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【生成AIパスポート 無料問題】第4章 生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス 6問|解説つき

最終更新:2026年10月

生成AIパスポート試験のシラバス(2027年2月試験より適用)第4章「生成AIのリスク予防・AI倫理・ガバナンス」から、練習問題6問を無料で公開します。

第4章で問われるのは、生成AIを個人と組織で安全に使うための判断力です。AIは補助者で最終責任は人にあるという基本姿勢、ハルシネーションや情報漏えいなどの代表的なリスク、シャドーAI、用途と影響度に応じた出力の検証、個人情報保護法と秘密保持、著作権などの権利、AI倫理とAI事業者ガイドライン、AIガバナンスと社内ガイドライン、AI法と国際ルールが範囲です。

2027年2月試験のシラバスでは、シャドーAI、AI出力の評価と検証、AIガバナンスが新しく加わりました。「誰の権利・誰の責任の話か」「影響の大きさに見合った確認をしているか」を先に決めると、選択肢を切りやすくなります。解説は、法令(e-Gov)と個人情報保護委員会・文化庁・経済産業省などの一次資料で確認して書いています。

まず問題文と選択肢だけを読んで答えを決め、それから「解答と解説を見る」を開いてください。6問中1問は複数選択(2つ選択)です。

問題1単一選択

生成AIで作った文章や画像の著作権について、不適切な記述を1つ選びなさい。

  1. 人が指示や加筆を通じて創作的に表現へ寄与していると認められる場合、その生成物は利用者の著作物になり得る。
  2. 人が生成物に創作的な加筆や修正を加えた部分には、通常、著作物性が認められる。
  3. 生成物が既存の著作物の創作的表現と共通し、それに依拠して作られている場合、著作権侵害になり得る。
  4. 人の創作的寄与が認められない生成物では、著作権はAIを開発した事業者に帰属する。
解答と解説を見る

正解:回答 4

回答 1 不正解 この記述は、文化庁が示している考え方に沿っています。AIの出力であっても、人が創作的に寄与したと認められる場合は、その利用者の著作物になり得ます。プロンプトの分量や内容、生成結果を見て指示を直した過程、創作的な加筆などが、寄与の有無を見る材料です。不適切な記述ではありません。

回答 2 不正解 この記述も、文化庁のセミナー資料にある整理に沿っています。人が創作的表現といえる加筆や修正を加えた部分は、通常、その部分について著作物性が認められます。生成物の全体が必ず著作物になる、という話とは別です。不適切な記述ではありません。

回答 3 不正解 この記述は、著作物として保護されるかどうかとは別の問題を述べています。既存の著作物と創作的表現が共通し、それに依拠していると認められる場合、生成や利用が著作権侵害になり得ます。作風が似ているだけに留まる場合は、類似性は認められません。不適切な記述ではありません。

回答 4 正解 この記述が不適切です。著作権は、人が思想または感情を創作的に表現したときに、その表現をした人に発生します。人の創作的寄与がなく、AIが自律的に生成したものは著作物にあたらないため、誰にも著作権は発生しません。AIを開発した事業者や、AIそのものが著作者になるわけではありません。サービスの利用規約で生成物の扱いが定められていても、著作物でないものが著作権法で保護されるようにはなりません。

前提知識

著作物になるかについて

  • 著作物は、人が思想または感情を創作的に表現したものです。AIの出力でも、指示や加筆を通じて人が創作的に寄与したと認められる場合は、その人の著作物になり得ます。
  • 短い指示を一度入れただけでは、出力の表現を人が創作したとは認められない場合もあります。
  • 人の創作的寄与がなく、AIが自律的に生成したものは著作物にあたりません。この場合、AIを開発した事業者を含め、誰にも著作権は発生しません。

権利の侵害について

  • 生成物が著作物になるかどうかと、既存の著作物の権利を侵害するかは、別の問題です。
  • 既存の作品の表現と共通し、それに依拠して作られていれば、侵害になり得ます。作風が似ているだけに留まる場合は、表現が共通しているとはいえません。

判断のポイント

見分ける軸は、著作権が誰の、どのような行為から発生するかです。著作権は、創作的に表現した人に発生します。利用者の創作的寄与が認められれば、その利用者の著作物になり得ます。寄与が認められない生成物は著作物にあたらず、AIを開発した事業者に著作権が移るわけでもありません。開発した事業者に帰属するという記述が不適切です。

