AIエージェントとMCP

第2週:法律と使い方、そして総復習

日 やること
8〜9日目 第4章前半。セキュリティの手口と個人情報の用語
10日目 第4章後半。知的財産権、AI社会原則、AI新法
11〜12日目 第5章。プロンプトの4要素と使い方の名前
13日目 問題を解く。間違えた章だけ記事に戻る
14日目 全章のまとめだけを読み返す。用語の対応表を見直す

この順番にしているのは、第1章から順に積み上がる構造になっているからです。第2章のモデルの話はニューラルネットワークの知識が前提ですし、第3章のRAGは第2章のファインチューニングとの対比で理解するのが速いからです。興味のある第5章から入りたくなりますが、遠回りになります。

インプットとアウトプットの比率を移していく

筆者は資格試験をいくつも受けてきましたが、毎回いちばん効いたのは「最初は読む、途中から解く、最後は間違えたところだけ読み返す」という比率の移し方でした。

最初から問題だけ解いても、用語の全体像がないので間違いの理由が分かりません。逆に、最後まで読むだけだと「分かった気」で止まります。1週目は読む、2週目の後半から解く、間違えた章だけ記事に戻る。この往復が、いちばん短い時間で仕上がります。

もう1つ、資格の勉強を始める前に必ずやっているのが、公式のシラバスを先に通して読むことです。何が出て何が出ないかを先に確定させておくと、教材を読んでいるときに「これは範囲外だな」と判断できて、迷いが減ります。生成AIパスポートのシラバスは公式サイトからPDFで入手できるので、学習を始める前に一度通して読んでおくことをおすすめします。

説明できない用語だけを残す

筆者が受験前にやったのは、シラバスの用語を上から順に見て、自分の言葉で説明が詰まるものだけを生成AIに聞き返すことでした。このとき、意味を説明させて終わりにせず、「この用語は隣の用語と何が違うか」まで返してもらい、それを自分で言い直します。すでに説明できる用語は飛ばし、残ったものだけを繰り返しました。

覚えていない用語は人によって違うので、全員が全範囲を同じ密度でやり直す必要はありません。先にシラバスを通して読むのは、この「残す用語」を選ぶためでもあります。

もう1つ、結果が返ってきてから気づいたことがあります。筆者が唯一落としたのは第1章で、AIの歴史やシンギュラリティのような、仕事で使う機会がなく、興味も持てなかった範囲でした。興味がわかない範囲は、理解して納得しようとするより、用語カードのように短時間で何度も回したほうが残ります。第4章の法律と原則の名前も、同じ扱いにしたほうがよい範囲です。

受験の様子と、AWSやAzureのAI資格のあとに足した範囲は、合格体験記にまとめています。

▶ 【合格体験記】生成AIパスポートの勉強方法|AIFとAI-900のあと、約10時間で合格した

本番形式の360問で仕上げる

生成AIパスポート 模擬試験360問(本番形式60問×6回)【2026年シラバス対応】
本番と同じ60問・60分の模擬試験を6回分、全360問。全問を2026年シラバスから書き下ろし、RAG・AIエージェント・MCP・AI新法といった追加範囲も含めています。正解・不正解を問わず全選択肢に解説をつけているので、間違えた理由がその場で分かります。

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教材を選ぶときはシラバスの改訂を必ず見る

シラバスは毎年2月を基本に改訂される

公式には「毎年2月を基本として年1回以上の頻度でシラバスの改訂を行っています」と示されています。生成AIは動きが速い領域なので、この改訂は小さな修正ではありません。

2026年2月適用のシラバスで追加された主な項目は次のとおりです。

  • 第2章:GPT-o1、GPT-o3、GPT-o4、GPT-4.1、GPT-5、Sora、Operator、Codex、Image Generation、Gemini、Claude、Copilot
  • 第3章:RAG、チャンク、ベクトルデータベース、AIエージェント、GenSpark、Manus、Skywork AI、MCP、自己回帰モデル、Veo3
  • 第4章:AI新法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)、AI事業者ガイドライン第1.1版

特に第3章の追加分は、章の半分近くを占めます。改訂前の教材には存在しない範囲なので、ここを埋めないまま受験すると、第3章だけ極端に落とすことになります。

2027年2月試験からは章立てが変わる

2026年10月1日、公式から2027年試験のシラバスを大幅に改訂するという発表がありました。章立てが変わり、AIエージェント、リスクの予防、出力の評価といった範囲が厚くなります。改訂版の公式テキストの予約販売と、有資格者向けの資格更新テストの申込受付も同時に始まっています。

2026年10月試験までと、2027年2月試験以降では、見るシラバスが違います。 この記事とシリーズ5本は、2026年2月適用(2026年10月試験まで)のシラバスを前提に書いています。2027年2月以降の回を受ける方は、申し込む前に公式の改訂案内を確認してください。

