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前回、手元のゲーミングノートPCでローカルLLM(テキスト生成)を動かしてみました。今回はその続きとして、画像生成AIを同じマシンで動かしてみます。
前回の記事はこちら:中古ゲーミングPCでローカルLLMはどこまで使える?つまずいた6つのポイントと正直な感想
検証を始める前、私はこう思っていました。
文字を作るより絵を作るほうが重いに決まっている。ローカルではまともに動かないだろう。
結論から言うと、この予想は外れました。 6GB VRAM のノートPCで、1枚40〜50秒で実用的な画像が生成できます。しかもテキスト生成より満足度が高い結果になりました。
この記事では、使ったツールと設定の「意味」を整理しつつ、性格の異なる2つのモデルで同じプロンプトを投げた結果を並べていきます。
この記事の対象読者
- 自宅のゲーミングPCでどこまでできるのか知りたい人
- オープンな画像生成モデルの実力を知りたい人
- 詳細な手順はAIに聞けばいいので、まずツールと全体像を知りたい人
手順は簡略化して載せますが、細かいところで詰まったら生成AIに聞くのが早いです。実際、私自身この検証はAIと対話しながら進めました。
検証環境
秋葉原で購入した10万円程度の中古PCです。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 機種 | ドスパラ GALLERIA GR2060RGF-T |
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 2060 Laptop(VRAM 6GB) |
| CPU | AMD Ryzen 7 4800H with Radeon Graphics |
| メモリ | 16GB |
| OS | Windows 11 |
ポイントは VRAM 6GB という一点に尽きます。画像生成AIの世界では「最低12GB、できれば16GB以上」と言われることが多く、6GBは非力な部類です。
数年前のミドルクラスのゲーミングノート、という位置づけのマシンだと思ってください。

↓後継機種と思われる2026年式のRL7C-R35-5Nが新品でありました。GPUとCPUの性能はほぼ同じと思われます。
(GALLERIA GR2060RGF-Tと同じものは中古で探すしかありません。)
FLUX.1-schnellとSDXLの違い
詳細は後述するので概要だけ。
今回使用するモデルは正確の異なるFLUX.1-schnellとSDXLです。FLUX.1-schnellとSDXL系は、どちらもローカルPCで動かせるオープンウェイトの画像生成AIですが、世代や設計思想が大きく異なります。
簡単に言うと、
- FLUX.1-schnell = 「画質・プロンプト理解・文字描画」が強み
- SDXL(Stable Diffusion XL)系 = 「拡張性・軽さ・コミュニティの大きさ」が強み
という違いがあります。
FLUX.1-schnellは、2024年にドイツのAI企業 Black Forest Labs が公開したオープンウェイトの画像生成AIです。Stable Diffusionの開発に携わったメンバーが設立した企業が開発しており、高いプロンプト理解力や人物・文字の描画精度が特徴です。高速生成向けに最適化されており、商用利用しやすいライセンスでローカル環境でも利用できます。
SDXL(Stable Diffusion XL)は、イギリスを拠点とする Stability AI が2023年に公開した画像生成AIです。豊富な派生モデル(Checkpoint)やLoRA、ControlNetなどの拡張機能が充実しており、現在でも世界中で広く利用されています。
使ったツール:ComfyUI
画像生成AIを動かすツールはいくつかありますが、今回は ComfyUI を使いました。

ノードと呼ばれる箱を線でつないで処理の流れを組み立てる、フローチャートのようなUIです。最初は面食らいますが、慣れると「どこで何が起きているか」が一目で分かります。
ブラックボックスがないので、エラーが出ても原因を追いやすいのが気に入りました。
代表的な選択肢との比較はこんな感じです。
| ツール | 特徴 |
|---|---|
| ComfyUI | ノード形式。自由度が高く、低VRAM環境の調整がしやすい |
| Stable Diffusion WebUI (A1111) | フォーム形式。直感的だが内部が見えにくい |
| Forge / reForge | A1111系の高速化版 |
| Fooocus | 設定を隠して簡単にした初心者向け |
VRAMが厳しい環境ほど細かい調整が必要になるので、ComfyUI を選んで正解でした。
補足:LM Studio では動きません
前回テキスト生成で使った LM Studio に画像生成モデルのファイルを読ませようとして、unknown model architecture: 'flux'というエラーで弾かれました。拡張子が同じ.ggufでも中身の構造が別物なので、専用のツールが必要です。ここは最初に一度ハマったポイントでした。
セットアップ手順(簡略版)
大まかな流れだけ書いておきます。
1. ComfyUI を入れる
GitHub の Comfy-Org/ComfyUI リリースページから Windows Portable 版(.7z)をダウンロードして展開するだけです。インストーラは不要で、run_nvidia_gpu.bat をダブルクリックすると起動します。
展開先は C:\ComfyUI_windows_portable のような浅い階層にしてください。深い場所に置くとパスが長すぎてトラブルの原因になります。
2. 拡張機能を入れる(FLUXを使う場合)
FLUXを軽量化した形式で動かすため、ComfyUI-GGUF という拡張を追加します。ComfyUI 内蔵のノード管理画面からインストールできます。

