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「今年の新人研修からAWSの資格を取らせることになった。何をどう決めればいいのか」という相談を、研修担当やチームリーダーの方から受けることが増えました。
個人がAWS資格を取る勉強法の記事はたくさんあります。ただ、研修担当者が困るのはそこよりも手前です。誰を対象にするのか、どの資格を目標にするのか、期間はどのくらい取るのか、教材はどう配るのか、受験料は誰が払うのか、落ちた人はどうするのか。こうした「制度として回す」ための決めごとが先にあり、勉強法はその後です。
筆者はIT企業でPMをしており、勤務先では入社1年目の必須資格としてAWSクラウドプラクティショナー(CLF)の取得が求められています。自分自身もAWS認定を全種類取得し、部門の新人OJTを何年か担当してきました。この記事では、その立場から、新人研修でAWS認定を取らせるときの制度の組み立て方をまとめます。
この記事でわかること
- 新人研修の目標資格としてCLFを選ぶ理由と、技術職に対する注意点
- 対象者・目標資格・期間・教材・費用・受験タイミング・不合格フォローの7項目の決め方
- 4〜6月の新人研修シーズンに合わせた、配属前1〜2か月のスケジュール例
- 研修を毎年回すための運用の工夫と、SAAなど上位資格への接続のさせ方
CLF-C02の試験そのものの概要や個人向けの勉強法は、以下の記事にまとめています。研修設計の前に試験の中身を押さえておきたい方は先にご覧ください。
▶ 【CLF-C02】AWS クラウドプラクティショナー概要とおすすめ勉強方法
なぜ新人研修の目標にAWS認定が向いているのか
研修の目標として資格を置くことには賛否があります。それでも筆者は、新人研修に限ればAWS認定、なかでもCLFを目標に置く価値は大きいと考えています。理由は3つあります。
目標と期日が明確で、研修担当者が進捗を測りやすい
新人研修で一番困るのは、「何をもって研修が終わったことにするか」が決まらないことです。座学の理解度は担当者によって評価がぶれますし、新人本人も自分がどこまで到達しているかがわかりません。
資格試験には合格点があり、模擬試験のスコアという途中経過の指標もあります。CLF-C02は65問・90分、1,000点満点で700点が合格ラインです。「模擬試験で8割取れたら受験する」のように、研修担当者も新人本人も同じ基準で進み具合を見られます。研修の成果を上司や人事に報告するときも、合格者数という数字で説明できます。
配属後の指示が「一言」で通じるようになる
筆者が新人にAWSの基礎知識を求める一番の理由はこれです。配属先で新人に作業を頼むとき、AWSを知っている人には「このLambdaのログをCloudWatchで確認しておいて」で伝わります。知らない人には、どのサービスの、どの画面を開いて、どのパラメータで検索するのか、と手取り足取り説明することになり、指示する側も受ける側も時間がかかります。
筆者は就活生や新入社員向けの説明会で「身につけておいた方がよいスキルは何か」と聞かれたときも、AWSのような汎用的な知識を挙げています。プロジェクト固有の業務知識は配属後に引き継げばよいものですが、AWSの基本のような汎用的な知識は本人が自分で身につけておくべきもので、それがあるかどうかで配属後の立ち上がりが変わります。CLFの範囲はまさにこの「基本の用語と考え方」で、研修で取らせておけば配属直後のコミュニケーションロスを減らせます。
技術職以外も同じ言葉で話せるようになる
筆者の勤務先では、SE職に対しては入社1年目のCLF取得が必須になっていて、営業職に対してもCLFやSAAの取得が推奨されています。実際に多くの営業担当がCLFを取っています。クラウドの提案の場ではAWSの用語が当たり前のように飛び交うので、営業も技術も同じ言葉で話せることの価値は大きいです。
新人研修は職種が混ざっている数少ない期間です。ここで全員がCLFを取っておくと、配属後に営業と技術が会話するときの土台が揃います。営業職にAWS資格を取らせる意味については別の記事で詳しく書いています。
