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【生成AIパスポート 無料問題】第3章 現在の生成AIの動向 6問|解説つき

最終更新:2026年10月

生成AIパスポート試験のシラバス第3章「現在の生成AIの動向」から、練習問題6問を無料で公開します。

第3章で問われるのは、いまの生成AIで何ができ、どんな問題が起きているかです。画像・音楽・音声・動画の生成AI、ディープフェイクと偽情報、RAG(検索拡張生成)、AIエージェントとMCPが範囲です。RAG・AIエージェント・MCPは2026年2月試験から加わった範囲で、旧版の教材には載っていません。

この章の選択肢は、「モデルの中身を変えるのか、外から材料や道具を渡すのか」で切れることが多くあります。RAGとファインチューニング、AIエージェントと単発の質問応答、MCPとモデルの学習の違いを、今回の6問で確かめてください。

まず問題文と選択肢だけを読んで答えを決め、それから「解答と解説を見る」を開いてください。6問中1問は複数選択(2つ選択)です。

問題1単一選択

ある会社では、就業規則を参照して答える社内向けのチャットボットを、検索拡張生成(RAG)の仕組みで作りました。先月、規則の一部を改定しましたが、チャットボットは今も以前の規則に沿った答えを返します。

この原因として最も考えられるものを1つ選びなさい。

  1. 回答を作るモデルが、取り込んだ規則の内容を学習して、以前の規則を重みとして覚え込んでいる
  2. 改定後の規則を使ってモデルをファインチューニングしていないので、新しい内容が反映されない
  3. ベクトルデータベースに保存した中身が、古い版の規則を分けたチャンクのまま入れ替えられていない
  4. Temperatureが低く設定されているので、以前と同じ確率の高い答え方に寄ってしまっている
解答と解説を見る

正解:回答 3

回答 1 不正解 RAGでは、モデルの重みは変わりません。規則の文書はベクトルデータベースに保存され、質問のたびに検索して読み出されるだけです。社内の就業規則は、モデルの事前の学習に使われたデータにも含まれていません。以前の規則で答えるのは、モデルが規則を覚えているからではありません。

回答 2 不正解 RAGは、モデルを学習し直さずに、参照する文書を差し替えて回答の根拠を新しくする仕組みです。規則が変わるたびにファインチューニングする必要はありません。ファインチューニングをしていないことは、古い内容で答える原因になりません。

回答 3 正解 RAGのチャットボットは、ベクトルデータベースから検索で見つかったチャンクを根拠に答えます。規則を改定しても、改定後の文書をチャンクに分け直して保存し直さなければ、検索で見つかるのは古い版の条文です。文書を改定したときは、保存してある中身も更新する必要があります。

回答 4 不正解 Temperatureは、次の語を選ぶときのばらつきを調整する値です。低くすると確率の高い語に寄りやすくなりますが、答えの根拠になる文書の中身は変わりません。古い規則の内容が出てくる原因は、モデルに渡されている文書の側にあります。

前提知識

検索拡張生成(RAG)について

  • 回答を作る前に、外部の文書から関係する箇所を検索して渡す手法です。Retrievalは検索、Augmentedは補強、Generationは生成を指します。モデルの重みは変えません。
  • 渡す文書を差し替えれば、回答の根拠が新しくなります。差し替えなければ、古い文書をもとに答え続けます。

チャンクとベクトルデータベースについて

  • チャンクは、長い文書を検索しやすい大きさに区切った一片です。ベクトルデータベースは、チャンクの意味を表す数値の並びと元の文章を組にして保存し、意味の近いものを探せるようにした仕組みです。
  • 文書を改定したときは、改定後の文書をチャンクに分け直し、意味を表す数値の並びも作り直して入れ替えます。

ファインチューニングについて

  • 追加のデータでモデルの重みをさらに学習させる作業です。特定の文体で答える文例を追加で学ばせる、といった使い方です。

Temperatureについて

  • 次の語を選ぶときのばらつきを調整する値です。高くすると言い回しの揺れが大きくなり、低くすると確率の高い語に寄りやすくなります。

図解

上の橙が、規則を先に小さく分けて保存する準備です
上の橙が、規則を先に小さく分けて保存する準備です。下の緑が、質問が来てから回答するまでの流れです。①から⑤の順に進み、青い箱の質問は③で保存済みの塊と合流します。

判断のポイント

見分ける軸は、RAGの回答の根拠がどこから来ているかです。根拠はベクトルデータベースに保存したチャンクで、モデルの重みでも生成の設定値でもありません。図の①②の準備を改定後の規則でやり直さない限り、③の検索で見つかるのは古い版の条文のままです。

