Udemy講師クーポン配布中。詳しくはこちら(AIP問題集追加しました)

【CLF-C02 無料問題】分野4 請求、料金、サポート 6問|解説と図つき

AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF-C02)の出題分野4「請求、料金、サポート」から、練習問題6問を無料で公開します。

この分野の出題割合は12%です。4分野のうち最も小さく、65問のうちおよそ8問にあたります。

配点は小さいのですが、勉強の費用対効果は最も高い分野です。分野1〜3が「考え方の理解」や「サービスの役割の区別」を求めるのに対し、分野4は覚えていればそのまま正解できる問題が多いためです。逆に言えば、知らなければ推測でも当たりません。試験直前に詰め込む価値がある分野です。

押さえどころは5つあります。1つ目は購入方法の違いで、オンデマンド・リザーブドインスタンス・Savings Plans・スポットインスタンスがそれぞれどんな用途に向くかです。2つ目は課金の単位で、インスタンスを起動してから停止するまでのどこに料金が発生するかです。3つ目はデータ転送料金で、AWSへの受信は原則無料、AWSからインターネットへの送信は課金という向きの違いです。4つ目はコスト管理ツールの役割分担で、Cost Explorer・AWS Budgets・コストと使用状況レポート・AWS Pricing Calculator のどれを使う場面かを区別できるかです。5つ目はサポートプランと一括請求で、Developer・Business・Enterprise の各プランで何が増えるか、AWS Organizations の一括請求で何が起きるかです。

今回の6問は、この5つの押さえどころから1〜2問ずつ出題しています。まず問題文と選択肢だけを読んで答えを決め、それから「解答と解説を見る」を開いてください。6問中1問は複数選択(2つ選択)です。

問題1単一選択

ある開発者が、動作確認のためにAmazon Linuxのオンデマンドインスタンスを起動し、作業が終わった時点で停止しました。このインスタンスの利用時間はどのように請求されますか。

  1. 分単位で数え、1分未満の端数は切り捨てて請求されます
  2. 秒単位で数え、最低1分を超えた分は秒数どおり請求されます
  3. 分単位で数え、1分未満の端数は切り上げて請求されます
  4. 時間単位で数え、1時間未満の端数は切り上げて請求されます
解答と解説を見る

正解:回答 2

回答 1 不正解 分単位で数えて端数を切り捨てる方式です。オンデマンドのLinuxインスタンスは秒単位で請求されるため、起動から停止までに使った秒数がそのまま請求の対象になります。分への切り捨ては行われないので、この数え方にはなりません。

回答 2 正解 Amazon Linuxをはじめとする主要なOSのオンデマンドインスタンスは、起動していた秒数に応じて請求されます。最低でも1分(60秒)分は請求され、それを超えた分は秒単位です。使った分だけ払う従量課金の仕組みが、時間ではなく秒の単位で働いています。

回答 3 不正解 分単位で数えて端数を次の分まで切り上げる方式です。オンデマンドのLinuxインスタンスは秒単位で請求されるため、端数を次の分まで切り上げることはありません。分単位の切り上げも切り捨ても行われず、使った秒数がそのまま請求の対象になります。

回答 4 不正解 時間単位で数えて端数を次の1時間まで切り上げる方式です。かつては時間単位の請求が基本でしたが、現在のオンデマンドのLinuxインスタンスは秒単位で請求されます。1時間単位で請求されるのは、秒単位請求の対象外となる一部のOSを使うインスタンスに限られます。

問われている要件

  • オンデマンドのEC2インスタンスがどの単位で請求されるかを知っていること
  • Amazon Linuxのインスタンスが秒単位請求の対象であることを知っていること
  • 利用時間の端数に対して切り上げや切り捨てが行われるかを判断すること

前提知識

従量課金と請求の単位

  • AWSの料金は、使った分だけ払う従量課金が基本です。EC2(Elastic Compute Cloud、AWS上の仮想サーバー)のオンデマンドインスタンスは、起動してから停止または終了するまでの時間に応じて請求されます。
  • 賃貸オフィスに例えると、オンデマンドは必要なときだけ時間貸しで部屋を借りる契約で、その時間の数え方が「秒単位」か「1時間単位」かという違いがこの問題のテーマです。