▶ 生成AIパスポート、2027年試験のシラバスを大幅改訂|GUGA

教材を買う前のチェックポイント

  • 奥付や商品ページの発行年月を見る。2026年2月より前のものは、第3章と第4章の新規項目が入っていない
  • RAG、AIエージェント、MCP、AI新法の4語が目次にあるかを確認する。この4語があれば、2026年2月改訂に対応しています
  • 問題集は、複数選択の問題が含まれているかを見る。本番は「一部複数選択を含む」形式なので、単一選択だけの問題集では形式に慣れません

受験当日の進め方

60問60分の時間配分

1問1分です。四肢択一なので、分かる問題は20〜30秒で終わります。ここで時間を貯めて、迷う問題に回す形になります。

筆者が受けたときは、この3周を終えても時間が余りました。用語の意味を問う形式なので、分かる問題はほとんど即答になるためです。ただしこれは、用語を説明できる状態まで仕上げてから受けた場合の話です。迷う問題が増えれば、60分はそれほど余裕のある時間ではありません。

  • 1周目(35分目安):迷わず答えられる問題だけ答える。少しでも迷ったら印を付けて飛ばす
  • 2周目(15分目安):飛ばした問題に戻る。章ごとの軸を当てはめて、選択肢を2つまで絞る
  • 3周目(10分目安):複数選択の問題を見直す。選ぶ数が合っているかを確認する

複数選択の問題は、選ぶ数を間違えるだけで落とします。「2つ選びなさい」なのに1つしか選んでいない、という取りこぼしが起きやすいので、最後に数だけ確認する時間を取ってください。

オンライン受験(IBT)の実際

IBT方式なので、自宅のパソコンやスマートフォンから受験します。テストセンターに行く必要がない代わりに、自分の環境が安定していることが前提になります。受験期間は1か月あるので、月末ぎりぎりではなく、余裕をもって受けてください。通信が切れたときに対応する時間が残ります。

筆者は自宅で受けました。AWSのオンライン受験(OnVUE)のように、試験前に部屋の四方をカメラで映したり、机の上のものをどけるよう指示されたりすることはありませんでした。受験中に監督者からカメラ越しに声をかけられることもありません。公式が示している受験環境の条件は、自分以外が部屋に入らないこと、筆記具を置かないこと、複数モニターを使わないことで、家具や家電を片づける必要はないと案内されています。

ただし、手続きが簡単なことと、見ながら受けてよいことは別です。外部サイトやAIへの問い合わせ、別の端末での検索は禁止されており、ログ・映像・操作履歴から不正と判断された場合はその回が無効になる、と公式の禁止事項に書かれています。

もう1つ、知っておくと戸惑わないのが結果の出方です。Web試験なので終了ボタンを押した瞬間に合否が出るものだと思っていましたが、実際は後日メールで通知が来ました。公式案内では、受験期間が終わってから1か月以内に会員ページで知らせるとなっています。総合点は表示されず、出るのは章ごとの正答率だけです。ピアソンVUEで受けるAWSの試験のように、終了直後に点数が出る形ではありません。

よくある質問

Q. 非エンジニアでも合格できますか?

できます。第4章(法律・倫理)と第5章(プロンプト)は技術の知識を必要としません。この2章で確実に取れるようにしてから、第1章〜第3章の技術系に時間をかけるのが、非エンジニアの方の現実的な進め方です。

Q. どのくらいの勉強時間が必要ですか?

まったくの初学者で20〜30時間、生成AIを業務で使っている方なら10〜15時間というのが目安です。この記事のロードマップは、1日1〜2時間で2週間という前提で組んでいます。

筆者の場合は、AWSのAI Practitioner(AIF-C01)とAzureのAI-900を取ったあとだったので、足した勉強は10時間ほどでした。ただしこれは、両方の範囲を一度覚えたあとの差分です。どちらも持っていない方が10時間で届く、という話ではありません。

Q. ITの資格を持っていると有利ですか?

第1章と第2章は楽になります。機械学習やニューラルネットワークの用語に触れたことがあれば、この2章はほぼ読むだけで済みます。一方、第4章の法律・ガイドラインの部分は、IT資格の知識ではカバーできません。得意な章で時間を節約して、第4章に回すのがよいと思います。

クラウド各社のAI入門資格(AWSのAI Practitioner、AzureのAI-900/AI-901など)を持っている場合は、重なり方がもう少しはっきりしています。筆者が両方を取ったあとで受けた実感では、こうなります。

