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生成AIパスポート 第5章「生成AIの実践と活用事例」の要点|プロンプト・業務別の使い方・注意点

当ブログにはPRを含みます。

第5章「生成AIの実践と活用事例」は、2027年2月試験から適用される新しいシラバスで、旧シラバスの第5章から性格が大きく変わった章です。

旧シラバスの第5章は「テキスト生成AIのプロンプト制作と実例」という名前で、LLMやTemperatureといった仕組みの用語と、校正・要約・キャッチコピーといった「使い方の名前」を覚える章でした。新しい第5章では、仕組みの用語は第2章に移り、代わりに業務の場面ごとの使い方が中心になりました。文書作成、企画・マーケティング、画像や動画の制作、データ分析、プログラム開発と業務の自動化、そして業種ごとの活用です。

範囲は広がりましたが、聞かれ方は決まっています。目的と条件を伝えて生成AIに作業させ、出力を人が確かめてから使う。どの業務の問題も、この流れのどこが欠けているかを見れば選べます。この記事では、その見方で第5章を書いています。

シリーズの第5章です。

▶ 生成AIパスポート 第4章「リスク予防・AI倫理・ガバナンス」の要点|シャドーAI・個人情報・著作権・AI法

目次

第5章で問われるのは「何を伝え、何を確かめるか」

新しい第5章は7つの中項目に分かれます。最初の1つがプロンプトの書き方で、残りの6つが業務別の使い方です。

中項目ごとの出題のされ方

中項目 主な用語 問われ方
プロンプトエンジニアリング 構成要素、Zero-Shot、Few-Shot、Chain-of-Thought、In-Context Learning、役割設定、具体度 どこがどの要素か/手法の名前を選ぶ
文書作成・コミュニケーション業務 校正、添削、整形、要約、議事録、文字起こし、翻訳、スライド 場面に適したプロンプトや進め方を選ぶ
企画・マーケティング業務 ブレインストーミング、壁打ち、アンケート、SNS投稿、LP、市場・競合リサーチ 進め方と、確認すべき点を選ぶ
クリエイティブ制作 画像・動画・音声生成、TTS、モックアップ、ローカライズ、ライセンス 使い方と、権利・一貫性の確認を選ぶ
データ分析・リサーチ業務 整形・分類、集計・可視化、情報抽出、ディープリサーチ、定例レポート、検算 使い方と、結果の確かめ方を選ぶ
開発・業務自動化 コーディングエージェント、コードベース、リファクタリング、ブラウザ操作、タスク分解 エージェントの使い方と、権限・確認を選ぶ
業種別に見る生成AI活用 AX、DX、機密情報、専門家による確認、安全性、ツールの選定 業種の特徴に合った使い方を選ぶ

第5章を解く軸は「伝える → 作らせる → 確かめる」

業務別の問題は、ほぼすべて次の3段階のどこかを問います。

  • 伝える:目的、読み手、条件(字数・形式・トーン)、素材をプロンプトに入れているか
  • 作らせる:生成AIに向いた作業を任せているか。案を複数出させて人が選ぶ形になっているか
  • 確かめる:事実・数値・権利・個人情報を、使う前に人が確認しているか

正解になりやすいのは、条件を伝え、複数案を出させ、人が確かめて選ぶ選択肢です。「条件を伝えずに任せる」「1案だけ出させてそのまま使う」「確認せずに公開する」は、業務が変わってもほぼ誤りです。

業務別の生成AIの使い方マップ

第5章の6つの業務領域ごとに、生成AIに任せる作業と、人が確かめるポイントをまとめています。どの領域でも「AIが作り、人が確かめる」という分担は同じで、確かめる中身が業務によって変わります。

プロンプトエンジニアリング

プロンプトとプロンプトエンジニアリング

プロンプトは、生成AIに対して利用者が入力する、指示や質問などの文そのものです。

プロンプトエンジニアリングは、目的に合った出力が得られるように、指示文の書き方を工夫し、出力を見ながら対話的に改善していく取り組みです。定義には、試しながら直していく、という点が入っています。

