最終更新:2026年10月
生成AIパスポート試験のシラバス(2027年2月試験より適用)第5章「生成AIの実践と活用事例」から、練習問題6問を無料で公開します。
第5章で問われるのは、生成AIを実際の業務でどう使い、何に気をつけるかです。プロンプトの基本構成要素、Zero-Shot・Few-Shot・Chain-of-Thought、文書作成・コミュニケーション、企画・マーケティング、クリエイティブ制作、データ分析・リサーチ、開発・業務自動化、業種別の活用が範囲です。
この章は、業務の場面を読んで「適切な使い方」を選ぶ問題が中心になります。生成AIに任せる部分と、人が確認する部分(数値の検算、権利や個人情報の確認、送信前の確認など)の分け方を、今回の6問で確かめてください。
まず問題文と選択肢だけを読んで答えを決め、それから「解答と解説を見る」を開いてください。6問中1問は複数選択(2つ選択)です。
問題1複数選択
ある総務担当者が、テキスト生成AIに「防災訓練の案内文を、日時・集合場所・持ち物の3項目に分けた箇条書きで作ってください。」とだけ入力しました。プロンプトの要素のうち、このプロンプトに書かれていない要素を2つ選びなさい。
- Context
- Instruction
- Output Indicator
- Input Data
解答と解説を見る
正解:回答 1・4
回答 1 正解 Contextは、誰の立場で書くのか、誰が読むのかといった、答えるうえでの前提となる背景情報です。このプロンプトには、書き手の立場も、案内文を読む相手(社員か、来客か、近隣住民か)も書かれていません。そのため、文面の丁寧さや説明の細かさが読み手に合わない可能性があります。
回答 2 不正解 Instructionは、モデルに実行してほしい作業そのものを伝える要素です。「防災訓練の案内文を作ってください」の部分がこれに当たり、このプロンプトに書かれています。
回答 3 不正解 Output Indicatorは、出力の形式や種類を指定する要素です。「日時・集合場所・持ち物の3項目に分けた箇条書きで」の部分がこれに当たり、このプロンプトに書かれています。
回答 4 正解 Input Dataは、モデルが処理する素材として渡すデータです。この場面では、実際の日時、集合場所、持ち物が素材に当たりますが、どれも書かれていません。素材がないため、テキスト生成AIはそれらしい日時や場所を自分で作って埋めてしまいます。
前提知識
プロンプトの4つの要素について
- Instruction: 要約する、書き直す、作るなど、モデルに実行してほしい作業です。
- Context: 書き手の立場、読み手、目的など、答えるうえでの前提となる背景情報です。
- Input Data: 要約する文章や、案内文に載せる日時などの、処理の素材となるデータです。
- Output Indicator: 箇条書き、表、字数の上限など、出力の形式や種類の指定です。
- 4つの要素がすべてそろっていなくてもプロンプトは成り立ちます。ただし、欠けた要素はモデルが推測で補うため、意図と違う出力になりやすくなります。
判断のポイント
見分ける軸は、プロンプトの各部分が「作業」「前提」「素材」「形式」のどれに当たるかです。「案内文を作ってください」は作業なのでInstruction、「3項目に分けた箇条書きで」は形式なのでOutput Indicatorで、どちらも書かれています。書かれていないのは、立場や読み手を伝えるContextと、実際の日時や場所を渡すInput Dataです。
参考資料:Elements of a Prompt | Prompt Engineering Guide、Prompting best practices | Claude Platform Docs
問題2単一選択
テキスト生成AIの使い方の名前と、その使い方に当たるプロンプトの組み合わせとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 文章の要約:「次のメモを、話題ごとに分けて見出しを付け、並べ直してください。」
- 文章の対象を変更する:「次の技術資料を、販売店の店頭スタッフ向けの説明に書き直してください。」
- 話者の設定を変更する:「次の説明を、図書館で本を借りる流れに置き換えて説明してください。」
- 例え話で理解を深める:「次の説明文を、利用者の問いに担当者が答えるやり取りの形に書き直してください。」
解答と解説を見る
正解:回答 2
回答 1 不正解 このプロンプトは、内容を変えずに話題ごとにまとめ直させているので、文章の整理に当たります。文章の要約は、長い文章から重要な点だけを取り出して短くまとめる使い方です。このプロンプトは短くすることを求めていません。