参考資料:Retrieval-Augmented Generation for Knowledge-Intensive NLP Tasks(RAGの提案論文)、RAG (検索拡張生成) とは何ですか?(AWS)

問題2単一選択

画質の粗い古い映像を対象に、生成AIを使ったリマスタリングが行われています。生成AIによるリマスタリングの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 映像を回転・反転させた複製を作って本数を増やし、学習に使うデータの不足を補うために行う処理である
  2. 大きさや画質のそろわない映像を、モデルが受け取れる同じ形式に統一するために行う学習の前処理である
  3. 粗い部分の細部はモデルが学習した傾向から推定して描き足すので、撮影時の実物と一致するとは限らない
  4. フィルムに記録されたまま見えなくなっていた細部を読み出し、撮影されたときの映像を元どおりに再現する処理である
解答と解説を見る

正解:回答 3

回答 1 不正解 これはデータの水増し(augmentation)の説明です。手元の画像や映像を回転・反転・拡大縮小して少しずつ違う例を作り、学習用データの量を補います。目的は、モデルの学習に使うデータを増やすことです。古い映像そのものを見やすい画質に作り直すリマスタリングとは、目的が違います。

回答 2 不正解 縦横の寸法をそろえるのはリサイズ、画素の値の範囲をそろえるのは正規化で、どちらもモデルに学習させる前の準備です。リマスタリングは学習の前処理ではありません。すでにある映像作品を、現在の画質で見られる状態に作り直す使い方です。

回答 3 正解 生成AIによる高画質化は、解像度の低い映像を手がかりに、高い解像度の画素を新しく作り出します。作られた細部は、学習した多くの画像や映像の傾向から推定したものです。見た目は鮮明になりますが、撮影時にそこに写っていたものと同じだという保証はありません。

回答 4 不正解 原版のフィルムを高い解像度で読み取り直す作業なら、フィルムに記録されていた細部が出てきます。しかし、画質の粗い映像には、細部の情報がもともと記録されていないか、失われています。生成AIは、その部分を推定で埋めています。仕上がった映像を、撮影時の姿を元どおりに再現したものとして扱うことはできません。

前提知識

リマスタリングについて

  • 画質が粗くなった昔の映像や画像を、現在の画質で見られる状態に作り直すことです。生成AIを使う場合は、粗い部分の細部をモデルが補って高精細にします。
  • 補われた細部は、モデルが学習した傾向から推定して作ったものです。元の映像に記録されていた情報ではありません。

生成AIによる高画質化(超解像)について

  • 解像度の低い画像を入力にして、それに合う解像度の高い画像を作り出す技術です。Googleが2021年に発表したSR3は、低解像度の画像を手がかりに、ノイズから高解像度の画像を組み立てます。古い家族写真の修復などが用途として挙げられています。
  • 2024年に米国ワシントン州の裁判所は、AIで高画質化した映像を刑事裁判の証拠として認めませんでした。AIモデルが「写っているべきだ」と判断した内容を、検証できない方法で表示するものだという理由です。

データの水増し・リサイズ・正規化について

  • いずれも、画像を扱うAIを学習させる前の準備です。データの水増しは回転や反転で学習用の例を増やす処理、リサイズは縦横の寸法をそろえる処理、正規化は画素の値を0から1のような範囲にそろえる処理です。

判断のポイント

見分ける軸は、生成AIが補った細部が「記録されていたもの」か「推定して作ったもの」かです。生成AIによるリマスタリングは、粗い部分を推定で描き足すので、見た目が鮮明でも撮影時の実物と一致するとは限りません。学習の準備である水増し・リサイズ・正規化とは、目的も扱う対象も違います。

参考資料:High Fidelity Image Generation Using Diffusion Models(Google Research、SR3による超解像)、Washington state judge blocks use of AI-enhanced video as evidence in possible first-of-its-kind ruling(NBC News)

問題3単一選択

ディープフェイク(深層偽造)技術をめぐって、現在指摘されている状況の説明として最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 生成AIの出力に識別用の印を入れる取り組みが広がり、印の見つからない映像は本物だと確かめられるようになった
  2. 偽の映像が作れると広く知られた結果、本物の映像や音声を示された人が「偽物だ」と言い逃れる余地も生まれている
  3. 本人によく似た声を作るには数時間分の録音が必要なので、偽の音声の標的は録音が多く出回る著名人にほぼ限られている
  4. SNSの運営会社が投稿された偽の映像を自動で見分ける仕組みを整えたので、偽の映像は広まる前にほぼ止められている
解答と解説を見る