プロンプトの基本構成要素

プロンプトは4つの要素に分解でき、それぞれの名前が問われます。

プロンプトの4要素

立場や読み手の説明がContext、やってほしい作業がInstruction、処理の対象となる素材がInput Data、出力の形や字数の指定がOutput Indicatorです。この分解ができると、「【 】の部分にあたる要素は?」は取れます。

要素 役割 例
Instruction(指示) モデルに実行してほしい作業内容そのもの 「次の社内規程を、入社1年目の社員に向けてやさしく言い換えてください」
Context(文脈) 答えるうえでの前提となる状況。立場・読み手など 「あなたは研修担当で、読み手は新入社員です」
Input Data(入力データ) 処理の対象となる素材そのもの 「規程:『時間外労働は、事前に所属長の承認を得た場合に限り認める』」
Output Indicator(出力指示子) 出力の形式や種類の指定 「結果は、商品名・価格・特徴の3列の表にして出力してください」

見分け方はこうです。

  • 「〜してください」という動作の依頼 → Instruction
  • 「あなたは〜です」「相手は〜です」という立場・読み手の説明 → Context
  • 会議の記録・問い合わせ文・規程の条文など、処理される中身そのもの → Input Data
  • 「箇条書きで」「3行以内で」「表にして」という形の指定 → Output Indicator

ContextとInstructionは混ざりやすいですが、立場の説明がContext、やることの依頼がInstructionです。

Zero-ShotとFew-Shot、In-Context Learning

Zero-ShotとFew-Shotの違い

Zero-Shotは、例を1つも示さず、指示だけで答えさせます。Few-Shotは、入力と出力の組をいくつか例として示してから本題を尋ねます。どちらも、モデルの重みは更新されません。

Zero-Shotプロンプティングは、入力と出力の例を1つも示さずに、指示だけで作業をさせる書き方です。

Few-Shotプロンプティングは、プロンプトの中に入力と出力の組をいくつか例として示してから本題を尋ねる書き方です。分類の基準や出力の形式を、言葉で説明しにくいときに、例を通して伝えられます。

このように、プロンプトの中の例や説明を手がかりに、モデルの重みを更新せずにその場でタスクに適応する能力をIn-Context Learning(文脈内学習)といいます。Few-Shotは、In-Context Learningを利用した書き方です。追加のデータで重みを更新するファインチューニングとは別物、という対比がそのまま問われます。

Chain-of-Thought(思考の連鎖)

Chain-of-Thought(CoT)は、答えだけを出させるのではなく、答えに至るまでの途中の考え方を順に書かせることで、複数の段階を踏む問題の正確さを高める手法です。「段階を追って考えてください」と書き添える、途中の考え方を含めた解答例を示す、といった形で使います。

計算や条件の多い判断のように、一足飛びに答えると間違えやすい問題で効果があります。ただし、途中の考え方が書かれていても、その内容が正しいとは限りません。結果は人が確かめます。

役割設定・出力形式の指定・具体度のコントロール

  • 役割設定:「あなたは経験10年の採用担当者です」のように、答える側の立場を与える。専門性や視点をそろえられる
  • 出力形式の指定:表、箇条書き、見出しつきの文章、決まった項目のテンプレートなど、出力の形を指定する。後の作業でそのまま使いやすくなる
  • 具体度のコントロール:条件をどこまで細かく書くかを調整する。形式や制約は具体的に、発想を求める部分は余白を残す

有効な工夫として問われるのは、やってほしくないことを並べるより、やってほしいことを具体的に書くことと、期待する出力の例を示すことです。

私の経験では、具体度のコントロールでいちばん効くのは、質問させながら一緒に進める書き方です。最初は、プロンプトに条件を細かく書くほど良い結果が出ると思っていました。書き込みすぎると、出力が自分の想像の範囲から出てこなくなります。今は、考えきれていない部分は「書き始める前に、足りない情報があれば私に1つずつ聞いてください」と投げて、問いを立ててもらうようにしました。経験のある人に作業を頼むとき、手順を全部指定するより「一緒に考えてほしい」と頼んだほうが良い案が出るのと、同じです。

文書作成・コミュニケーション業務

ここから先は、ほかの資格では見かけない範囲です。プロンプトの書き方までは、クラウド各社のAI入門資格にも出てきます。メールの作成や議事録、キャッチコピーといった、業務の場面ごとの使い方そのものが出題範囲になっているのは、私が受けてきたなかではこの試験だけでした。技術の資格の感覚で読むと、覚える対象に見えないまま通り過ぎます。範囲に入っているので、試験には出ます。