秒単位請求とは

  • Amazon LinuxやWindowsなどの主要なOSを使うオンデマンドインスタンスは、最低1分(60秒)分は請求され、それ以降は秒単位で請求されます。たとえば1時間20分15秒使えば、その秒数がそのまま請求の対象になります。
  • 秒単位請求の対象外となる一部のOSを使うインスタンスは、1時間単位で請求されます。試験では「Linuxのオンデマンドインスタンスは秒単位」と覚えておけば十分です。

なぜ秒単位が利用者に有利なのか

  • 短時間の検証やバッチ処理を何度も繰り返す使い方では、1時間単位の請求だと使っていない時間まで払うことになります。秒単位なら、必要なときに起動して終わったらすぐ止める、という使い方がそのまま料金の節約につながります。

解くための考え方

問題文の「Amazon Linuxのオンデマンドインスタンス」と「作業が終わった時点で停止」という言葉に注目します。問われているのは、起動から停止までの利用時間がどの単位で請求に反映されるかです。

Linuxのオンデマンドインスタンスは、最低1分分を除いて秒単位で請求されます。起動から停止までの秒数がそのまま請求の対象になるので、秒数に応じて請求されるという選択肢が正解です。

分単位で切り捨てる方式と切り上げる方式は、どちらも分単位で数える前提の選択肢です。秒単位請求では分への丸めは行われないため、いずれも当てはまりません。時間単位で切り上げる方式は、秒単位請求の対象外となる一部のOSを使うインスタンスにだけ当てはまります。

「Linuxのオンデマンドは秒単位、最低1分」と覚えておくと、数字を変えた出題にもそのまま対応できます。

参考資料:オンデマンドインスタンス – Amazon EC2 の料金Amazon EC2 のオンデマンドインスタンスの購入 – Amazon Elastic Compute CloudEC2 インスタンスと EBS ボリュームの秒単位課金 – AWS ブログAWS 製品およびサービス料金

問題2単一選択

ある企業が、AWSの請求の明細データをAmazon S3に保管し、Amazon Athenaで部門ごとやリソースごとの費用を自由に集計して分析したいと考えています。この目的で利用する請求データの元として、最も適切なものはどれですか。

  1. AWS Budgets
  2. AWS Cost Explorer
  3. AWS Cost and Usage Report
  4. AWS Pricing Calculator
解答と解説を見る

正解:回答 3

回答 1 不正解 AWS Budgetsは、費用や使用量の予算を決めておき、実績や予測がしきい値を超えたときに通知を送る仕組みです。出力されるのは予算に対する超過の通知であり、分析の元になる明細データを配信する機能はありません。月の途中で使いすぎに気づきたいときに使います。

回答 2 不正解 AWS Cost Explorerは、AWSの管理画面の中で費用と使用量をグラフや表にして確認するツールです。画面上で見ることを前提にしており、集計結果をCSVで手動ダウンロードすることはできますが、明細データをAmazon S3へ定期的に配信して外部の分析ツールで扱う仕組みではありません。過去の傾向や今後の予測を管理画面で手早く確認したいときに使います。

回答 3 正解 AWS Cost and Usage Report(コストと使用状況レポート、CUR)は、AWSの請求情報を最も細かい粒度で記録したレポートを、指定したAmazon S3バケットへ定期的に配信する仕組みです。配信されたファイルはAmazon Athenaで直接検索できるため、部門ごとやリソースごとに自由に集計する元データに向いています。

回答 4 不正解 AWS Pricing Calculatorは、これから使う予定のサービスと想定する使用量を入力して、月額の見込み料金を事前に計算するツールです。扱うのは利用前の見積もりであり、実際に発生した請求の記録は持っていないため、実績を集計する分析の元データにはなりません。新しい構成の費用を導入前に見積もるときに使います。

問われている要件

  • 実際に発生した請求の明細データを、外部の分析ツールで加工できる形で受け取ること
  • 明細データがAmazon S3へ定期的に配信されること
  • 管理画面で見る道具や、予算の通知、事前見積もりのツールと区別すること

前提知識

AWS Cost and Usage Reportとは

  • AWSの請求と使用状況を、サービス・リソース・時間帯ごとの明細レベルで記録したレポートです。指定したAmazon S3バケットに定期的に配信され、料金が確定するまで少なくとも1日1回更新されます。管理画面ではAWS Data Exportsの一部として提供されています。
  • 配信されたファイルは、Amazon Athenaで直接検索できるほか、BIツールに読み込んでダッシュボードにすることもできます。
  • 賃貸オフィスに例えると、Cost and Usage Reportはビルのオーナーから毎日届く光熱費と設備使用量の明細で、テナントはそれを自社の帳簿に取り込んで部門ごとに集計します。