参考資料:著作権法、令和6年度 著作権セミナー「AIと著作権Ⅱ」(文化庁)、AIと著作権に関する考え方について(文化庁)

問題2複数選択

個人情報保護法の「要配慮個人情報」に該当するものを2つ選びなさい。

  1. 本人のマイナンバー(個人番号)
  2. 本人の病歴
  3. 本人の本籍地
  4. 本人の犯罪の経歴
解答と解説を見る

正解:回答 2・4

回答 1 不正解 マイナンバーは、その番号だけで特定の個人を識別できる「個人識別符号」として政令で定められており、個人情報にあたります。また、番号法(マイナンバー法)で利用できる場面が限られた「特定個人情報」として、厳しく管理する必要があります。ただし、要配慮個人情報として法律が挙げている人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴などの内容ではありません。取扱いが厳しいことと、要配慮個人情報にあたることは別の話です。

回答 2 正解 病歴は、要配慮個人情報です。ある人ががんにかかっている、といった特定の病名の経歴が該当します。不当な差別や偏見が生じないよう、取扱いに特に配慮が必要な情報です。

回答 3 不正解 本籍地は、それだけでは要配慮個人情報にあたりません。金融分野のガイドラインは、要配慮個人情報に加えて、本籍地や労働組合への加盟、門地なども「機微(センシティブ)情報」として、取得や利用を制限しています。本籍地は、この上乗せされた機微情報の側に入る項目で、個人情報保護法の要配慮個人情報の列挙には入っていません。

回答 4 正解 犯罪の経歴は、要配慮個人情報です。有罪の判決を受け、それが確定した事実(前科)が該当します。病歴と同じく、本人の同意なく取得しないのが原則です。

前提知識

要配慮個人情報について

  • 要配慮個人情報は、不当な差別や偏見が生じないよう、取扱いに特に配慮が必要な個人情報です。
  • 法律が挙げているのは、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実などです。診断書に書かれた病名は、病歴の例です。
  • 取得するには、あらかじめ本人の同意を得るのが原則です。法令に基づく場合など、同意が不要になる例外はあります。
  • 2026年7月17日に公布された改正個人情報保護法では、統計情報等の作成(統計作成等と整理できるAI開発などを含む)にのみ使う場合に、公開されている要配慮個人情報を本人の同意なく取得できる例外が設けられます。2026年10月3日時点では未施行です。

似た用語との違いについて

  • マイナンバーやパスポートの番号は、それだけで個人を識別できる個人識別符号です。個人情報ですが、要配慮個人情報とは別の区分です。
  • 機微(センシティブ)情報は、金融分野などのガイドラインが使う呼び方です。要配慮個人情報に、本籍地や労働組合への加盟などを加えた、より広い範囲を指します。

判断のポイント

見分ける軸は、個人情報保護法が要配慮個人情報として列挙している内容かどうかです。病歴と犯罪の経歴は、法律が条文で名前を挙げている項目です。マイナンバーは個人識別符号、本籍地は金融分野のガイドラインが上乗せする機微情報の項目で、どちらも取扱いに注意が必要ですが、要配慮個人情報の列挙には入っていません。

参考資料:個人情報の保護に関する法律、個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)、金融分野における個人情報保護に関するガイドライン

問題3単一選択

ある会社では、社内で使ってよい生成AIツールを定め、それ以外のツールの業務利用を認めていません。ところが営業部の担当者が、海外の取引先とのメールを早く書くため、会社が認めていない無料の翻訳AIのWebサイトに、取引条件を含むメールの本文を貼り付けていたことが分かりました。この状況についての説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 翻訳のために一時的に使っただけで、生成AIで文章を新しく作ったわけではないので、問題にはならない
  2. 承認されていないツールの業務利用(シャドーAI)に当たり、入力した情報の漏えいや、利用の記録が残らない問題がある
  3. 担当者が個人の判断で使ったことなので、会社としての対応は不要で、担当者本人が注意すれば十分である
  4. 問題を防ぐため、全社員について、業務でも私生活でも生成AIを使わないよう誓約書を提出させる
解答と解説を見る