制度として決めるべき7項目
ここからが本題です。新人研修でAWS認定を取らせる制度を作るときに決めるべきことを、7つの項目に分けて順に見ていきます。
1. 対象者:技術職は全員、営業・企画職も含める
対象者は、技術職は全員、営業職や企画職も原則として含めることをおすすめします。
CLFは技術的な深掘りよりも、クラウドの基本概念、セキュリティの考え方、料金体系といった「広く浅い」知識を問う試験で、非エンジニアでも十分に合格できます。さきほど書いたとおり、筆者の勤務先でも営業職に推奨されていて、実際に取得者が多くいます。
ただし、対象を広げるときは「必須」と「推奨」を分けておくことを勧めます。技術職は必須、営業・企画職は推奨、のようにです。全員必須にすると、業務上の必要度が低い職種の新人まで不合格時の扱いを同じにしなければならず、フォローの設計が重くなります。筆者の勤務先も、SEは必須、営業は推奨という分け方です。
2. 目標資格:全員CLF、技術職にはSAAまでの道筋を見せる
研修期間中の目標資格はCLFで統一するのが現実的です。理由は、範囲が広く浅いため職種を問わず同じ教材で進められること、1〜2か月で合格レベルに到達できること、そして受験料が15,000円(税別)とAWS認定の中で最も安いことです。
一方で、正直に書くと、筆者はSEのような技術職にとってCLFは簡単すぎると考えています。技術職として実務に入るなら、せめてSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)くらいは持っていてほしいというのが本音です。筆者自身、CLFは他の資格を取った後に資格を揃える目的で取りました。
それでもCLFを研修の目標にする価値がなくなるわけではありません。CLFで学ぶ内容はSAAの土台になりますし、筆者の周囲でも「CLFからSAAへ」の順で進めた人のほうが挫折せずに続いている傾向があります。研修の設計としては、研修期間中はCLFに絞り、技術職には「配属後半年〜1年でSAA」という次の目標を最初から見せておく、という組み立てがよいと思います。上位資格への接続については記事の後半で改めて書きます。
3. 期間設定:配属前の1〜2か月に収める
新人研修シーズンは4月から6月です。多くの会社では4月に入社して全体研修があり、5〜6月に部門研修や配属という流れになります。CLFの学習期間はこの流れに合わせて、配属前の1〜2か月に収めるのが現実的です。
CLFは初学者でも1〜2か月、1日1〜2時間の学習で合格レベルに届く試験です。研修期間中は業務時間の一部を学習に充てられるため、個人で夜に勉強するよりも進みは速くなります。以下は、4月入社で6月下旬に配属する場合のスケジュール例です。
| 時期 | 週 | 学習内容 | 到達目安 |
|---|---|---|---|
| 4月上旬〜中旬 | 第1〜2週 | 全体研修と並行して参考書を1周。クラウドの基本概念、責任共有モデル、主要サービスの名前と役割を押さえる | 参考書の章末問題が半分程度解ける |
| 4月下旬 | 第3〜4週 | 分野別に学習。AWS公式ドキュメントやBlack Belt資料で理解を補い、マネジメントコンソールで主要サービスに触る | 4分野の用語をひととおり説明できる |
| 5月上旬〜中旬 | 第5〜6週 | 模擬問題集を1周。間違えた問題を分野ごとに整理し、弱い分野を参考書に戻って復習 | 模擬試験で6〜7割 |
| 5月下旬 | 第7週 | 模擬問題集2周目。初見の問題で7〜8割取れたら受験を予約 | 模擬試験で7〜8割 |
| 6月上旬 | 第8週 | 受験(1回目)。直前は用語の最終確認のみ | 合格 |
| 6月中旬〜下旬 | 予備期間 | 結果確認(5営業日以内にメール通知)。不合格者は14日の待機期間後に再受験。合格者はSAAの学習を開始 | 配属までに全員合格 |
ポイントは、1回目の受験を配属の3〜4週間前に置くことです。AWS認定は不合格になると14日間再受験できません。1回目を配属直前に設定すると、不合格者の再受験が配属後にずれ込み、配属先のトレーナーに負担が移ります。1回目の受験日から配属日までに、再受験の待機期間14日と結果通知の5営業日を足した日数以上の余裕を持たせてください。