似た役割のコスト管理ツール

  • AWS Cost Explorerは管理画面の中で費用をグラフにして眺める道具、AWS Budgetsは予算のしきい値を超えそうなときに通知する道具、AWS Pricing Calculatorは利用前に構成を入力して月額を見積もる道具です。いずれも明細データを定期的に外へ配信する機能は持っていません。

図による解説

この図は、選択肢の4つを「請求の明細をAmazon S3へ配信するかどうか」で分けたものです
この図は、選択肢の4つを「請求の明細をAmazon S3へ配信するかどうか」で分けたものです。AWS Cost and Usage Reportだけが、請求の明細データをAmazon S3へ定期的に配信するので、そのファイルをAmazon Athenaで検索すれば、部門やリソースごとの集計を自由に組み立てられます。AWS Cost Explorerも同じ請求データが元ですが、出力先は管理画面のグラフで、S3へ配信する仕組みは持っていません。AWS Budgetsが出すのは予算超過の通知、Pricing Calculatorが出すのは利用前の見積もりで、どちらも実績の明細ではありません。Cost Explorerを選ぶと集計結果のCSVを手で落とす作業が繰り返し必要になり、明細レベルの自由な分析にはなりません。

解くための考え方

問題文の「請求の明細データをAmazon S3に保管し」「Amazon Athenaで自由に集計して分析」という言葉に注目します。求めているのは、AWSの画面で費用を見ることではなく、外部の分析ツールで扱える請求の明細データを定期的に受け取ることです。

請求の明細を最も細かい粒度で記録し、Amazon S3へ定期的に配信するのがAWS Cost and Usage Reportです。配信されたファイルをAmazon Athenaで検索すれば、部門ごとやリソースごとの集計を自社で自由に組み立てられます。

AWS Cost Explorerは管理画面の中でグラフを見る道具で、明細を定期配信する仕組みではありません。AWS Budgetsは予算を超えそうなときに通知する道具、AWS Pricing Calculatorは利用前に月額を見積もる道具で、どちらも実績の明細データを出力しません。

「自社の分析ツールで加工したい」「最も詳細な請求データ」と読めたらCost and Usage Report、「管理画面でグラフを見たい」ならCost Explorer、「予算超過を知らせてほしい」ならBudgets、「導入前に見積もりたい」ならPricing Calculator、という対応で判断します。

参考資料:AWS コストと使用状況レポートとは – AWS Data ExportsAWS Cost Explorer を使用してコストと使用状況を分析する – AWS コスト管理AWS Budgets によるコストの管理 – AWS コスト管理AWS 料金見積りツールとは – AWS 料金見積りツール

問題3単一選択

ある企業が、AWSの利用料金のうちデータ転送にかかる費用を見直しています。AWS上で動かしているシステムとの間で発生する次のデータ転送のうち、転送量にかかわらず料金が発生しないものはどれですか。

  1. インターネット上の利用者からAmazon EC2へ送られてくるデータの受信
  2. Amazon EC2からインターネット上の利用者へ返していくデータの送信
  3. Amazon EC2からAWS Direct Connectで自社データセンターへ送るデータの送信
  4. Amazon EC2から同じリージョン内の別のアベイラビリティーゾーンへ送るデータの転送
解答と解説を見る

正解:回答 1

回答 1 正解 インターネットからAWSへ入ってくるデータ転送(データ転送イン)には料金がかかりません。利用者がアップロードするファイルやWebサーバーへのリクエストがこれにあたり、量がどれだけ増えても転送料金は発生しません。AWSは「入るのは無料、出るのは有料」という考え方で転送料金を決めています。

回答 2 不正解 AWSからインターネットへ出ていくデータ転送(データ転送アウト)は、転送した量に応じて料金が発生する代表的な項目です。毎月一定量までの無料枠はありますが、それを超えた分は有料なので「転送量にかかわらず無料」にはなりません。動画や大きなファイルを配信するシステムでは、この費用を見積もりに入れておく必要があります。

回答 3 不正解 AWS Direct Connectは、自社拠点とAWSを専用線でつなぐサービスです。専用線を使っても、AWSから自社拠点へ出ていく方向の転送には量に応じた料金が発生します。インターネット経由より単価が安く設定されていることが多いだけで、無料ではありません。オンプレミスとAWSの間で安定した大容量の通信を確保したいときに使います。