3. モデルファイルを置く
ここが最大のポイントで、2つのモデルで手間が全然違います。
| FLUX.1-schnell | SDXL系 | |
|---|---|---|
| 必要なファイル | 4つ | 1つ |
| 内訳 | 本体 / T5エンコーダ / CLIP-L / VAE | すべて内蔵 |
| 合計サイズ | 約10GB | 約7GB |
SDXL は1ファイルを models\checkpoints\ に放り込むだけで終わりです。FLUX は部品が分離しているので、それぞれ決められたフォルダに配置する必要があります。

FLUXのテンプレートを開いた直後。必要なファイルが揃っていないと、このように一覧で警告が出ます
ComfyUI/models/
├── diffusion_models/
│ └── flux1-schnell-Q4_1.gguf ← FLUX本体
├── text_encoders/
│ ├── clip_l.safetensors ← FLUX用
│ └── t5-v1_1-xxl-encoder-Q3_K_M.gguf ← FLUX用
├── vae/
│ └── ae.safetensors ← FLUX用
└── checkpoints/
└── boleromixWAINSFW_v10.safetensors ← SDXLはこれ1つだけ
4. 起動オプションを足す
run_nvidia_gpu.bat をメモ帳で開き、起動コマンドの末尾に --lowvram を追記します。6GB環境ではこれが実質必須です(意味は後述)。
5. ワークフローを読み込んで実行
ComfyUI に内蔵されているテンプレートを開き、モデルを差し替えて実行するだけです。

以上です。詰まったらエラーメッセージをそのままAIに貼れば、だいたい解決します。
設定の意味を理解する
ここが本記事の本題かもしれません。私も最初は言われるがままに数値を入れていたので、それぞれが何をしているのかを整理しておきます。
VRAMと量子化
まず大前提として、画像生成AIはモデル全体をGPUのメモリ(VRAM)に載せて計算します。 載り切らなければ動きません。
FLUX.1 は約120億パラメータあり、そのままだと 23.8GB。6GBのGPUに載るはずがありません。
そこで 量子化(クォンタイズ) の出番です。パラメータの数値を粗く表現し直してファイルサイズを圧縮する技術です。
実際のラインナップがこちら。