期間を1か月に短縮する場合は、第1〜2週の参考書通読と第3〜4週の分野別学習を合わせて2週間にし、模擬問題集の1周目を早めます。ただし、非エンジニアの新人が多い場合は2か月を確保したほうが不合格者が減り、結果として運用は楽になります。
4. 教材の配布:参考書1冊と問題集1本を全員に揃える
教材は「参考書1冊、Udemyの模擬問題集1本」を全員同じものに揃えて配布することを勧めます。教材がばらばらだと、質問対応のときに「どの本の何ページか」が通じず、トレーナーの負担が増えるからです。
筆者自身の学習スタイルは、参考書で全体像をつかみ、Udemyの講座や問題集で理解を深め、わからないところはAWS公式ドキュメントやBlack Belt資料で確認し、実際にマネジメントコンソールで触ってみる、という組み合わせです。研修でもこの組み合わせがそのまま使えます。
新人に伝えておいてほしいのが、調べもののときの情報源です。筆者は新人に「AWSのことを調べるなら、誰かのブログよりも公式ドキュメントやBlack Beltを見るように」と伝えています。第三者の記事には書いた人の解釈や誤りが混ざることがあり、公式の資料であれば十分な根拠になります。学生時代の調べものと違って、仕事の調べものには責任が伴うので、一次情報にあたる習慣を研修の段階でつけておくとその後も効きます。
Udemyの問題集を配る方法は2通りあります。会社でUdemy Businessを契約している場合はそれを使うのが一番簡単で、受講の進捗も管理画面で見られます。契約がない場合は、個人購入で揃えることになります。Udemyは月に数回セールがあり、セール時には問題集が2,000円程度で買えます。20人分でも4万円程度なので、参考書と合わせても1人あたり5,000円前後で教材が揃います。会社によっては書籍購入費の枠で処理できることもあるので、経理や人事に確認してみてください。
問題集の選び方は、比較記事にまとめています。研修で使う場合は、「不正解の選択肢まで解説がある」「初学者向けの前提知識の説明がある」ものを選ぶと、トレーナーへの質問が減ります。
本番形式の390問で仕上げる
無料40問で手応えがつかめたら、次は本番と同じ形式で時間を計って解く練習に進みます。CLF-C02は65問を90分で解く試験なので、通しで解く経験があるかどうかで当日の余裕が変わります。
【図解付き】AWS CLF-C02 クラウドプラクティショナー 本番同等模擬試験390問+初学者向け解説
本番と同じ65問×6セット。全問に日本語の解説と図をつけ、不正解の選択肢についても1つずつ理由を書いています。この無料40問とは別の問題です。
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5. 費用負担:受験料は会社負担にして、再受験分も予算に入れておく
費用は受験料と教材費に分かれます。CLFの受験料は15,000円(税別)で、20人なら30万円、50人なら75万円です。教材費は前項のとおり1人5,000円前後です。
| 費目 | 単価(目安) | 20人の場合 | 50人の場合 |
|---|---|---|---|
| 受験料(1回目) | 15,000円(税別) | 300,000円 | 750,000円 |
| 参考書 | 3,000円前後 | 60,000円 | 150,000円 |
| Udemy問題集(セール時) | 2,000円前後 | 40,000円 | 100,000円 |
| 再受験料(2割が不合格と仮定) | 15,000円(税別) | 60,000円 | 150,000円 |
| 合計 | 約46万円 | 約115万円 |
研修で取らせる資格である以上、1回目の受験料は会社負担にするのが筋です。個人の自己啓発として推奨するのと、研修の目標として取らせるのとでは、費用の扱いが変わります。予算を組むときは、再受験分をあらかじめ見込んでおいてください。CLFは合格率が高い試験とはいえ、初学者が多い研修では1〜2割の不合格者が出ます。再受験の費用まで予算に入れておくと、不合格者が出たときに「自費でお願いします」という気まずい話をしなくて済みます。