回答 4 不正解 アベイラビリティーゾーン(AZ、同じリージョン内で電源や回線が独立した設備の単位)をまたぐ転送は、AWSの内側であっても量に応じた料金が発生します。複数のAZにサーバーを分けて可用性を高める構成では、サーバー同士のやり取りにこの転送料金がかかることを見積もりに入れます。

問われている要件

  • AWSのデータ転送料金が「どの向き・どの範囲の転送」で発生するかを知っていること
  • インターネットからAWSへ入ってくる転送は無料であることを知っていること
  • AWSの内側での転送であっても、AZやリージョンをまたげば料金が発生することを区別すること

前提知識

データ転送料金とは

  • AWSの料金は、コンピューティング(サーバーの稼働時間)、ストレージ(保存した容量)、データ転送(ネットワークを通った量)の3つが主な要素です。データ転送は見落とされやすい項目で、量が増えるほど費用が膨らみます。
  • 賃貸オフィスに例えると、ビルに届く郵便物や来客の受け入れは無料で、テナントが外へ発送する荷物にだけ送料がかかる、という関係です。

無料になる転送と有料になる転送

  • インターネットからAWSへ入ってくる転送(データ転送イン)は無料です。ファイルのアップロードやWebサーバーへのリクエストの受信がこれにあたります。
  • AWSからインターネットへ出ていく転送(データ転送アウト)は、月ごとの無料枠を超えた分に量に応じた料金がかかります。AWS Direct Connectのような専用線を使う場合も、AWSから外へ出ていく方向は有料です。
  • AWSの内側でも、同じリージョン内で別のAZへ送る転送や、別のリージョンへ送る転送には料金がかかります。同じAZの中でプライベートIPアドレスを使って完結する通信は無料です。

図による解説

この図は、選択肢の4種類のデータ転送を「無料になる転送」と「量に応じて料金が発生する転送」に分けて表しています
この図は、選択肢の4種類のデータ転送を「無料になる転送」と「量に応じて料金が発生する転送」に分けて表しています。無料になるのは、インターネットからEC2へ入ってくる受信だけです。EC2からインターネットへ出ていく送信、AWS Direct Connectで自社データセンターへ送信する転送、別のアベイラビリティーゾーンへの転送は、どれも量に応じた料金が発生します。つまり、AWSの転送料金は「AWSの外へ出ていくか」と「AWSの内側で設備の境界をまたぐか」で決まります。ここを誤解して、専用線なら無料、AWSの内側なら無料と思い込むと、複数AZ構成やオンプレミス連携の費用を見積もりから落としてしまい、請求額が想定を上回ります。

解くための考え方

問題文の「転送量にかかわらず料金が発生しない」という言葉に注目します。AWSのデータ転送料金は、転送の向きと範囲によって無料か有料かが決まるので、それぞれの選択肢がどの向きの転送かを確認します。

インターネットからAWSへ入ってくる転送は無料です。利用者からAmazon EC2へ送られてくるデータの受信はこれにあたるため、この選択肢が正解です。

AWSからインターネットへ出ていく転送は、量に応じた料金がかかる代表的な項目です。AWS Direct Connectを使った転送も、AWSから自社拠点へ出ていく方向は有料で、専用線だから無料という仕組みはありません。別のアベイラビリティーゾーンへの転送は、AWSの内側であっても設備の境界をまたぐため料金が発生します。

「AWSへ入るのは無料、AWSから出るのは有料、AWSの内側でもAZやリージョンをまたげば有料」と覚えておくと、転送料金を問う問題を落ち着いて解けます。

参考資料:データ転送料金について – AWS Data Exportsオンデマンドインスタンス – Amazon EC2 の料金専用ネットワーク接続 – AWS Direct Connect の料金AWS 製品およびサービス料金リージョンとゾーン – Amazon Elastic Compute Cloud

問題4単一選択

ある企業が、途中で止まっても後からやり直せる分析処理を、できるだけ安い料金でAmazon EC2上で実行したいと考えています。実行が途中で打ち切られることを受け入れる代わりに、大幅な割引を受けられる購入オプションはどれですか。

  1. オンデマンドインスタンス
  2. リザーブドインスタンス
  3. スポットインスタンス
  4. Compute Savings Plans
解答と解説を見る

正解:回答 3

回答 1 不正解 オンデマンドインスタンスは、事前の契約なしに必要なときだけ起動し、使った時間分の定価を払う購入オプションです。割引はありませんが、起動したインスタンスをAWS側の都合で回収されることはなく、自分で停止するまで使い続けられます。利用量が読めない新しいシステムや、短期間の検証に使います。