使い方 場面と、プロンプトのポイント
ビジネスメール・文書の作成 宛先、用件、トーン(丁寧さ)を伝えて下書きを作らせる。日時や金額などの事実は送る前に確かめる
校正・添削・整形 誤字脱字や敬語の誤りを直させ、変更点を「修正前→修正後」の一覧で出させる。どこを変えたか分かる形にする
要約・読者やトーンの変更 誰に向けて、何字程度で、どの観点を残すかを書き添える。専門家向けの文章を新入社員向けに書き換える、といった使い方
議事録の作成・要点抽出 会議の文字起こしから、決定事項・担当者・期限を抜き出させる。発言者や数字の取り違えがないか、出席者が確認する
翻訳・多言語コミュニケーション 相手の国の商習慣に合う表現を指定する。契約や仕様など誤訳の影響が大きい文書は、専門家や原文の分かる人が確認する
プレゼンテーションスライドの作成 目的、聞き手、枚数を伝えて構成案とスライドの文案を作らせる。数値やグラフの元データは人が確かめる

確認のポイントは共通しています。事実(日時・金額・固有名詞)と、相手に合った表現です。要約や議事録では、元の文章にない内容が混ざったり、大事な点が抜けたりすることがあるため、元の記録と照らし合わせて確かめます。

企画・マーケティング業務

使い方 場面と、プロンプトのポイント
キャッチコピー・広告コピーの作成 商品の特徴、届けたい相手、字数の上限を伝えて案を複数出させ、人が選ぶ
企画立案・ブレインストーミング・壁打ち 条件を伝えて案を多数出させる。自分の企画に反論させる、別の立場から意見させる(壁打ち)ことで、考えの抜けを見つける
アンケートの設計と分析 聞くべき質問と選択肢を挙げさせる。自由記述の回答を分類させ、傾向をまとめさせる。回答者の個人情報は入力前に取り除く
SNS投稿・コンテンツ制作 媒体ごとの文字数やトーンに合わせて案を作らせる。誤った情報や炎上につながる表現がないかを確かめる
ランディングページ(LP)の作成 構成案、文案、ページのコードまで作らせ、公開できる状態にする(デプロイ)。公開前に表示と内容を確かめる
市場・競合リサーチ ディープリサーチで複数の情報源を横断して調べさせる。数値や事実は一次情報で確かめる

ブレインストーミングで注意したいのはバイアスです。生成AIの案は、学習データでよく見かける発想に寄りやすく、特定の層を前提にした表現が混ざることもあります。案の幅を広げる道具として使い、最終的な判断は人が行います。

リサーチでは、ハルシネーションがいちばん問題になります。もっともらしい市場規模の数字や、実在しない調査結果が出てくることがあるため、出典を示させ、その出典が実在し、内容が合っているかを確かめます。

クリエイティブ制作での活用

使い方 内容
画像・ビジュアル素材の生成 画像生成AIで、広告用の画像、挿絵、商品写真の背景などを作る
動画コンテンツの生成・編集 動画生成AIで、短い映像を作る、既存の動画を編集する
ナレーション・音声・BGMの生成 テキストを音声に変えるTTS(Text-to-Speech)でナレーションを作る、音楽生成AIでBGMを作る
ロゴ・デザイン案・モックアップの作成 デザインの方向性を複数出させる。完成品に近い見た目の試作(モックアップ)で関係者と認識を合わせる
既存素材のバリエーション展開・多言語ローカライズ 1つの広告から、サイズや色違い、別の言語の版を作る

クリエイティブ制作で確認することは3つです。

  • 権利関係の確認:既存の作品やキャラクター、実在の人物、他社のロゴや商標に似ていないか
  • ライセンス条件:使っている生成AIサービスで、生成物の商用利用が認められているか
  • 一貫性:ブランドの色やトーン、登場人物の見た目などが、複数の素材でそろっているか

商品写真を加工する場合は、商品そのものの形や色を実物と変えないことも大切です。背景や照明の演出は有効な使い方ですが、実物と違う見た目で販売すると購入者の誤解を招きます。