正解:回答 2

回答 1 不正解 電子透かしは、生成AIの出力に目に見えない印を埋め込み、AIで作ったものだと後から確かめられるようにする技術です。GoogleのSynthIDのように実用化が進んでいます。しかし、印を入れない生成ツールもあり、強い加工で印が読み取れなくなる場合もあります。印が見つからないことは、本物である証明になりません。

回答 2 正解 ディープフェイクが作れることを多くの人が知ると、本物の録画や録音に対しても「AIで作られた偽物だ」という主張が信じられやすくなります。法学者のチェズニーとシトロンは、この効果を「嘘つきの配当(liar’s dividend)」と名付けました。偽物が本物と信じられる被害に加えて、本物の証拠が偽物として退けられる被害も起きます。

回答 3 不正解 声をまねる音声生成の技術は、短い録音で済むようになっています。OpenAIは2024年に、15秒ほどの録音から本人によく似た声を作れるモデル(Voice Engine)を公表しました。SNSに載せた動画の声も素材になるので、著名人でない一般の人も標的になります。家族の声をまねた電話で送金を求める詐欺が、その例です。

回答 4 不正解 偽の映像を見分ける検出技術の研究は進んでいますが、精巧に作られたものは、AIの技術を使っても真偽を見分けられないことがあります。投稿の前にほぼすべてを止められる仕組みはありません。ディープフェイクによる情報操作や犯罪への利用は、世界各国で増えています。

前提知識

ディープフェイク(深層偽造)について

  • 「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」を組み合わせた造語です。AIで合成した音声・画像・動画で、実在の人物が実際にはしていない言動をしているように見せるものを指します。
  • 偽物を本物と思わせて、詐欺・なりすまし・世論の操作などに使われます。意図的に人をだます目的で広められる偽情報(ディスインフォメーション)の手段にもなります。

嘘つきの配当(liar’s dividend)について

  • ディープフェイクの存在が知られるほど、本物の証拠を「偽物だ」と否定する主張が信じられやすくなる効果です。法学者のチェズニーとシトロンが2019年の論文で示しました。
  • 米国の裁判では、被告側が本物の映像や発言の記録を「ディープフェイクかもしれない」と主張した例があります。

電子透かしについて

  • 生成AIの出力に目に見えない印を埋め込み、AIで作ったものだと後から確かめられるようにする技術です。印があればAIで作った手がかりになりますが、印がないことは本物の証明になりません。

判断のポイント

見分ける軸は、ディープフェイクの害が「偽物を本物と思わせること」だけではない点です。偽物が作れると知られるほど、本物の記録まで疑われ、「偽物だ」という言い逃れが通りやすくなります。印や自動の検出で真偽を確定できる、標的が著名人に限られる、という見方は、どれも現状と合いません。

参考資料:Deep Fakes: A Looming Challenge for Privacy, Democracy, and National Security(California Law Review)、Deepfakes, Elections, and Shrinking the Liar’s Dividend(Brennan Center for Justice)、令和6年版 情報通信白書 偽・誤情報の流通・拡散等の課題及び対策(総務省)

問題4単一選択

ManusやGenSparkのような汎用のAIエージェントのサービスについて、その強みが最も生きる依頼を1つ選びなさい。

  1. 社内規程集を検索できる形で蓄えておき、質問に関係する条文を探して、その内容に沿って答えさせる
  2. 貼り付けた長い報告書を読ませ、指定した読み手に向けて、5行ほどの要点にまとめ直させる
  3. 新商品の特徴を文章で伝え、広告に使うイメージ画像の案を、雰囲気を変えて何枚か作らせる
  4. 出張の条件を伝え、複数の予約サイトで便と宿を調べて比較表にまとめ、予約の手前まで進めさせる
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正解:回答 4

回答 1 不正解 これは検索拡張生成(RAG)の使い方です。文書を検索できる形で蓄えておき、質問に近い箇所を探して渡してから答えさせます。検索してから答えるという流れは毎回同じで、作業の手順をその場で組み立てる必要はありません。AIエージェントでなくても、RAGを組み込んだチャットボットで実現できます。

回答 2 不正解 貼り付けた文章の要約は、テキスト生成AIが1回の応答で行える作業です。外部のツールを呼び出したり、途中の結果を見て次の手順を決めたりする必要がありません。汎用のAIエージェントでも要約はできますが、エージェントならではの強みが生きる依頼ではありません。

回答 3 不正解 文章で伝えた内容から画像を作るのは、画像生成AIの役割です。指示を受けて画像の案を出せば作業が終わり、複数の手順を組み立てて進める必要はありません。