回答 2 不正解 リザーブドインスタンスは、インスタンスの種類やリージョンを指定して1年または3年の利用を約束する代わりに割引を受ける購入オプションです。約束した条件に合うインスタンスに割引が適用されるだけで、実行中のインスタンスが回収される仕組みはありません。長期間動かし続ける本番サーバーの費用を下げるために使います。

回答 3 正解 スポットインスタンスは、AWSが使っていない余剰の容量を大幅な割引で借りる購入オプションです。その代わり、AWSがその容量を必要とするようになると、実行中のインスタンスは通知の後に中断されます。中断されても後からやり直せる処理であれば、この仕組みで費用を大きく下げられます。

回答 4 不正解 Compute Savings Plansは、1時間あたりに使う金額を1年または3年分約束する代わりに、EC2やAWS Lambdaなどのコンピューティング料金に割引を受ける購入オプションです。割引は請求に対して適用されるもので、インスタンスの起動や停止には関与せず、回収される仕組みもありません。種類を変えながら長く使う場合の費用を下げるために使います。

問われている要件

  • Amazon EC2の購入オプションごとの割引の仕組みを理解していること
  • 実行中のインスタンスがAWS側の都合で中断されるのはどの購入オプションかを知っていること
  • 中断されてもやり直せる処理に向く購入オプションを選ぶこと

前提知識

Amazon EC2の購入オプションとは

  • EC2(Elastic Compute Cloud、AWS上の仮想サーバー)には、支払い方によって料金が変わる購入オプションがあります。定価のオンデマンド、長期の約束で割引を受けるリザーブドインスタンスとSavings Plans、余剰の容量を格安で使うスポットインスタンスが代表です。
  • 賃貸オフィスに例えると、スポットインスタンスは空いている部屋を格安で借りる代わりに、正規の借り手が現れたら明け渡す契約です。

スポットインスタンスとは

  • AWSが使っていない余剰の容量を、オンデマンドに比べて大幅に安い料金で使える購入オプションです。AWSがその容量を必要とするようになると、実行中のインスタンスは事前の通知の後に中断されます。
  • バッチ処理、データ分析、テスト環境のように中断されても困らない処理に向き、データベースのように止められない処理には向きません。

中断されない購入オプション

  • リザーブドインスタンスは1年または3年の利用を、Compute Savings Plansは1時間あたりの金額を約束して割引を受けます。どちらも割引の仕組みであって、実行中のインスタンスを回収する仕組みではありません。

図による解説

この図は、選択肢の4つの購入オプションを「AWS側の都合で中断されることがあるか」で分けて表しています
この図は、選択肢の4つの購入オプションを「AWS側の都合で中断されることがあるか」で分けて表しています。中断されることがあるのはスポットインスタンスだけで、余剰の容量を使うからこそ大幅な割引が受けられ、AWSがその容量を必要とすると実行中のインスタンスが回収されます。オンデマンドインスタンス、リザーブドインスタンス、Compute Savings Plansは、定価で払うか長期の約束で割引を受けるかの違いはあっても、起動したインスタンスは自分で止めるまで動き続けます。割引の大きさだけで選ぶと、止められない本番のデータベースをスポットインスタンスで動かして処理の途中で中断される、という失敗につながります。安さと引き換えに何を差し出すのかを確かめることが、購入オプション選びの基本です。

解くための考え方

問題文の「途中で止まっても後からやり直せる」「実行が途中で打ち切られることを受け入れる」「大幅な割引」の3つに注目します。中断を受け入れる代わりに安く使う、という取引が成り立つ購入オプションを探します。

この条件に当てはまるのはスポットインスタンスです。AWSの余剰の容量を使うため大幅に安く、AWSがその容量を必要とすると中断されます。やり直せる分析処理という問題文の条件とも合います。

オンデマンドインスタンスは定価で使う代わりに回収されません。リザーブドインスタンスとCompute Savings Plansは、長期の利用を約束して割引を受ける仕組みで、割引の適用先が請求であり、インスタンスの実行状態には関与しません。

「中断されてもよい処理を安く」と読めたらスポットインスタンス、「長く使うことが決まっている」ならリザーブドインスタンスかSavings Plans、「いつ止めるか分からない」ならオンデマンド、という対応で判断します。