データ分析・リサーチ業務での活用

データ分析・リサーチでの生成AIの使い方

データの整形・分類から、集計と可視化、大量の文書からの情報抽出、ディープリサーチによる横断調査、定例レポートの自動生成まで。数値は検算し、事実は一次情報で確かめるという確認が、どの段階にもつきます。

使い方 内容
データの整形・分類 表記がばらばらな住所や日付をそろえる、自由記述を分類する、氏名を姓と名に分ける
表・データの集計と可視化 集計の方法を考えさせる、グラフを作らせる、集計用のプログラムや表計算の式を書かせる
大量文書からの情報抽出・要約 契約書や報告書の束から、必要な項目を抜き出して一覧にする
ディープリサーチ AIが自分で検索を繰り返し、複数の情報源を横断して調べた結果をレポートにまとめる
定例レポートの自動生成 毎週・毎月のデータをもとに、決まった形式のレポートを作らせる。ワークフロー型エージェントで手順を固定すると安定する

なぜ検算が必要なのか

テキスト生成AIは、次に来やすい言葉をつないで答えを作る仕組みです。数値の計算を手順として実行しているわけではないため、件数が多い合計や前年比の計算で、もっともらしいのに違う数字を出すことがあります。

そのため、集計結果は検算が必要です。表計算ソフトで同じ計算をして照らし合わせる、生成AIに計算用のプログラムを書かせて実行する、といった方法で確かめます。社内の資料を根拠にして答えさせたい場合は、第3章で扱ったRAG(検索拡張生成)が使われます。

分析するデータに顧客の氏名や連絡先などの個人情報が含まれる場合は、分析に必要のない項目を入力前に取り除きます。

開発・業務自動化での活用

開発・業務自動化での生成AIの使い方

コーディングエージェントによる開発支援では、コードベースを調べ、コードを生成・修正し、テストを実行して結果を見て直す、というフィードバックループを回します。業務の自動化では、大きな作業をタスクに分解し、ブラウザ操作や複数のツールをまたいで実行します。どちらも、与える権限を絞り、重要な操作は人が確認します。

コーディング・アプリ開発

コーディングエージェントは、指示を受けて、プログラムの調査・作成・修正・テストまでを自分で進めるAIエージェントです。

  • 既存システム・コードベースの調査:大量のソースコード(コードベース)を読ませて、仕組みや影響範囲を説明させる
  • リファクタリング:動作を変えずに、コードを読みやすく整理し直す
  • コードの生成とコードレビュー:新しい機能のコードを書かせる、人が書いたコードの問題点を指摘させる
  • フィードバックループ:コードを書く → テストを実行する → 結果を見て直す、を繰り返して完成度を上げる

大きなコードベースは、一度に生成AIが扱える量(コンテキストウィンドウ)に収まらないことがあります。必要な部分を探して読ませる仕組みや、外部のツール・データとつなぐMCPが使われるのはこのためです。

注意点は、ライセンスとセキュリティです。生成されたコードに、ライセンスの条件があるオープンソースのコードが含まれていないか、脆弱性がないかを確かめます。生成したコードは、人がレビューしてから本番に反映します。

第3章でも触れたとおり、私は人間がコードを書かず、AIエージェントに実装やテストを任せる開発プロジェクトを運営しています。そこでの実感は、詰まる場所が実装からレビューへ移る、ということでした。AIが書いたコードは、間違っていても体裁が整っているので、読み流すと通ってしまいます。試験で問われる「人がレビューしてから本番に反映する」は、仕事で実際に詰まるところです。

▶ 「人間がコードを書かない」開発プロジェクトを運営してわかったこと

定型業務・複合タスクの自動化

  • 定型業務の自動化:毎週同じ手順で行うデータの取り出し・集計・報告などを、エージェントに任せる
  • ブラウザ操作・Web上の手続きの自動化:Webサイトを開き、フォームに入力し、ボタンを押す、といった人の操作をAIが代わりに行う
  • 複数ツール・複数ステップを横断する複合タスク:メール、表計算、社内システムなど複数のツールをまたぐ作業を、タスク分解して順に実行する