再受験を何回まで会社負担にするかは、制度として先に決めておくべきところです。筆者の感覚では、1回目と2回目までは会社負担、3回目以降は本人負担か、合格後に精算する方式が落としどころだと思います。受験料の会社負担の制度設計や、合格報奨金との組み合わせ方については、別の記事で詳しく書いています。
6. 受験タイミング:模擬試験で7〜8割を超えたら予約、会場はテストセンター
受験日は「研修の何日目」と一律に決めるよりも、「模擬問題集の初見問題で7〜8割取れたら予約する」という基準にして、その期限を配属の3〜4週間前に置くのがよいと思います。筆者自身もAWS認定を受けるときは、初見の練習問題で7〜8割取れるようになってから申し込むようにしてきました。一律の日付で受けさせると、準備が追いつかない人がそのまま不合格になり、再受験のコストが増えます。
受験会場は、テストセンターを基本にすることを勧めます。筆者はAWS認定のほぼすべてをテストセンターで受けており、自宅オンラインで受けたのは一度だけです。オンライン受験はネットワークの切断リスクや、部屋の環境準備、試験中のカメラ監視への対応など受験者側でやることが多く、初めて受ける新人には負担が大きいと感じました。テストセンターであれば環境はすべて会場側が用意してくれます。研修担当者としては、複数人が同じ日に同じ会場で受けられるように、早めに空き状況を確認しておくと運営が楽になります。
受験の1週間前から当日までの確認事項は、以下の記事にチェックリストとしてまとめています。新人にそのまま配ってもらって構いません。
7. 不合格者のフォロー:スコアレポートを見て、14日後の再受験を組む
不合格者が出たときの動きは、あらかじめ決めておきます。決めていないと、本人が落ち込んで報告を後回しにしたり、トレーナーが場当たり的に対応したりして、配属までに間に合わなくなります。
筆者が勧めるのは、次の流れです。結果通知が来たら、本人とトレーナーでスコアレポートを一緒に見て、合格点まであと何点だったか、どの分野が弱かったかを確認します。その場で14日後の再受験日を決め、それまでの2週間で弱い分野に絞って復習します。650点以上で落ちた人は14日後にそのまま再受験で問題ありません。550点を下回っていた人は、土台からやり直す必要があるので、1か月程度かけてから再受験したほうが結果的に安上がりです。
不合格を責めないことも大事です。筆者自身、AWS認定を全種類取っていますが、SysOpsアドミニストレーター(SOA)では1度不合格になり、2回目で合格しています。資格試験は準備の量と問われ方への慣れで結果が変わるもので、1回目に落ちたこと自体は珍しくありません。新人には「落ちたら14日後にもう一度」が制度として用意されていると最初に伝えておくと、1回目の受験に対する過度なプレッシャーも減ります。
不合格の原因のパターン分けと、2週間の再受験計画は、以下の記事に詳しくまとめています。不合格者にはこの記事を渡してもらえれば、トレーナーが一から説明する手間を省けます。
研修を毎年回すための運用の工夫
制度を決めても、初年度で運用が破綻すると翌年に続きません。ここでは、研修担当者やトレーナーの負担を抑えながら回すための工夫を3つ挙げます。
週に1回、模擬試験のスコアを報告させる
進捗管理は、週に1回、模擬試験の正答率を報告してもらうだけで十分です。「参考書を何ページまで読んだか」のような報告は形式的になりやすく、実際の到達度が見えません。模擬試験の正答率であれば、本人の理解度と合格までの距離が一目でわかります。
筆者の部門では新人のフォローのための朝会を定期的に開いており、そこでAWSの前提知識の話や、業務の周辺知識の話をしています。研修中も同じように、短い定例の場でスコアと困っていることを聞くだけで、遅れている人に早く気づけます。
教える側は「質問対応」に絞り、講義はしない