同じモデルでもファイルサイズが4GB〜23.8GBまで用意されている
| ファイル | サイズ | 位置づけ |
|---|---|---|
| F16(無圧縮) | 23.8 GB | 本来のフルサイズ |
| Q8_0 | 12.7 GB | ほぼ劣化なし |
| Q5_K_S | 8.26 GB | 高品質 |
| Q4_1 | 7.51 GB | 今回採用 |
| Q4_K_S | 6.78 GB | バランス型 |
| Q3_K_S | 5.21 GB | 軽量重視 |
| Q2_K | 4.01 GB | かなり劣化 |
数字が小さいほど軽く、粗くなります。K_S K_M は圧縮方式の違いで、同じサイズなら _K_ が付くほうが品質効率が良いとされています。
私は Q3_K_S から始めて段階的に上げていきましたが、Q4以上なら見た目の差はほとんど分かりません。 むしろ Q3 では画像内の文字が崩れやすくなる、という違いのほうが目立ちました。
--lowvram は何をしているのか
7.5GBのファイルが6GBのVRAMに載るはずがないのに動くのは、この設定のおかげです。
--lowvram を付けると、ComfyUI はモデルを丸ごと載せるのをやめて、計算に必要な部分だけを順次VRAMへ運び込む動作に切り替わります。使い終わった部分はメインメモリへ戻します。
OSのページングやスワップと同じ考え方です。当然オーバーヘッドは発生しますが、「動かない」が「少し遅い」に変わるなら圧倒的に得です。
さらに ComfyUI は賢くて、「文章を解釈するフェーズ」と「絵を描くフェーズ」を分けて処理します。テキストエンコーダで文章を数値化し終わったらそれをVRAMから追い出し、空いたところに描画用の本体を読み込む。だから合計10GB分のモデルが6GBのVRAMで動くわけです。
ステップ数(Steps)
画像生成は、ノイズだらけの砂嵐から少しずつノイズを取り除いて絵を浮かび上がらせるという処理です。この「取り除く回数」がステップ数にあたります。
- 少なすぎる → ノイズが残って粗い
- 多すぎる → 時間の無駄(一定を超えると変化しない)
今回の設定はこうなりました。
| モデル | ステップ | 理由 |
|---|---|---|
| FLUX.1-schnell | 4 | 「4回で完成するように」蒸留された特殊なモデル |
| SDXL系 | 28 | 標準的な回数 |
FLUXの schnell(ドイツ語で「速い」)は、通常50回くらいかかる工程を4回に圧縮するよう再訓練されたモデルです。増やしても良くならず、むしろ崩れます。 ここは他モデルの常識が通用しない部分でした。
CFG(プロンプトへの忠実度)
「指示をどれだけ厳格に守らせるか」の強さです。
- 低い → モデルの自由に任せる。自然だが指示を無視しがち
- 高い → 指示に忠実。ただし色が濃く、線が硬く、不自然になりやすい
| モデル | CFG | 備考 |
|---|---|---|
| FLUX.1-schnell | 1.0 | 蒸留の副作用でCFG機能が無効化されている |
| SDXL系 | 6.0 | 5〜7が一般的な適正値 |
FLUXでCFGが1.0固定ということは、ネガティブプロンプトが効かないということでもあります。実際、FLUX側のネガティブ欄は空のままで問題ありませんでした。この仕組みを知らないと「ネガティブを書いてるのに効かない」と延々悩むことになります。
ネガティブプロンプトとは、「~するな」という禁止を表現するプロンプトです。例えば人の手を書かせると指の本数がおかしかったりするので「指の数が5本以外」などをネガティブプロンプトに指定します。
サンプラーとスケジューラ
ノイズを除去する「アルゴリズムの種類」と「1回あたりどれだけ除去するかの配分」です。
| モデル | サンプラー | スケジューラ |
|---|---|---|
| FLUX.1-schnell | euler | simple |
| SDXL系 | euler_ancestral | karras |
正直ここはモデルの推奨値をそのまま使うのが正解で、理屈を追うより先人の設定を借りるほうが早いです。
シード
乱数の種です。同じシード・同じプロンプト・同じ設定なら、何度実行しても同じ画像が出ます。
-
randomize:毎回変わる。ガチャを回すモード -
fixed:固定。比較検証をするモード
モデル同士を比較するときは必ず fixed にします。そうしないと「モデルの差」なのか「たまたま引いた乱数の差」なのか判別できません。
解像度
意外な落とし穴でした。小さくすれば軽くなる、は正しくありません。
SDXL は 1024×1024 相当の面積で学習されているため、512×512 で生成すると軽くはなるものの構図が崩れやすくなります。 学習時と違う土俵で戦わせることになるからです。
推奨は以下のあたり。
| 用途 | 解像度 |
|---|---|
| 正方形 | 1024 × 1024 |
| 縦(ポートレート) | 832 × 1216 |
| 横(アイキャッチ向き) | 1216 × 832 |
なお、画像の縦横比はプロンプトでは指定できません。 「16:9で描いて」と書いても無視されます。必ずノード側の数値で指定します(私は最初これをやらかしました)。
今回比較する2つのモデル
性格が正反対の2つを選びました。
① FLUX.1-schnell(Q4_1)
Black Forest Labs 製。Stable Diffusion の開発メンバーが独立して作ったモデルです。
- 約120億パラメータの大型モデル
- 実写・機械物・文字描画に強い
- Apache 2.0 ライセンスで商用利用しやすい
- 4ステップで完成する高速版
② boleromix + WAI-NSFW-illustrious-SDXL
Civitai で公開されているコミュニティ製モデル。SDXL をベースに、Illustrious という系統のアニメ特化モデルを掛け合わせたものです。
- 約26億パラメータと軽量
- アニメ・イラスト専門
- Danbooru系のタグで学習されている
- 1ファイルで完結して扱いやすい
2026年現在、アニメ系のローカル生成は Animagine系・Pony系・Illustrious系が主流で、目的に応じて使い分けるのが定石になっています。今回はその中でも扱いやすい Illustrious 系から選びました。
プロンプトの書き方が違う
同じ「画像生成AI」でも、指示の与え方が根本的に違います。
| FLUX | SDXL(Illustrious系) | |
|---|---|---|
| 形式 | 自然な英文 | カンマ区切りのタグ |
| 例 | A young woman standing beside a sports car at night |
1girl, solo, sports car, night, cel shading |
| 由来 | T5という言語モデルで文章を理解 | 画像タグのデータセットで学習 |
なので今回の比較では、同じ内容を各モデルの流儀に翻訳したプロンプトをそれぞれ用意しています。同じ文字列を投げるほうがむしろ不公平になるためです。
速度の違い
| モデル | 1枚あたり |
|---|---|
| FLUX.1-schnell Q4_1 | 約40〜50秒 |
| boleromix (SDXL) | 約10〜20秒 |
パラメータ数が5倍近く違うので、当然と言えば当然の結果です。
FLUX.1-schnell Q4_1