正解:回答 2

回答 1 不正解 翻訳であっても、取引条件を含む文章を、データの扱いが確認されていない外部のサービスに送っています。用途が翻訳かどうかにかかわらず、情報漏えいのリスクがあります。

回答 2 正解 会社が承認していないAIツールを、従業員が自分の判断で業務に使うことをシャドーAIといいます。入力した取引条件が外部で保存・利用されるおそれがあり、会社は誰が何を入力したかも把握できません。

回答 3 不正解 取引先の情報が漏えいすれば、会社の責任も問われます。承認済みのツールの案内、入力ルールの周知、教育など、会社としての対応が必要です。

回答 4 不正解 私生活まで含めて一律に禁止すると、かえって隠れた利用を招きやすく、生成AIを活用する機会も失います。承認済みツールとルールを整えるほうが現実的です。

前提知識

シャドーAIについて

  • 会社が承認・把握していない生成AIツールを、従業員が自分の判断で業務に使うことです。会社が許可していない機器やクラウドサービスを使う「シャドーIT」の生成AI版です。

シャドーAIの問題点

  • 情報漏えい:機密情報や個人情報が、データの扱いが確認されていないサービスに入力される
  • トレーサビリティの欠如:誰が、いつ、何を入力したかが会社に残らない
  • 契約違反:取引先との秘密保持の約束に反するおそれがある

防ぐための考え方

  • 業務で使いたいという正当な動機があることを踏まえ、承認済みのツールを用意し、入力してよい情報のルールと新しいツールの申請手順を示して、教育で周知します。

判断のポイント

見分ける軸は、「承認されていないツール」を「業務で」使っていることを捉え、そのリスクを正しく説明しているかどうかです。

参考資料:What is shadow AI? | IBM、個人情報保護委員会 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等

問題4単一選択

ある会社で、生成AIの出力を次の3つの用途に使おうとしています。「用途と影響度に応じた検証レベル」の考え方に沿った確認の進め方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

A:社内の懇親会の企画アイデア B:自社サイトに載せる商品の説明文 C:顧客と結ぶ契約書の条文

  1. A・B・Cのどれも生成AIの出力なので、同じ担当者が同じ手順で、同じ深さまで確認する
  2. Cは誤ったときの影響が大きいので生成AIは使わないこととし、AとBは確認せずにそのまま使う
  3. Aは軽く確認し、Bは事実と表現を確かめ、Cは事実確認に加えて法務などの専門家の確認を経てから使う
  4. 社内で承認された生成AIツールの出力であれば、A・B・Cのどれも確認を省いて使ってよい
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正解:回答 3

回答 1 不正解 影響の大きさが違う用途を同じ深さで確認すると、Aでは手間がかかりすぎ、Cでは確認が足りなくなるおそれがあります。

回答 2 不正解 Bの商品説明は社外に公開され、誤ると顧客の誤解や表示の問題につながるため、確認が必要です。また、Cも専門家の確認を前提にすれば、下書きに生成AIを使うことはできます。

回答 3 正解 誤ったときの影響が小さい社内のアイデア出しは軽い確認で、社外に出る商品説明は事実・表現・権利の確認を、法的な効力をもつ契約書は専門家の確認まで行います。影響度に応じて確認の深さを変えるのが、この考え方です。

回答 4 不正解 承認済みのツールでも、出力に誤りや権利の問題が含まれる可能性はあります。ツールの承認と、出力ごとの確認は別のものです。

前提知識

用途と影響度に応じた検証レベル

  • 生成AIの出力をどこまで確認してから使うかを、用途と、誤りがあったときの影響の大きさに応じて決める考え方です。

主な確認の観点

  • ファクトチェック:事実・数値・出典・最新情報が正しいか
  • 妥当性レビュー:前提・論理・抜け漏れに問題がないか
  • 表現・権利・情報の確認:不適切な表現、第三者の権利、個人情報・機密情報が含まれていないか
  • 専門家による確認:法律・医療・財務など、専門知識が必要な判断