回答 4 正解 予約サイトを調べる、結果を比べる、表にまとめる、予約画面まで進む、という複数の手順があり、どのサイトで何を調べるかは途中の結果を見て決めます。AIエージェントは、目標から手順を自分で組み立て、Web検索やブラウザ操作などのツールを呼び出し、結果を確かめて次の行動を選びます。支払いを伴う予約の確定は取り消しにくい操作なので、手前で止めて人が確かめる進め方が適切です。

前提知識

AIエージェントについて

  • 目標を受け取ると、必要な手順を自分で組み立て、外部のツールを呼び出しながら作業を進める仕組みです。ツールの実行結果を確かめ、次に何をするかを繰り返し選びます。
  • 必要な手順の数を前もって決められない作業で強みが出ます。一方で、途中の誤りがその後の手順に引き継がれることがあるので、影響の大きい操作の前には人が確認します。

AIエージェントのツール事例について

  • Manusは、調査や資料作成などの作業を自ら計画して実行する汎用のAIエージェントです。
  • GenSparkは、調べたい内容を伝えると、情報収集から資料の作成までをエージェントとして進めるサービスです。Skywork AIは、指示を受けて文書やスライドなどの資料を作り上げるサービスです。

検索拡張生成(RAG)について

  • 質問に近い文書の箇所を検索し、その内容を渡してから回答させる手法です。検索してから答えるという流れが決まっていて、手順をその場で組み立てることはしません。

判断のポイント

見分ける軸は、1回の応答で終わる依頼か、途中の結果を見ながら複数の手順を進める必要がある依頼かです。複数のサイトを調べ、比べ、まとめ、予約の手前まで進める依頼は、手順の組み立てとツールの呼び出しが必要なので、AIエージェントの強みが生きます。要約や画像の作成は1回の生成で済み、規程の検索は流れの決まったRAGで足ります。

参考資料:Building Effective AI Agents(Anthropic)、About Us – Manus

問題5複数選択

MCP(Model Context Protocol)を使って、AIアプリケーションを外部のサービスとつなぐことの説明として、適切なものを2つ選びなさい。

  1. MCPでつなげるのは、AIアプリケーションと同じ会社のクラウドで動くサービスに限られ、手元のパソコンのファイルにはつなげない
  2. AIアプリケーションは、つないだMCPサーバーが提供する機能の一覧を受け取り、必要になったときにその機能を呼び出して使う
  3. MCPはAnthropicのClaudeを外部につなぐための専用の仕組みで、他社のAIアプリケーションからは利用できない
  4. MCPはつなぎ方をそろえる規格で、つないだ先の操作が安全かどうかは、権限の設定や利用者の確認で守る必要がある
解答と解説を見る

正解:回答 2・4

回答 1 不正解 MCPサーバーは、利用者のパソコンの上で動かして手元のファイルやアプリにつなぐこともでき、ネットワーク越しの別のサービスとして動かすこともできます。仕様は、手元で動かすときの標準入出力(stdio)と、ネットワーク越しのHTTP(Streamable HTTP)という2つの通信方法を定めています。AIアプリケーションと接続先の提供元やクラウドが同じである必要はありません。

回答 2 正解 MCPでは、外部のサービスの側がデータや機能を提供する窓口(MCPサーバー)を用意し、AIアプリケーションの側がそこへ接続します。AIアプリケーションは、接続したサーバーが提供しているツール(機能)の一覧を取得し、モデルが必要と判断したときにそのツールを呼び出して結果を受け取ります。データはそのつど読み出して使うもので、モデルに覚えさせるものではありません。

回答 3 不正解 MCPは2024年にAnthropicが公開した規格ですが、Claude専用ではありません。ChatGPT、Gemini、Microsoft Copilotなど、他社の製品も対応しています。2025年12月には、Linux Foundation傘下に設立されたAgentic AI Foundationに寄贈され、特定の企業に属さない団体のもとで運営されています。

回答 4 正解 MCPが決めているのは、外部とのつなぎ方です。MCPそのものには、つないだ先での操作を安全な範囲に制限する強制力はありません。ツールを呼び出す前に利用者の同意を得る、接続先に与える権限を絞る、といった対策は、MCPを使うアプリケーションの側と利用者が講じます。信頼できない提供元のMCPサーバーをつなぐと、意図しない操作や情報の持ち出しが起きることがあります。

前提知識

MCP(Model Context Protocol)について

  • AIアプリケーションと外部のデータやツールをつなぐ方法をそろえるための、公開された規格です。2024年にAnthropicが公開し、2025年12月にLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundationへ寄贈されました。
  • 外部のサービスの側が用意する窓口をMCPサーバー、それにつなぐAIアプリケーションの側の接続部分をMCPクライアントと呼びます。
  • AIアプリケーションは、接続したMCPサーバーが提供するツールの一覧を受け取り、必要なときに呼び出します。モデルの重みは変わりません。