回答 2 正解 文章の対象を変更するは、文章を読む相手を変えて、その相手に合う言葉と内容に書き直させる使い方です。このプロンプトは、技術資料を、読み手を販売店の店頭スタッフに変えて書き直させています。名前とプロンプトが合っています。
回答 3 不正解 このプロンプトは、内容を身近な別の場面に置き換えて説明させているので、例え話で理解を深めるに当たります。話者の設定を変更するは、「あなたは品質管理の担当者です」のように、答える側の立場や役割を与える使い方です。
回答 4 不正解 このプロンプトは、説明文を問いと答えの往復に書き直させているので、文章を会話のやり取りへ変換に当たります。例え話で理解を深めるは、内容を別の身近な場面に置き換えて説明させる使い方です。
前提知識
文章の対象を変更すると、話者の設定を変更するについて
- 文章の対象を変更するは、読み手を変える使い方です。「小学生にも分かるように」「販売店の店頭スタッフ向けに」のように、誰が読むかを指定します。
- 話者の設定を変更するは、答える側の立場を変える使い方です。「あなたは調達部門のリーダーです」のように、モデルに役割を与えます。
文章の整理と、文章の要約について
- 文章の整理は、内容は変えずに、話題ごとに分けたり並べ直したりする使い方です。
- 文章の要約は、重要な点だけを残して短くする使い方です。
例え話で理解を深めると、文章を会話のやり取りへ変換について
- 例え話で理解を深めるは、内容を身近な別の場面に置き換えて説明させる使い方です。
- 文章を会話のやり取りへ変換は、説明文を、質問する人と答える人の往復の形に書き直させる使い方です。
判断のポイント
見分ける軸は、プロンプトが文章の何を変えさせているかです。読み手を変えさせていれば対象の変更、答える側の立場を与えていれば話者の設定、長さを縮めさせていれば要約、並べ方だけを変えさせていれば整理です。読み手を店頭スタッフに変えさせる回答2だけが、名前とプロンプトが合っています。
参考資料:ChatGPT Enterprise Prompting Guide | OpenAI Cookbook(読み手の指定と、役割の与え方)、Prompting best practices | Claude Platform Docs(Give Claude a role)
問題3単一選択
テキスト生成AIの使い方のうち、「質問させながら一緒に進める」が最も向いている場面を1つ選びなさい。
- 新しい取引先に送る会社紹介の文書を作りたいが、何を盛り込むかが自分でも固まっていない
- 打ち合わせの記録が手元にそろっており、その中から担当者ごとに次にやる作業を拾い出したい
- 新しい福利厚生の案を、方向性は特に問わずに、できるだけ数多く挙げてもらいたい
- 議題と会議の時間がすでに決まっている定例会議について、時間配分を付けた進行表を作りたい
解答と解説を見る
正解:回答 1
回答 1 正解 質問させながら一緒に進めるは、「書き始める前に、足りない情報を1つずつ聞いてください」のように頼み、モデルからの問いに答えながら仕上げていく使い方です。盛り込む内容が依頼する側でも固まっていない場面では、モデルの問いに答えるうちに、伝えるべき条件が整理されていきます。
回答 2 不正解 この場面に合うのはタスクの抽出です。素材となる記録がそろっており、そこから次にやる作業を取り出せば済むため、モデルに条件を問い返させる必要はありません。
回答 3 不正解 この場面に合うのはブレインストーミングです。方向性を絞らずに案を数多く出させ、そこから人が選んだり広げたりする使い方で、モデルに条件を問い返させることが目的ではありません。
回答 4 不正解 この場面に合うのはアジェンダの作成です。議題と会議の時間という必要な条件はすでにそろっているので、それを伝えれば進行表の下書きを作らせることができます。
前提知識
質問させながら一緒に進めるについて
- プロンプトに「足りない情報があれば聞いてください」と書き添え、モデルからの問いに答えながら成果物を仕上げていく使い方です。
- 依頼する側が、伝えるべき条件をまだ整理しきれていない場面で役立ちます。モデルの問いが、考えていなかった条件に気づくきっかけになります。
ほかのビジネス応用について
- タスクの抽出: 議事録などの文章から、次に行うべき作業を一覧として取り出します。
- ブレインストーミング: 条件を伝えて案を数多く出させ、人が選んだり派生させたりします。
- アジェンダの作成: 議題と時間配分の案を出させ、会議の進行表の下書きを作らせます。
判断のポイント
見分ける軸は、作業に必要な条件が、依頼する側でそろっているかどうかです。記録、方向性、議題と時間のように条件がそろっている場面は、それぞれタスクの抽出、ブレインストーミング、アジェンダの作成で足ります。何を盛り込むかが固まっていない会社紹介の文書づくりは、モデルに問いを立てさせて条件を整理する、質問させながら一緒に進めるが向いています。