boleromix (SDXL)

右下のジョブキューに実測時間が表示される。FLUXは44.67秒、SDXLは11.74秒
実際に比較してみる
ここからは同じ内容のプロンプトを両モデルに投げた結果を並べていきます。厳密なベンチマークではなく、「実際こういう絵が出ますよ」 という現物主義でいきます。
A. 人物 + 車
両モデルの性格差が最もよく出るお題です。片方は人物が得意、片方は機械物が得意。それを同時に要求したらどうなるか。
プロンプト日本語訳:
夜、スポーツカーの横に立つ、カジュアルなジャケット姿の若い女性。片手で運転席側のドアに寄りかかっており、背景にはネオンサインが輝く都会の通りが広がっている。アニメ調のイラスト、すっきりとした線画、セルシェーディング。
FLUX:
A young woman in a casual jacket standing beside a sports car at night, leaning against the driver door with one hand, urban street with neon signs behind her, anime illustration style, clean line art, cel shading

SDXL:
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見どころ: 人と車のスケール感、接地の自然さ、両方の品質バランス。
アニメ系のSDXLが圧倒的にきれいという感想です。FLUXの方は90年代のアニメに出てきそうです。背景の文字がなんかおかしいのは両方とも同じですね。両方とも完成度が高く、自宅のパソコンで生成した画像ということを考えると十分なクォリティだと思います。
B. 車単体・斜め前方
車は左右対称かつ幾何学的な構造物なので、破綻が一目で分かります。真正面や真横より難しい斜めアングルで出してみます。
プロンプト日本語訳:
夕暮れ時の駐車場にて、フロント・スリークォーターのローアングルから撮影された白いスポーツクーペ。精緻なヘッドライトとグリル、フラットな色調、くっきりとした輪郭線。
FLUX:
A white sports coupe photographed from a front three-quarter low angle in a parking lot at dusk, detailed headlights and grille, flat colors, crisp outlines

SDXL:
masterpiece, best quality, highly detailed, no humans, white sports coupe, front three-quarter view, low angle, parking lot, dusk, detailed headlights

見どころ: ヘッドライトの左右対称性、ホイールが真円か、パースの整合性。
これは大きく出力される画像に違いが出ました。FLUXについては実写のようです。トヨタの86にそっくりでネットでそのまま画像を拾ってきたように見えます(笑)
SDXLの方についてはアニメ調ですね。両方ともかなり完成度が高いと思いました。
C. 首都高・夜景
形状の正確さではなく「絵として成立しているか」を見るお題です。イラスト用途では、細部が多少甘くても雰囲気が良ければ実用になります。
プロンプト日本語訳:
夜の都市部高架高速道路を疾走するスポーツカー、モーションブラー、赤いテールランプの光跡、ネオンの街明かりを映し出す濡れたアスファルト、シネマティックなアニメ調、ドラマチックな構図
FLUX:
A sports car speeding along an elevated urban expressway at night, motion blur, red tail light streaks, wet asphalt reflecting neon city lights, cinematic anime style, dramatic composition