参考資料:スポットインスタンス – Amazon Elastic Compute Cloudスポットインスタンスの中断 – Amazon Elastic Compute CloudAmazon EC2 の請求および購入オプション – Amazon Elastic Compute CloudAmazon EC2 のリザーブドインスタンスの概要 – Amazon Elastic Compute CloudSavings Plans とは – 積立プラン

問題5単一選択

ある企業は、現在のAWS Business Support+では足りない支援があると考え、AWS Enterprise Supportへの切り替えを検討しています。切り替えの判断材料として、現在のプランには含まれておらず、切り替えて初めて受けられる支援はどれですか。

  1. AWS Support APIを通じてサポートケースをプログラムから作成・更新・管理できること
  2. クラウドサポートエンジニアに時間帯を問わず技術的な問い合わせができること
  3. 専任のテクニカルアカウントマネージャーが監視や最適化を継続して支援すること
  4. 本番システムの停止に対して1時間未満で初回の応答を受けられること
解答と解説を見る

正解:回答 3

回答 1 不正解 AWS Support APIは、サポートケースの作成や更新をプログラムから行うための仕組みです。Business Support+にすでに含まれている特典なので、Enterprise Supportへ切り替えて新たに得られるものではありません。自社の運用ツールからサポートケースを自動で起票したいときに使います。

回答 2 不正解 クラウドサポートエンジニアは、技術的な問い合わせに対応するAWSの担当者です。Business Support+の時点で電話・ウェブ・チャットにより24時間365日問い合わせできるため、Enterprise Supportで初めて受けられる支援ではありません。夜間や休日に起きた障害を専門家に相談したいときに使います。

回答 3 正解 テクニカルアカウントマネージャー(TAM)は、その企業の環境と事業目標を理解したうえで、監視や最適化、アーキテクチャの評価を継続的に支援する専任の担当者です。Business Support+には付かず、Enterprise Supportで初めて指名されるため、切り替えによって新たに得られる特典にあたります。

回答 4 不正解 本番システムの停止に対する1時間未満の応答は、ケースの重要度に応じて定められた初回応答の目標です。Business Support+でも本番システムの停止は1時間未満で応答されるため、切り替えで新たに得られる特典ではありません。Enterprise Supportで変わるのは、事業に不可欠なシステムの停止に対する応答が15分以内に短くなる点です。

問われている要件

  • AWSのサポートプランごとに含まれる特典の違いを知っていること
  • Business Support+にすでに含まれている特典と、Enterprise Supportで初めて加わる特典を区別すること
  • 専任のテクニカルアカウントマネージャー(TAM)がどのプランから付くかを知っていること

前提知識

AWSのサポートプランとは

  • 無料のBasic Supportに加えて、有料のBusiness Support+、Enterprise Support、Unified Operationsの順に上位になります。上位ほど応答が速く、専任の担当者が付きます。
  • 以前のDeveloper Support、Business Support、Enterprise On-Rampは2027年1月1日に提供を終了する予定で、Business SupportはBusiness Support+へ、Enterprise On-RampはEnterprise Supportへ移行します。試験で旧名称のBusiness Supportが出たら、Business Support+と同じ位置づけとして読み替えてください。

Business Support+に含まれる特典

  • クラウドサポートエンジニアへの電話・ウェブ・チャットによる24時間365日の問い合わせ、AWS Trusted Advisorのすべてのチェック、AWS Support API、本番システム停止時の1時間未満の応答、アーキテクチャに関する助言が含まれます。

Enterprise Supportで加わる特典

  • 専任のテクニカルアカウントマネージャー(TAM)が指名され、環境の監視や最適化、Well-Architectedレビューを継続的に支援します。事業に不可欠なシステムの停止に対する応答は15分以内に短くなります。

図による解説

この図はAWSのサポートプランを「専任の担当者が付くか」で分けて表しています
この図はAWSのサポートプランを「専任の担当者が付くか」で分けて表しています。Basic Supportは請求・アカウントの問い合わせと基本的なチェックにとどまり、旧Business SupportにあたるBusiness Support+は24時間365日の窓口やAWS Support APIがそろいますが、専任の担当者は付きません。Enterprise Supportで専任のテクニカルアカウントマネージャー(TAM)が指名され、Unified Operationsではさらに専門のエンジニアが加わります。上位へ切り替える意味は、自社の環境を理解した担当者が付くことにあります。24時間365日の窓口や1時間未満の応答を上位で初めて得られる特典だと思い込むと、すでに持っている特典のために切り替えることになります。