参考資料:ChatGPT Enterprise Prompting Guide | OpenAI Cookbook(モデルに質問させてプロンプトを整える方法)、Prompt engineering best practices for ChatGPT | OpenAI Help Center
問題4単一選択
店舗ごとの月別売上のデータを生成AIに渡し、「店舗別の年間合計と前年比を出し、伸びている店舗の特徴をまとめて」と依頼しました。データ分析業務で生成AIを使うときの進め方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 合計と前年比は表計算ソフトなどで検算し、生成AIには数値から読み取れる傾向の説明や文章の整理を任せる
- 生成AIは計算を得意としているので、出力された年間合計と前年比はそのまま経営会議の資料に使う
- 生成AIがまとめた「伸びている店舗の特徴」は分析結果なので、元のデータや現場の状況と照らし合わせる必要はない
- 分析の精度を上げるため、売上データに含まれる会員の氏名や連絡先も消さずに、一般向けの生成AIサービスに入力する
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正解:回答 1
回答 1 正解 LLMは文章を確率的に作る仕組みのため、多くの数値の合計や割合の計算で誤ることがあります。計算結果は確実な方法で検算し、生成AIは傾向の説明や報告の文章づくりに生かすのが効果的です。
回答 2 不正解 生成AIの計算結果には誤りが含まれることがあります。意思決定に使う数値を検算せずに使うのは危険です。
回答 3 不正解 生成AIが挙げた特徴は、データの一部だけを見た推測や、もっともらしい作り話を含むことがあります。元のデータや現場の情報で確かめます。
回答 4 不正解 分析に不要な個人情報を、取り扱い条件を確認していないサービスに入力すると、情報漏えいのおそれがあります。不要な列は削除してから扱います。
前提知識
データ分析・リサーチ業務での生成AIの活用
- データの整形・分類、集計と可視化、傾向の説明、報告の文章づくり、大量の文書からの情報抽出などに使えます。データ分析の機能をもつ生成AIは、プログラムを実行して集計やグラフ作成を行うこともできます。
検算の大切さ
- 生成AIの出した数値は、表計算ソフトなどで同じ計算をする、合計と内訳の和が合うかを見る、といった方法で確かめます。
個人情報への配慮
- 分析の目的に必要な項目だけを使い、不要な個人情報は削除してから、社内で承認されたツールで扱います。
判断のポイント
見分ける軸は、「数値は確実な方法で検算し、生成AIは得意な説明や整理に使う」役割分担になっているかどうかです。
参考資料:Code Interpreter | OpenAI API、個人情報保護委員会 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等
問題5単一選択
総務部で、毎週行っている「社内ポータルから勤怠データを取り出し、集計して、各部署の責任者にメールで送る」作業を、複数のツールを操作できるAIエージェントで自動化しようとしています。進め方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 設定の手間を省くため、総務部長のアカウントをエージェントに使わせ、社内のすべてのシステムを操作できるようにする
- 手順と使うツールを整理し、必要な操作だけを許可したうえで、送信前の内容を担当者が確認する
- 途中の集計に誤りがあっても最後に気づけるので、工程ごとの記録や確認は行わずに最後まで自動で進めさせる
- 自動化の効果を最大にするため、集計結果のメールは担当者の確認を経ずに、エージェントが各部署へ直接送信する
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正解:回答 2
回答 1 不正解 人のアカウントを使わせると、エージェントが必要以上の権限で動き、誤操作や攻撃の影響が大きくなります。誰の操作かも追跡しにくくなります。
回答 2 正解 業務の手順と各工程で使うツールを整理し、エージェントには勤怠データの参照やメールの下書きなど必要な操作だけを許可します。社外・社内に影響する送信の前に担当者が内容を確認すれば、誤った集計が広まるのを防げます。
回答 3 不正解 途中の誤りは、後の工程に引き継がれて広がります(連鎖的なエラー)。工程ごとに結果を記録し、確認できるようにしておきます。
回答 4 不正解 誤った集計が確認なしに送られると、各部署の判断を誤らせるおそれがあります。送信前の確認が必要です。
前提知識
開発・業務自動化での生成AIの活用