採否の判断

  • 確認の結果に応じて、採用・修正・破棄・専門家への確認を判断します。最終的な責任は、出力を使う人と組織にあります。

判断のポイント

見分ける軸は、確認の深さを「影響の大きさ」に合わせて変えているかどうかです。

参考資料:総務省・経済産業省 AI事業者ガイドライン(第1.2版・2026年3月)、令和6年版 情報通信白書 生成AIが抱える課題

問題5単一選択

AI事業者ガイドラインが示す共通の指針のうち、「安全性」に対応する取り組みとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 外部から細工した入力を送られても、AIの振る舞いが意図せず変わったり止まったりしないよう対策する。
  2. 学習データに含まれる偏りを点検し、特定の性別や国籍の人が不当に不利な扱いを受けないようにする。
  3. AIの誤った判断で人のけがや財産の損害が生じないよう、人が監視して止められる状態を保つ。
  4. 個人情報を扱う際は関係法令を守り、取扱いの方針をプライバシーポリシーとして定めて公表する。
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正解:回答 3

回答 1 不正解 この取り組みは「セキュリティ確保」に対応します。ガイドラインは、セキュリティ確保を、不正操作によってAIの振る舞いに意図しない変更や停止が生じないようにすること、と説明しています。攻撃者による操作からAIを守る点が軸です。日常の言葉では「安全」と言い換えられそうですが、ガイドラインでは安全性とは別の項目です。

回答 2 不正解 この取り組みは「公平性」に対応します。公平性は、人種、性別、国籍、年齢、政治的信念、宗教などを理由とした不当で有害な偏見や差別をなくすよう努めることです。学習データやアルゴリズムに含まれるバイアスへの配慮が、その中心です。

回答 3 正解 この取り組みが「安全性」に対応します。安全性は、AIの開発・提供・利用を通じて、関係者の生命・身体・財産に危害を及ぼさないようにすることです。ガイドラインは、安全性の取り組みとして、必要に応じて人間が監視し、AIをコントロールできる状態(制御可能性)を確保することを挙げています。

回答 4 不正解 この取り組みは「プライバシー保護」に対応します。プライバシー保護は、個人情報保護法などの関係法令を守り、プライバシーポリシーを定めて公表するなどして、関係者のプライバシーを尊重し保護することです。人の生命や身体への危害を防ぐことが軸の安全性とは、守る対象が異なります。

前提知識

共通の指針について

  • AI事業者ガイドラインは、AI開発者・AI提供者・AI利用者が共通して取り組む指針として、人間中心、安全性、公平性、プライバシー保護、セキュリティ確保、透明性、アカウンタビリティ、教育・リテラシー、公正競争確保、イノベーションの10項目を示しています。
  • AI事業者ガイドラインは2026年3月31日に第1.2版が公表されましたが、ここで扱う安全性とセキュリティ確保の説明は第1.1版から変わっていません。

安全性とセキュリティ確保の違いについて

  • 安全性は、AIの誤作動や誤った判断から、人の生命・身体・財産を守ることです。精神や環境に危害を及ぼさないことも重要とされています。出力の正確さ(信頼性)、さまざまな状況で性能を保つこと(堅牢性)、人間がコントロールできること(制御可能性)が、取り組みの例として挙げられています。
  • セキュリティ確保は、外部からの不正な操作や攻撃から、AIシステムを守ることです。不正な操作でAIの振る舞いが変わったり、止まったりしないようにします。

判断のポイント

見分ける軸は、何から何を守るのかです。AIの誤った判断や動作から、人の生命・身体・財産を守るのが安全性です。攻撃者の不正な操作からAIシステムを守るのがセキュリティ確保です。人が監視して止められる状態を保つことは、ガイドラインで安全性の取り組みとして挙げられている制御可能性にあたります。

参考資料:AI事業者ガイドライン(第1.1版)本編(総務省・経済産業省)、AI事業者ガイドライン(第1.2版)本編(総務省・経済産業省)

問題6単一選択

AI新法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)は、AIの研究開発や活用が不正な目的や不適切な方法で行われると、犯罪への利用や個人情報の漏えい、著作権の侵害などにつながるおそれがあるとしています。こうした使われ方によって国民の権利利益が害された場合への対応として、AI新法が定めている内容として最も適切なものを1つ選びなさい。

  1. 国が権利侵害の事例を集めて分析し、対策を検討した結果に基づいて、事業者などに指導や助言を行う。
  2. 事業者に、AIの利用で権利侵害が起きたときは、その内容を国に報告するよう義務付けている。
  3. 個人情報保護委員会がAIに関する事案の監督も担い、必要に応じて事業者への立入検査を行う。
  4. 事業者が定めたAIの安全対策を国が審査して認定し、認定を受けたサービスにマークの表示を認める。
解答と解説を見る