解くための考え方

問題文の「現在のプランには含まれておらず、切り替えて初めて受けられる」という言葉に注目します。問われているのは、Enterprise Supportに含まれる支援の一覧ではなく、Business Support+には含まれていない支援です。

専任のテクニカルアカウントマネージャー(TAM)は、Business Support+では付かず、Enterprise Supportで初めて指名されます。監視や最適化を継続的に支援する専任の担当者が付くことが、切り替えで新たに得られる特典にあたります。

AWS Support APIによるケースの自動化、クラウドサポートエンジニアへの時間帯を問わない問い合わせ、本番システム停止時の1時間未満の初回応答は、いずれもBusiness Support+の時点で含まれています。Enterprise Supportにもありますが、新たに加わるものではありません。

「TAMが付くのはEnterprise Support以上」「24時間365日の窓口とTrusted AdvisorのフルチェックはBusiness Support+から」と対応を覚えておくと、サポートプランの差を問う問題を落ち着いて解けます。

参考資料:AWS サポートプランの比較 — AWS サポート機能 — AWSエンタープライズクラウドサポート — AWS エンタープライズサポートプラン — AWSAI を活用したクラウドサポート – AWS ビジネスサポート+ の機能 – AWSAWS サポート プラン – AWS サポート開発者、ビジネス、エンタープライズのオンランプのサポート終了 – AWS サポート

問題6複数選択

ある企業は、部門ごとに作った複数のAWSアカウントをAWS Organizationsの1つの組織にまとめ、一括請求を有効にしました。一括請求によってこの企業が得られる利点はどれですか。(2つ選択してください)

  1. 組織内のすべてのアカウントの使用量を合算して、量に応じた割引を受けられること
  2. 管理アカウントで作成した予算が各メンバーアカウントへ振り分けられて共有されること
  3. 複数のアカウントの利用料金が管理アカウント宛ての1つの請求書にまとまること
  4. 組織内のすべてのリソースにコスト配分タグが付与され部門別の集計に使えること
  5. 組織全体の利用料金に対する予算超過のアラートが自動で設定されること
解答と解説を見る

正解:回答 1・3

回答 1 正解 AWSの多くのサービスには、使用量が増えるほど単価が下がる段階制の料金があります。一括請求では組織内のアカウントの使用量を合算してこの段階制を適用するため、アカウントを別々に契約するより低い単価で利用できます。リザーブドインスタンスやSavings Plansの割引も組織内で共有されます。

回答 2 不正解 予算は、AWS Budgetsで金額や使用量の上限を決めて超過を追跡する設定です。予算はそれを使うアカウントで個別に作成するもので、他のアカウントの予算を作成したり配分したりする機能はありません。一括請求は請求書と使用量を集める仕組みで、予算を配る仕組みではありません。

回答 3 正解 一括請求を有効にすると、組織内の各アカウントが個別に請求書を受け取るのではなく、管理アカウントが全アカウント分をまとめた1つの請求書を受け取ります。アカウントごとの内訳も確認できるため、部門別の費用を追いながら支払いの手間を減らせます。

回答 4 不正解 コスト配分タグは、リソースに付けたタグを請求の集計に使うための仕組みです。タグは利用者が各リソースに付け、さらに請求の画面でアクティブ化して初めて集計に使えるようになります。一括請求を有効にしただけでタグが付くことはなく、部門別の集計にはタグ付けの運用が別に必要です。

回答 5 不正解 予算超過のアラートは、AWS Budgetsで予算に対して設定する通知です。通知のしきい値や宛先は利用者が予算ごとに設定するもので、一括請求を有効にしても自動で作られることはありません。組織全体の費用を見張りたいときは、管理アカウントで予算を作り、アラートを自分で設定します。

問われている要件

  • AWS Organizationsの一括請求がどのような仕組みかを知っていること
  • 一括請求で得られる利点(1つの請求書、使用量の合算による割引)を知っていること
  • 請求をまとめる機能と、予算やコスト配分タグのように利用者が設定する機能とを区別すること

前提知識

AWS Organizationsと一括請求とは

  • AWS Organizationsは、複数のAWSアカウントを1つの組織としてまとめて管理するサービスです。組織を作ると、管理アカウントが組織内のすべてのメンバーアカウントの料金をまとめて支払う一括請求が使えます。
  • 賃貸オフィスに例えると、本社がグループ会社のビル群をまとめて管理し、各社の家賃と光熱費を本社宛ての1枚の請求書で受け取る仕組みです。