トレーナーがCLFの内容を講義するのは、おすすめしません。トレーナーの負担が大きい割に、参考書や動画教材のほうがわかりやすいことが多いからです。トレーナーの役割は、教材でわからなかったところの質問対応と、模擬試験のスコアを見て学習の方向を修正することに絞ります。
新人が複数いる場合は、新人同士で「間違えた問題を持ち寄って説明し合う」時間を週に1回入れると効果があります。人に説明しようとすると理解の穴が見えますし、トレーナーへの質問がその前に減ります。
生成AIを学習に使わせるなら「回答を吟味する」ことを条件にする
いまの新人は、わからないことを生成AIに聞くのが当たり前になっています。学習に使うこと自体を禁止する必要はありません。ただし、筆者が若手を指導していて気になるのは、AIが出した回答をそのまま報告に上げてきて、質問すると答えられない、というケースが増えていることです。
筆者は若手に対して、AIの出力は新人スタッフが作った資料と同じように扱い、自分で確認して直してから出すように教えています。資格学習でも同じで、AIに解説を聞いたら、その内容が公式ドキュメントと合っているかを自分で確認する、というルールをセットにしてください。CLFの範囲は公式ドキュメントで裏が取れるものばかりなので、この訓練を研修の段階で入れておくと、配属後にAIを使うときの姿勢まで育ちます。
上位資格への接続のさせ方
CLFに合格して研修が終わり、それきりになってしまうと、せっかく作った学習習慣が途切れます。研修の設計段階から、次の目標への接続を組み込んでおきましょう。
技術職はSAAを「配属後半年〜1年」の目標にする
技術職の新人には、CLF合格の時点でSAAを次の目標として提示してください。CLFで覚えた用語と考え方はSAAの土台になり、CLF直後は学習の勢いも残っています。
筆者にとってSAAは、キャリアの入口になった資格です。入社して数年はオンプレミスの仕事をしていて、あるとき突然AWSのプロジェクトに配属されました。AWSのことを何も知らなかったので任せてもらえる仕事がなく、会議の議事録を取るくらいしかできませんでした。そこでキャッチアップのためにSAAを取ったところ、技術的な会話についていけるようになり、インフラの設計や構築を任されるようになりました。そこからDVA、SAPと取り進めて、いまはAWS案件のPMをしています。
SAAを配属後の目標にするときは、期初の目標設定に組み込むのが効きます。筆者もSAAを取った当時、期初に立てた目標に資格取得を入れていたので、期末の評価に間に合わせるように後半は学習を急ぎました。上司との目標面談で「いつまでにSAA」と期日を切ってもらうと、研修が終わって業務に追われても学習が止まりにくくなります。SAAの勉強法は以下の記事にまとめています。
営業・企画職はAIFという選択肢もある
営業職や企画職の新人には、CLFの次にSAAを求めるのは負担が大きい場合があります。そのときの選択肢として、AI Practitioner(AIF)があります。CLFと同じFoundationalレベルで受験料も15,000円(税別)、生成AIやAWSのAIサービスの基本を問う試験です。提案の場で生成AIの話題が出ない日はないので、営業職の2つ目の資格として相性がよいです。
CLFとAIFのどちらを先にするかは、以下の記事で比較しています。研修ではCLFを先に置き、AIFは配属後の推奨資格にする組み立てを筆者は勧めています。
資格を「取らせて終わり」にしない
最後に、研修担当者に一つ伝えておきたいことがあります。資格は持っているだけで現場で有利に働くものではありません。筆者が下請け会社や派遣社員の選考をするときも、資格そのものより「資格を持った上でプロジェクトでどう立ち回っているか」を見ます。ただ、資格を取ろうとしていること自体は、きちんと勉強する人だという評価にはつながります。
研修でCLFを取らせる目的は、合格者数を報告することよりも、配属後に「AWSの用語が通じる」「公式ドキュメントで自分で調べられる」状態を作ることです。配属先のトレーナーに、CLF合格者にはAWSの用語で指示して構わない、と伝えておくと、研修の成果が現場で回収されます。