- 生成AIやAIエージェントは、定型業務の自動化、ブラウザ操作によるWeb上の手続きの自動化、複数のツールと工程をまたぐ複合タスクの自動化、コーディングエージェントによる開発支援などに使われます。
安全に自動化するためのポイント
- タスク分解:工程と各工程で使うツールを整理する
- 最小権限:必要な操作だけを許可する
- 記録と検証:工程ごとの結果を記録し、異常を検知したら止める
- 人の確認:影響の大きい操作(送信・支払い・削除など)の前に人が確認する
判断のポイント
見分ける軸は、「手順の整理」「必要な権限だけ」「送信前の人の確認」がそろっているかどうかです。
参考資料:Building Effective AI Agents \ Anthropic、OWASP Top 10 for LLM Applications: LLM06 Excessive Agency
問題6単一選択
ある雑貨店が、通販サイトに載せる新商品の写真を、画像生成AIで背景や照明を変えて魅力的に加工しようとしています。クリエイティブ制作での生成AIの使い方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 商品が実物より大きく色鮮やかに見えるよう、形や色まで生成AIで変えた画像を商品写真として載せる
- 人気ブランドの広告写真に似た雰囲気にするため、そのブランドの広告画像を入力して、ほぼ同じ構図の画像を作る
- 生成AIで加工した画像は自由に使えるので、利用している画像生成サービスの商用利用の条件は確認しない
- 背景や照明の演出に使い、商品そのものの形や色が実物と変わっていないことと、サービスの利用条件を確かめて使う
解答と解説を見る
正解:回答 4
回答 1 不正解 実物と異なる形や色の画像を商品写真として載せると、購入者に誤解を与え、景品表示法上の問題や返品・苦情につながるおそれがあります。
回答 2 不正解 他社の広告画像の表現をほぼそのまま使うと、著作権の侵害になるおそれがあります。
回答 3 不正解 生成した画像を商用で使えるかどうかは、サービスの利用規約やライセンスで決まります。使う前に条件を確認します。
回答 4 正解 背景や照明の演出で商品を魅力的に見せるのは、生成AIの有効な使い方です。ただし、商品そのものが実物と変わっていないか、生成AIサービスで商用利用が認められているかを確認してから使います。
前提知識
クリエイティブ制作での生成AIの活用
- 画像・動画・音声・音楽の生成、ロゴやデザイン案・モックアップの作成、既存素材のバリエーション展開、多言語へのローカライズなどに使えます。
使う前に確認すること
- 正確さ:商品の形・色・機能など、実物と異なる表現になっていないか
- 権利:既存の作品や他社の広告、実在の人物に似ていないか
- 利用条件:生成AIサービスの規約で商用利用が認められているか
- 一貫性:ブランドの色やトーンがそろっているか
判断のポイント
見分ける軸は、「演出に生成AIを生かしつつ、実物との違い・権利・利用条件を確認している」かどうかです。
この問題を無料アプリで解く
同じ30問を、順番と選択肢をシャッフルして解けます。採点と正誤の記録、ブックマーク、途中で中断しての再開ができます。登録は不要で、記録はお使いの端末の中だけに保存されます。
この章の要点を記事で確認する
解説を読んでも腑に落ちなかった用語は、章の要点をまとめた記事で全体の中の位置を確かめると整理しやすくなります。
▶ 生成AIパスポート 第5章「生成AIの実践と活用事例」の要点|プロンプト・業務別の使い方・注意点
他の章の問題も解く
この無料30問は、当サイトの有料講座(本番形式 60問×6セット)とは別に書き下ろした問題です。同じ問題は含まれていません。解説は生成AIパスポート試験のシラバス(2027年2月試験より適用)の範囲に沿って、法令・公的機関の資料・論文・各社の公式ドキュメントを確認して作成しており、各問題の末尾に参考資料のリンクを載せています。法令やサービスの内容は更新されることがあるため、受験前には公式の情報もあわせてご確認ください。
本番形式の360問で仕上げる
生成AIパスポート 模擬試験360問(本番形式60問×6回)【2026年シラバス対応】
本番と同じ60問・60分の模擬試験を6回分、全360問。全問を2026年シラバスから書き下ろし、RAG・AIエージェント・MCP・AI新法といった追加範囲も含めています。正解・不正解を問わず全選択肢に解説をつけているので、間違えた理由がその場で分かります。
当ブログ限定クーポン:通常 2,600円 → 1,500円
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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