SDXL:
masterpiece, best quality, highly detailed, no humans, sports car, elevated highway at night, motion blur, tail light streaks, wet road reflection, neon city lights, cinematic, night

見どころ: 光の滲み、路面の反射、スピード感。
圧倒的にお題に対して忠実なのはFLUXに見えます。躍動感がありますね。一方SDXLは悪くはありませんがスピードが出ているような感じはしませんね。
D. アニメキャラ単体
アニメ特化モデルの本領です。同じ「アニメ調の女性」を、汎用モデルと専門モデルがそれぞれどう描くか。
プロンプト日本語訳:
黒いロングヘアと青い瞳を持ち、白いブラウスを着用した少女のアニメ風ポートレート。上半身の構図、柔らかな自然光、シンプルな背景、セルルック(アニメ塗り)のイラスト、すっきりとした線画。
FLUX:
An anime-style portrait of a girl with long black hair and blue eyes, wearing a white blouse, upper body, soft natural lighting, simple background, cel shaded illustration, clean line art

SDXL:
masterpiece, best quality, highly detailed, 1girl, solo, upper body, long black hair, blue eyes, white blouse, looking at viewer, soft smile, simple background, natural lighting

見どころ: 目の描き込み、髪のツヤ、線の繊細さ。
好み次第かもしれませんが、SDXLのほうが完成度が高いように見えます。SDXLがアニメに強いのがよく分かる画像だと思います。
E. 文字入り
ブログ運営者として一番気になるお題です。アイキャッチやサムネイルに文字を入れられるかどうかは、実務上の使い勝手を大きく左右します。
プロンプト日本語訳:
テック系記事のブログ用ヘッダーイラスト。濃いネイビーの背景に「LOCAL LLM」の太字テキスト、ノートパソコン、シンプルなロボットのマスコットを配置した、フラットなベクター・スタイル。
FLUX:
A blog header illustration for a tech article, with the text "LOCAL LLM" in bold letters on a dark navy background, a laptop and simple robot mascot, flat vector style

SDXL:
masterpiece, best quality, blog header illustration, text "LOCAL LLM", dark navy background, laptop, robot mascot, flat vector style, simple

見どころ: 文字が読める形になっているか。
FLUXは文字を書こうとはしてくれました。イラストが被って文字が隠れているのは残念ですが。SDXLの方は文字に関わる指示は全く無視しています。
FLUXに軍配が上がりますが、文字に関しては両方とも実用レベルではないのでサムネイルやアイキャッチを作る特はCanvaなどで自分で文字を入れる必要がありそうです。
F. 複数属性の指示追従
「左は赤髪で緑のジャケット、右は金髪で青いドレス」という位置と属性を組み合わせた指示。プロンプトの理解力そのものを試すお題です。
プロンプト日本語訳:
桜の咲く公園で並んで立つ二人の少女。左の少女は赤いショートヘアに緑のジャケット、右の少女は長い金髪に青いワンピースを身にまとっている。アニメ調のイラスト。
FLUX:
Two girls standing side by side in a park with cherry blossoms, the one on the left has short red hair and a green jacket, the one on the right has long blonde hair and a blue dress, anime illustration style

SDXL:
masterpiece, best quality, 2girls, left girl with short red hair and green jacket, right girl with long blonde hair and blue dress, standing side by side, park, cherry blossoms, anime style

見どころ: 2人の属性が混ざらずに描き分けられるか。
これはSDXLに軍配です。両方とも指示を守ろうとはしていますが、絵として完成度の違いが如実に現れました。よく見るとFLUXの方は右の人物の手がおかしいです。
検証してみた所感
想像以上に実用的だった
一番の驚きはこれです。画像生成AIは、テキスト生成AIよりも実用的な水準にありました。
検証前は「文字生成より画像生成のほうがローカルで動かすのは難しいだろう」と思っていたので、完全に予想が外れた形です。
量子化を落とした FLUX Q4_1 でも1枚40〜50秒。ChatGPT で画像を生成してもらうときも同じくらい待っている感覚があるので、体感として遅いとは思いませんでした。
日本語プロンプトは非対応だが、大きな問題にはならない
どちらのモデルも日本語のプロンプトには対応していません。ただ、ブラウザでGoogle翻訳を開いておいて英訳しながら打てば、実用上ほとんど気になりませんでした。
そもそも SDXL 系はタグの羅列なので、文章力は不要です。単語が分かれば書けます。
指の本数は今も課題
人物を描かせると、たまに指が7本になっていたりします。 さすがに違和感が強く、そのまま使えないことがあります。