自動化で問われるのは権限です。エージェントに与える権限は作業に必要な範囲に絞り、送金、データの削除、外部への送信といった取り消しにくい操作の前には、人が確認する手順を入れます。第3章の「AIエージェントを安全に使う原則」と同じ考え方です。

業種別に見る生成AI活用

業種別の生成AI活用と共通する成功のポイント

業種を3つのグループに分けて、それぞれの使い方と、特に注意する点を並べています。規制・機密性が重視される業種は専門家の確認と機密情報の管理、現場・ものづくりの業種は安全性、顧客接点・コンテンツ制作の業種は個人情報と公平性。下段は、業種を問わず共通する成功のポイントです。

業種のグループ 例 使い方の例 特に注意する点
規制・機密性が重視される業種 金融、医療、法務、行政 文書の要約、問い合わせ対応の下書き、規程の検索 機密情報の管理、専門家による確認、規制への対応
現場・ものづくりを支える業種 製造、建設、物流 マニュアルの作成、点検記録の整理、技術の伝承 安全性。誤った手順が事故につながる
顧客接点・コンテンツ制作の業種 小売、観光、メディア、教育 商品説明、多言語の案内、コンテンツ制作、問い合わせ対応 個人情報、公平性、権利、表現の適切さ

DXとAX

  • DX(デジタルトランスフォーメーション):デジタル技術を使って、業務やビジネスの仕組みそのものを変えること
  • AX(AIトランスフォーメーション):AIを業務の中心に組み込み、仕事の進め方や組織のあり方を変えること

どちらも「今の作業を少し速くする」ことではなく、仕組みを変えることを指す点が共通しています。

業種を問わず共通する成功のポイント

  • 目的を決める:どの業務の、何を良くしたいのかを先に決める
  • 小さく始める:効果を確かめやすい業務から試し、うまくいったら広げる
  • ツールの選定:業務の性質と扱う情報に合ったツールを選ぶ(第4章の選定の確認項目)
  • ルールと教育:入力してよい情報や、出力の確認方法を決めて周知する
  • 人が確かめる:出力の最終確認と判断は人が行う
  • 効果を測る:時間や品質がどう変わったかを測り、使い方を見直す

第5章の形式に合わせた例題3問

例題1:プロンプトの要素を特定する

問題: ある採用担当者が、次の4つの文を続けて書いたプロンプトを使いました。このうち、Output Indicator(出力指示子)に当たる部分として最も適切なものを1つ選びなさい。

  • あなたは採用担当者です。応募者は大学3年生です。
  • 次の求人票を、応募者が読んで理解しやすい文章に書き直してください。
  • 求人票:「当社は社会インフラ向けシステムの受託開発を主たる事業とする」
  • 出力は3つの箇条書きにしてください。
  1. あなたは採用担当者です。応募者は大学3年生です。
  2. 次の求人票を、応募者が読んで理解しやすい文章に書き直してください。
  3. 求人票:「当社は社会インフラ向けシステムの受託開発を主たる事業とする」
  4. 出力は3つの箇条書きにしてください。

答え:4

出力の形式や種類を指定している部分がOutput Indicatorです。1は立場と読み手の説明なのでContext、2は実行してほしい作業の依頼なのでInstruction、3は処理の対象となる素材そのものなのでInput Dataです。4要素がすべて揃った、よくできたプロンプトの例でもあります。

例題2:プロンプティング手法を選ぶ

問題: 社内に届く問い合わせメールを「見積依頼」「不具合報告」「その他」に分類させたいと考えています。分類の基準を言葉で説明するのが難しかったため、すでに分類済みのメール3件を、本文と分類結果の組にしてプロンプトに書き添えてから本題を尋ねました。この書き方に該当するものを1つ選びなさい。

  1. Zero-Shotプロンプティング
  2. Few-Shotプロンプティング
  3. Chain-of-Thought
  4. ファインチューニング

答え:2

入力と出力の組をいくつか例として示してから本題を尋ねる書き方がFew-Shotプロンプティングです。1のZero-Shotは例を1つも示さない書き方です。3のChain-of-Thoughtは、答えに至る途中の考え方を順に書かせる手法で、例の示し方の話ではありません。4のファインチューニングは追加のデータでモデルの重みを更新する手法で、プロンプトに例を書くこととは別物です。