章 クラウドのAI資格で足りやすい範囲 別に埋めた範囲
第1章 教師あり学習などの学習の型 AIの歴史、シンギュラリティ、弱いAIと強いAI
第2章 Transformer、事前学習、RLHF、Temperature GPTの各世代、Gemini・Claude・Copilot、GANやBERTの系譜
第3章 RAG、AIエージェント、MCP(AWSのAI Practitioner側。AI-900にはどれもありません) ディープフェイク、Veo3・GenSpark・Manusなどのサービス名
第4章 公平性・透明性といった原則の名前だけ 個人情報保護法、著作権・肖像権・不正競争防止法、AI社会原則、AI事業者ガイドライン、AI新法、フィッシングなどの脅威
第5章 Zero-Shot、Few-Shot メール、キャッチコピー、ふりがななど、業務での使い方

ほぼそのまま足すことになるのは第4章です。 「責任あるAI」として公平性や透明性の名前は重なりますが、名前を知っているだけでは法律とガイドラインの中身は埋まりません。

Q. この資格を取ると、仕事で何が変わりますか?

いちばん変わるのは「入力する前に止まる」習慣が付くことです。社内文書を外部のサービスに貼り付けようとした瞬間に、個人情報が含まれていないか、そのサービスの規約で入力内容がどう扱われるか、という問いが浮かぶようになります。

もう1つは、話が通じるようになることです。筆者はAIエージェントに開発作業を任せるプロジェクトを運営していますが、こうした場で飛び交う言葉(RAG、エージェント、ハルシネーション、権限の範囲)は、どれもこの試験の範囲に入っています。資格で入るのは知識そのものというより、話を聞いたときに引っかかる観点のほうだと感じています。

▶ 「人間がコードを書かない」開発プロジェクトを運営してわかったこと

Q. 資格に有効期限はありますか?更新は必要ですか?

一度取得した資格は無期限です。更新しなくても失効しません。

そのうえで、有資格者向けに資格更新テストという任意の仕組みが用意されています。シラバス改訂のタイミングで開催され、講習動画の視聴(3時間程度)とチェックテスト10問(制限時間15分)を受け、合格すると新しいオープンバッジが発行されます。受講費用は6,600円(税込)、学生は3,300円(税込)です。

筆者は、失効しないことと、知識が最新であることは別だと考えています。特にこの分野は、1年前の教材に書いてあることが今は違う、ということが普通に起きます。履歴書や社内の申告に書くときは、資格名だけでなく取得年とシラバスの版を添えておくほうが、相手に伝わる情報としては正確です。更新テストは、その「いつ時点の知識か」を示し直すための仕組みだと捉えると、受ける意味が分かりやすくなります。

Q. 次に取るならどんな資格がありますか?

生成AIを「使う側」から「作る側・選ぶ側」に進みたいなら、クラウド事業者のAI系入門資格が近い位置にあります。AWSのAI Practitioner(AIF-C01)は、生成AIパスポートで覚えた用語(ハルシネーション、ファインチューニング、RAG、プロンプトエンジニアリング)がそのまま出てくるので、接続がよい資格です。

▶ AWS AIF(AI Practitioner)の勉強方法|1ヶ月で合格した教材と学習手順

まとめ

  • 生成AIパスポートは60問60分のIBT試験。年5回開催、受験料11,000円(税込)、合格率は約8割
  • 落ちる原因の多くは「シラバス改訂に教材が追いついていない」「用語を関係づけずに覚えている」の2つ
  • 章ごとに「選択肢を切る軸」を1つ持てば、用語を全部覚えていなくても選択肢は絞れる
  • 5章は独立していない。「重みを変えるか」「人が確認する」「弱点と対策」の3つが章をまたいでつながっている
  • 学習は第1章から順に積む。第5章から入ると遠回りになる
  • 教材はRAG・AIエージェント・MCP・AI新法の4語が目次にあるかで、2026年2月改訂への対応を判定できる
  • 問われるのはほとんどが用語の意味。シラバスの言葉を自分で説明できる状態が合格ラインの目安になる
  • 2027年試験からシラバスが大幅に改訂される。2026年10月試験までと2027年2月以降では、見るシラバスが違う
  • 当日は1周目で確実な問題を片付け、最後に複数選択の「選ぶ数」を必ず確認する

各章の詳しい解説は、以下の5本にまとめています。

▶ 生成AIパスポート 第1章「AI(人工知能)」の要点|機械学習・ニューラルネットワーク・AIの歴史

▶ 生成AIパスポート 第2章「生成AI」の要点|VAE・GAN・Transformer・ChatGPTの系譜

▶ 生成AIパスポート 第3章「現在の生成AIの動向」の要点|RAG・AIエージェント・MCP・ディープフェイク

▶ 生成AIパスポート 第4章「情報リテラシーとAI社会原則」の要点|個人情報保護法・著作権・AI新法

▶ 生成AIパスポート 第5章「テキスト生成AIのプロンプト制作」の要点|LLM・Temperature・Zero-Shot/Few-Shot

最後までお読みいただきありがとうございました。

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