これは量子化のせいではなく、拡散モデル全般が抱える弱点です。関節が多く、角度によって見た目が激変し、指同士が重なる——という、AIが最も苦手とする条件が揃っているためです。
対策としては「バッチサイズを増やして数を撃ち、当たりを選ぶ」が現実的でした。SDXL なら1枚10秒台なので、4枚出しても1分かかりません。
文字の描画は頻繁に崩れる
ここが最大の弱点でした。日本語はもちろんですが、英語ですら崩れます。
最近の ChatGPT や Gemini は日本語を含めた文字をかなり正確に埋め込めるようになっているので、ここは大きな差分だと感じました。

「Local LLM: How well is it run?」と指示したが、実際には別の文字列になっている
実務的には、アイキャッチやサムネイルで文字が必要なら、画像だけAIで生成して文字はCanvaなどで後乗せするというひと手間が発生します。逆に言えば、そのひと手間に目をつむれるなら十分実用的です。
モデルの得意分野がはっきり分かれる
FLUX.1 は実写が得意ですが、アニメ調の指示にもきちんと応えてくれます。汎用性の高さが持ち味です。
一方 boleromix + WAI-illustrious-SDXL はアニメ専門で、同じプロンプトを投げても必ずアニメ調に仕上がります。 用途がはっきりしているぶん、その領域では強い。
「どちらが優れているか」ではなく「何に使うか」で選ぶものだと分かりました。
枚数無制限が地味に効く
ChatGPT などのクラウドサービスは、無料枠だと生成枚数に制限があります。ローカルなら電気代以外は無制限なので、気に入るまで何度でも回せます。
指の破綻を「数を撃って選ぶ」で解決できるのも、この無制限さがあってこそです。
GPUはフル稼働する
生成を始めると、GPU使用率が一気に100%まで張り付きます。ノートPCなのでファンもかなり唸ります。
長時間の連続生成をするなら、冷却や設置場所には気を配ったほうが良さそうです。
まとめ
VRAM 6GB のゲーミングノートPCでも、画像生成AIは十分に実用レベルで動きます。
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 生成速度 | ◯ 40〜50秒(FLUX) / 10〜20秒(SDXL) |
| 画質 | ◯ 実用十分 |
| 人物の手 | △ たまに破綻。数を撃って選ぶ |
| 文字描画 | ✕ 崩れる。後乗せ推奨 |
| 枚数制限 | ◎ なし |
| 導入難度 | △ FLUXはファイル4つで少し面倒 |
使い分けの結論はこうなりました。
- FLUX.1-schnell … 機械物、写実的な情景、複雑な指示
- Illustrious系SDXL … アニメイラスト、圧倒的な速度
そして両方に共通する弱点として、文字が必要なら別ツールで後乗せする。ここさえ受け入れれば、手元のPCが立派な画像生成マシンになります。
「うちのPCじゃ無理だろう」と諦めていた方、意外といけるかもしれません。まずは軽い SDXL 系から試してみることをおすすめします。
参考:詰まったときは
この検証、私自身が生成AIと対話しながら進めました。エラーが出たらメッセージをそのまま貼る、画面で迷ったらスクリーンショットを貼る。それだけで大抵は前に進みます。

テキストエンコーダの指定を間違えて実行に失敗したときの画面。こういう状態でもスクリーンショットを貼れば原因を特定してもらえる
手順を暗記する時代ではなくなったので、まず動かしてみて、詰まったら聞くというスタイルで十分だと思います。
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システムエンジニア
AWSを中心としたクラウド案件に携わっています。
IoTシステムのバックエンド開発、Datadogを用いた監視開発など経験があります。
IT資格マニアでいろいろ取得しています。
AWS認定:SCS, ANS, AIP, SAP, DOP, SAA, DVA, SOA, CLF
Azure認定:AZ-104, AZ-300
ITIL Foundation
Oracle Master Bronze (DBA)
Oracle Master Silver (SQL)
Oracle Java Silver SE
■略歴
理系の大学院を卒業
IT企業に就職
AWSのシステム導入のプロジェクトを担当