例題3:データ分析の進め方

問題: 店舗ごとの月別売上のデータを生成AIに渡し、店舗別の年間合計と前年比を表にまとめさせました。この表を経営会議の資料に使う前の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 生成AIは大量のデータを正確に処理できるので、表をそのまま資料に貼り付ける
  2. 表計算ソフトで同じ計算をするなどして、合計と前年比を検算してから使う
  3. Temperatureの値を下げて同じ指示をもう一度出し、2回の結果が一致すれば正しいと判断する
  4. 数値の正しさは確かめられないので、生成AIはデータ分析に使わないことにする

答え:2

テキスト生成AIは、次に来やすい言葉をつないで答えを作る仕組みで、計算の手順を実行しているわけではありません。件数の多い合計や比率では、もっともらしいのに違う数字を出すことがあるため、表計算ソフトやプログラムで検算してから使います。1は確認を省いています。3は、同じ誤りを2回出す可能性があり、正しさの確認になりません。4は、検算すれば集計の方法を考えさせる、表の形を整えるといった使い方ができるため、極端すぎる対応です。

例題3問では物足りない人に向けて、第5章の練習問題6問を解説つきで無料公開しています。登録不要で、そのまま読めます。

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よくある質問

Q. 旧シラバスの「使い方の名前」(校正箇所の確認、姓と名の分離など)は覚える必要がありますか?

名前そのものを選ばせる問題より、業務の場面でどう使い、何を確かめるかを選ばせる問題が中心になります。校正、要約、翻訳、ブレインストーミング、アンケートの分析といった使い方は新シラバスでも学習項目に残っているので、内容は見ておいてください。

Q. LLMやTemperatureの話はどこに行きましたか?

第2章「生成AI」に移りました。言語モデルの仕組み、TemperatureとTop-p、コンテキストウィンドウは、第2章の記事で扱っています。

Q. 業務で使ったことがない領域(動画生成やコーディングなど)はどう勉強すればよいですか?

使い方の細かい操作は問われません。それぞれの業務で「生成AIに何を任せ、人が何を確かめるか」が分かれば足ります。この記事の表の「確認のポイント」を中心に見ておけば足ります。

Q. 第5章だけ勉強すれば、仕事ですぐ使えますか?

使えます。実際、第5章の内容は資格を取らなくても業務に直結します。ただし、第4章の個人情報と権利の知識がないまま使い始めると、入力してはいけないものを入力してしまうことがあります。仕事で使うのが目的でも、第4章と第5章はセットで学ぶのをおすすめします。

まとめ

  • 第5章は「伝える → 作らせる → 確かめる」のどこが欠けているかを見ると選択肢を選べる
  • プロンプトの4要素は、依頼=Instruction、立場・読み手=Context、素材=Input Data、形式=Output Indicator
  • Zero-Shotは例なし、Few-Shotは例あり。どちらもIn-Context Learningで、モデルの重みは変えない。Chain-of-Thoughtは途中の考え方を書かせる
  • 文書作成は、事実と相手に合った表現を確かめる。校正は変更点を一覧にさせる
  • 企画・マーケティングは、案を複数出させて人が選ぶ。リサーチの数値は一次情報で確かめる
  • クリエイティブ制作は、権利・ライセンス条件・一貫性を確かめる
  • データ分析は、生成AIの計算結果を検算する。個人情報は入力前に取り除く
  • コーディングエージェントはフィードバックループで進め、コードは人がレビューする。自動化は権限を絞る
  • 業種ごとに注意点は違うが、目的を決め、小さく始め、人が確かめるという成功のポイントは共通

これで全5章の整理は終わりです。試験の概要、学習の順番、各章の復習は親記事にまとめています。

▶ 生成AIパスポート試験の出題範囲を章別に学ぶ|5章まとめと学習ロードマップ

前の章はこちらです。

▶ 生成AIパスポート 第4章「リスク予防・AI倫理・ガバナンス」の要点|シャドーAI・個人情報・著作権・AI法

実際の試験の様子と、合格までにかけた勉強時間は、合格体験記にまとめています。

▶ 【合格体験記】生成AIパスポートの勉強方法|AIFとAI-900のあと、約10時間で合格した

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