正解:回答 1

回答 1 正解 AI新法は、国が行う調査研究として、国内外の動向に関する情報の収集や、不正な目的・不適切な方法によるAIの研究開発・活用で国民の権利利益が侵害された事案の分析と、それに基づく対策の検討を定めています。そして、その結果に基づいて、研究開発機関や活用事業者などに対し、指導、助言、情報の提供などの必要な措置を講じるとしています。

回答 2 不正解 AI新法には、事業者に権利侵害や事故の報告を義務付ける規定はありません。事業者(活用事業者)の責務として定められているのは、AIの積極的な活用によって事業活動の効率化・高度化や新産業の創出に努めることと、国や地方公共団体の施策に協力することです。報告義務は、個人データの漏えい等が起きたときに個人情報保護委員会へ報告する、個人情報保護法の仕組みと混同しやすい点です。

回答 3 不正解 AI新法は、個人情報保護委員会に権限を与える法律ではなく、事業者への立入検査の規定もありません。AI新法に基づいて内閣に置かれるのは人工知能戦略本部で、その役割は人工知能基本計画の案の作成や、AI政策の企画立案・総合調整です。個人情報保護委員会による報告徴収や立入検査は、個人情報保護法に基づく権限です。

回答 4 不正解 AI新法には、AIの安全対策を国が審査して認定する制度や、認定マークの制度はありません。AIの適正な研究開発・活用のために国が行うこととして定められているのは、国際的な規範の趣旨に沿った指針の整備や、上記の調査研究とそれに基づく指導・助言・情報提供などです。

前提知識

AI新法の基本構造について

  • AI新法は2025年6月4日に公布され、同年9月1日に全面施行されました。AIの研究開発と活用を推進するための基本理念、国・地方公共団体・研究開発機関・活用事業者・国民の責務、基本的施策、人工知能基本計画、人工知能戦略本部を定めています。
  • 基本理念の中で、不正な目的や不適切な方法による研究開発・活用は、犯罪への利用、個人情報の漏えい、著作権の侵害などを助長するおそれがあるとし、研究開発・活用の過程の透明性の確保などの施策が必要だとしています。

リスクへの対応について

  • AI新法は、EUのAI法のようにAIをリスクで分類して義務を課す仕組みや、罰則を持っていません。
  • リスクへの対応として国が行うのは、国際的な規範の趣旨に沿った指針の整備(適正性の確保)と、情報収集・事案の分析・対策の検討、そしてその結果に基づく事業者などへの指導・助言・情報提供です。

判断のポイント

見分ける軸は、AI新法が国に与えている手段が、許認可や命令、報告の義務付けなのか、調査と指導・助言なのかです。AI新法は推進のための枠組みを定める法律で、事業者への報告義務、立入検査、認定制度は置いていません。権利利益を侵害する事案を国が分析し、その結果をもとに事業者などへ指導・助言・情報提供を行う、という記述が条文の内容と一致します。

参考資料:人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(e-Gov法令検索)、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)の概要(内閣府)

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解説を読んでも腑に落ちなかった用語は、章の要点をまとめた記事で全体の中の位置を確かめると整理しやすくなります。

▶ 生成AIパスポート 第4章「リスク予防・AI倫理・ガバナンス」の要点|シャドーAI・個人情報・著作権・AI法

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この無料30問は、当サイトの有料講座(本番形式 60問×6セット)とは別に書き下ろした問題です。同じ問題は含まれていません。解説は生成AIパスポート試験のシラバス(2027年2月試験より適用)の範囲に沿って、法令・公的機関の資料・論文・各社の公式ドキュメントを確認して作成しており、各問題の末尾に参考資料のリンクを載せています。法令やサービスの内容は更新されることがあるため、受験前には公式の情報もあわせてご確認ください。

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生成AIパスポート 模擬試験360問(本番形式60問×6回)【2026年シラバス対応】
本番と同じ60問・60分の模擬試験を6回分、全360問。全問を2026年シラバスから書き下ろし、RAG・AIエージェント・MCP・AI新法といった追加範囲も含めています。正解・不正解を問わず全選択肢に解説をつけているので、間違えた理由がその場で分かります。

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