AWS資格がキャリアにどう効いたかという筆者の実体験は、以下の記事にまとめています。研修の目的を新人に説明するときの材料にしてください。
▶ 【意味ないは誤解?】AWS資格でキャリアが変わった筆者のリアルな話
よくある質問
Q. 文系出身や非エンジニアの新人が多いのですが、全員CLFは無理がありませんか?
CLFは非エンジニアでも十分合格できる試験です。筆者の勤務先でも営業職の取得者が多くいます。ただし、ITの前提知識がない人は用語を覚えるところから始まるので、学習期間は2か月を確保し、参考書は初学者向けのものを選んでください。文系・非エンジニアの学習の進め方は以下の記事にまとめています。
Q. 最初からSAAを目標にしてはいけませんか?
技術職だけの研修で、かつ研修期間が3か月以上取れるなら選択肢になります。ただし、SAAは受験料が20,000円(税別)で、問題文も長く、初学者だと2〜3か月かかります。職種が混ざった研修や、配属前1〜2か月の期間であれば、CLFで統一して、SAAは配属後の目標にするほうが不合格者が少なく運用も楽です。
Q. 研修中に業務時間で勉強させてよいのでしょうか?
会社の研修として取らせる資格であれば、業務時間内の学習を認めるのが自然です。筆者もSAAを取った当時は、まだ任せてもらえる仕事が少なかった時期だったので、業務時間中にもAWSの学習をしていました。研修期間中に1日1〜2時間の学習枠を明示的に確保しておくと、新人が「勉強していていいのか」と迷わずに済みます。
Q. 合格者に報奨金を出す制度は必要ですか?
必須ではありません。研修の必須資格として受験料を会社負担にするなら、報奨金がなくても取得率は上がります。報奨金は、研修後にSAAなど上位資格を自主的に目指してもらうための仕組みとして使うほうが効果があります。制度の組み合わせ方は費用負担の記事で詳しく書いています。
まとめ
- 新人研修の目標資格はCLFで統一する。目標と期日が明確で、配属後にAWSの用語で指示が通じるようになる
- 対象者は技術職を必須、営業・企画職を推奨に分ける。目標資格は全員CLF、技術職には配属後のSAAを最初から見せておく
- 学習期間は配属前の1〜2か月。1回目の受験は配属の3〜4週間前に置き、再受験の14日待機と結果通知の日数を吸収できるようにする
- 教材は参考書1冊と問題集1本に揃える。受験料15,000円(税別)は会社負担にし、再受験分も予算に入れておく
- 不合格者はスコアレポートを一緒に見て14日後の再受験を組む。研修後は技術職にSAA、営業・企画職にAIFを次の目標として接続する
新人研修でAWS認定を取らせることは、合格者数を作ることが目的ではありません。配属後に同じ言葉で話せて、自分で公式ドキュメントを調べられる新人を送り出すための仕組みです。この記事の7項目を順に決めていけば、初年度から無理なく回る制度が作れると思います。
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▶ 【CLF-C02】AWS クラウドプラクティショナー概要とおすすめ勉強方法
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システムエンジニア
AWSを中心としたクラウド案件に携わっています。
IoTシステムのバックエンド開発、Datadogを用いた監視開発など経験があります。
IT資格マニアでいろいろ取得しています。
AWS認定:SCS, ANS, AIP, SAP, DOP, SAA, DVA, SOA, CLF
Azure認定:AZ-104, AZ-300
ITIL Foundation
Oracle Master Bronze (DBA)
Oracle Master Silver (SQL)
Oracle Java Silver SE
■略歴
理系の大学院を卒業
IT企業に就職
AWSのシステム導入のプロジェクトを担当