MCPと安全性について

  • MCPの仕様は、利用者の同意と管理、ツールを呼び出す前の明示的な同意、データの保護を原則として掲げています。
  • ただし、これらの原則を規格そのものが強制することはできません。同意の確認や権限の管理は、MCPを使うアプリケーションに組み込み、利用者が運用で守ります。

MCPサーバーの動かし方について

  • 利用者のパソコンの上で動かして手元のファイルやアプリにつなぐ方法と、ネットワーク越しの別のサービスとして動かす方法があります。仕様は、標準入出力(stdio)とHTTP(Streamable HTTP)の2つの通信方法を定めています。

判断のポイント

見分ける軸は、MCPが「つなぎ方」をそろえる規格だという点です。AIアプリケーションはサーバーが提供する機能の一覧を受け取り、必要なときに呼び出します。つなぐ先は手元のパソコンでもネットワーク越しのサービスでもよく、特定の企業の製品専用でもありません。一方で、つないだ先での操作の安全性を規格が保証するわけではなく、権限の設定や利用者の確認で守ります。

参考資料:Specification – Model Context Protocol(2026-07-28版、Security and Trust & Safety)、Transports Overview – Model Context Protocol(2026-07-28版、stdio と Streamable HTTP)、Donating the Model Context Protocol and establishing the Agentic AI Foundation(Anthropic)

問題6単一選択

テキスト生成AIの多くは、自己回帰モデルの方式で文章を作ります。この方式で回答が作られるときに起きることとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 前半で誤った前提を書くと、その語も次の予測の手がかりになり、誤りに沿った説明が後に続くことがある
  2. 回答に使う語を全体で一斉に決めてから一度に出力するので、前半と後半で食い違う説明は出にくい
  3. 次の語は、直前に出力した1語だけを手がかりに選ばれるので、離れた位置にある語の内容は予測に使われない
  4. 入力された文章に含まれる語を並べ替えて回答を組み立てるので、入力にない語は回答に出てきにくい
解答と解説を見る

正解:回答 1

回答 1 正解 自己回帰モデルは、それまでに出力した語の並びを手がかりに次の語を予測し、出した語を加えてさらに次を予測することを繰り返します。一度出力した語は消されず、続きを予測する材料になります。そのため、前半で誤った前提を書くと、その前提に合うように後の文が作られ、誤りが積み重なることがあります。

回答 2 不正解 自己回帰モデルは、文章のすべての語を同時に決めるのではなく、前から1語ずつ順に決めていきます。テキスト生成AIの回答を画面に少しずつ表示できるのは、この順番で語が作られているからです。前の語を変えずに続きを作るので、前半と後半で説明が食い違うこともあります。

回答 3 不正解 次の語の予測には、直前の1語だけでなく、入力された文章と、それまでに出力したすべての語が使われます。Transformerを使ったモデルは、注意機構(Attention)によって、離れた位置にある語どうしの関係も捉えます。

回答 4 不正解 テキスト生成AIは、入力の語を並べ替えているのではありません。学習で身につけた語の並び方の傾向をもとに、次に来る語の確率を計算して選んでいます。入力に含まれない語も、確率が高ければ普通に出てきます。

前提知識

自己回帰モデルについて

  • それまでに出力した語の並びを入力に含めて、次に来る語の確率を予測し、1語ずつ文章をつなげていく方式です。GPTなどのテキスト生成AIの多くが、この方式で文章を作ります。
  • 2017年に提案されたTransformerでも、文章を出力する側(デコーダ)は、それまでに生成した語を入力に加えて次の語を作ります。

誤りの積み重なりについて

  • 前半で出した誤りを前提に、続きの説明まで誤ってしまう現象は、研究でも確かめられています。2023年の研究は、言語モデルが最初に出した誤った答えに合わせて、本来なら避けられた誤りまで重ねることを示しました。
  • 長い回答や計算を含む回答では、途中の前提が正しいかを人が確かめることが大切です。

判断のポイント

見分ける軸は、「前から1語ずつ、出した語を手がかりに次を決める」という自己回帰モデルの性質です。出した語はその後の予測の材料になるので、前半の誤りが後半に引き継がれることがあります。すべての語を同時に決める、直前の1語だけを見る、入力の語を並べ替える、という説明は、どれもこの方式に合いません。

参考資料:Attention Is All You Need(Transformerの提案論文)、How Language Model Hallucinations Can Snowball(誤りの積み重なりの研究)

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