一括請求の利点

  • 1つの請求書: 管理アカウントに組織全体の請求書が1つ届き、アカウントごとの内訳も確認できます。
  • 使用量の合算: 組織内の使用量を合算して段階制の料金を適用するため、量に応じた割引を受けやすくなります。リザーブドインスタンスやSavings Plansの割引も組織内で共有されます。
  • 追加料金なし: 一括請求そのものに料金はかかりません。

一括請求とは別に利用者が設定するもの

  • AWS Budgetsの予算や予算超過のアラートは、それを使うアカウントで利用者が作成する設定です。コスト配分タグも、利用者がリソースにタグを付けてアクティブ化して初めて集計に使えます。一括請求はこれらを自動で作る仕組みではありません。

図による解説

この図は、選択肢の5つを「一括請求で得られること」と「一括請求の仕組みにはないこと」に分けて表しています
この図は、選択肢の5つを「一括請求で得られること」と「一括請求の仕組みにはないこと」に分けて表しています。一括請求が行うのは、組織内のアカウントの料金と使用量を管理アカウントに集めることです。集めた結果として、請求書が1つにまとまり、合算した使用量に段階制の料金が適用されて量に応じた割引を受けられます。予算を各アカウントへ配ること、コスト配分タグを付けること、予算超過のアラートを設定することは、どれも利用者がAWS Budgetsや請求の画面で自分で行う設定で、一括請求を有効にしても自動では行われません。「集める」仕組みである一括請求と、「配る・付ける・設定する」といった利用者側の作業を混同すると、一括請求に含まれない機能まで利点として選んでしまいます。

解くための考え方

問題文の「一括請求によって得られる利点」という言葉に注目します。問われているのはAWS Organizationsの機能全体ではなく、一括請求という請求をまとめる仕組みの利点です。

一括請求が行うのは、組織内のアカウントの料金と使用量を管理アカウントに集めることです。ここから得られるのは、請求書が管理アカウント宛ての1つにまとまることと、合算した使用量に段階制の料金が適用されて割引を受けやすくなることで、この2つが正解です。

予算の配分、コスト配分タグの付与、予算超過のアラートは、どれも利用者がAWS Budgetsや請求の画面で設定するものです。一括請求は料金と使用量を集めるだけで、予算を配ったりタグを付けたりアラートを作ったりはしません。

「一括請求は請求書を1つに、使用量を合算して割引」と覚え、予算やタグのように自分で設定するものが利点として書かれていたら別の機能だと判断します。

参考資料:AWS Organizations での請求の統合 – AWS 請求一括請求 (コンソリデーティッドビリング) の処理 – AWS 請求AWS Organizations とは – AWS OrganizationsAWS Budgets によるコストの管理 – AWS コスト管理ユーザー定義のコスト配分タグのアクティブ化 – AWS 請求

この問題を無料アプリで解く

同じ40問を、順番と選択肢をシャッフルして解けます。採点と正誤の記録、ブックマーク、途中で中断しての再開ができます。登録は不要で、記録はお使いの端末の中だけに保存されます。

無料アプリで40問を解く

この分野の6問を無料アプリで解く

他の分野の問題も解く

この無料40問は、当サイトの有料講座(本番形式 65問×6セット)とは別に作った問題です。同じ問題は含まれていません。解説はAWS公式ドキュメントおよびCLF-C02試験ガイドの記載を基に作成しており、各問題の末尾に参考にした公式ドキュメントのリンクを載せています。AWSのサービス仕様は更新されることがあるため、受験前には公式ドキュメントもあわせてご確認ください。

本番形式の390問で仕上げる

無料40問で手応えがつかめたら、次は本番と同じ形式で時間を計って解く練習に進みます。CLF-C02は65問を90分で解く試験なので、通しで解く経験があるかどうかで当日の余裕が変わります。

【図解付き】AWS CLF-C02 クラウドプラクティショナー 本番同等模擬試験390問+初学者向け解説
本番と同じ65問×6セット。全問に日本語の解説と図をつけ、不正解の選択肢についても1つずつ理由を書いています。この無料40問とは別の問題です。

当ブログ限定クーポン:通常 2,600円1,500円

1,500円で受講する
他の問題集と比べてから決める

関連記事

以上です。

この記事がお役に立ちましたら、コーヒー1杯分(300円)の応援をいただけると嬉しいです。いただいた支援は、より良い記事作成のための時間確保や情報収集に活用させていただきます。