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AWS認定試験にSAP(ソリューションアーキテクトプロフェッショナル)があります。AWS認定資格で最難関と言われるこの試験に798点(合格ライン: 750点)で一発合格できたため、勉強方法を紹介します。
なお、現在の試験バージョンはSAP-C02です。これから試験対策されるかたはこの試験バージョンに対応していることをよくご確認ください。

この記事を書いた人
管理人:syo
サラリーマンエンジニア約9年
新卒で入社した大手システム会社でリモートワーク、年収800万円に到達
AWS関連プロジェクトのインフラエンジニア&プロジェクトマネージャーを担当。
IT資格
AWS:プロフェッショナルレベル2冠・アソシエイトレベル3冠・CLF・ペシャリティ資格(SAP, DOP, SAA, SOA, DVA, SCS, DBS, MLS, ANS, PAS)
Azure:AZ-305・AZ-104・AZ-900
その他:基本情報、JAVASE Silver、オラクルマスターブロンズ(DBA)、Silver SQL、ITIL Foundation、LinuC
この度UdemyでSAP-C02のWEB問題集を作成しました。期間限定1,500円セール実施中です。お役立てください。評価&レビューいただけると大変励みになります。
- 本番ライクな300問収録
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- 全問題に詳しい解説が付属
- 全問題に公式ドキュメントへのリンク記載
- 複雑なアーキテクチャを図解して解説
- 不正解選択肢の解説
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【図解付き】AWS SAP-C02完全対応 2025年版本番同等演習問題集+詳細解説
問題集のサンプル問題を確認する
問題
企業が複数の顧客に対してREST APIベースで天気データを提供しています。APIはAmazon API Gatewayでホストされ、各API操作に対して異なるAWS Lambda関数と統合されています。企業はDNSにAmazon Route 53を使用し、weather.example.comのリソースレコードを作成しています。企業はAPIのデータをAmazon DynamoDBテーブルに保存しています。
企業はAPIが別のAWSリージョンにフェイルオーバーする機能を持つソリューションが必要です。これらの要件を満たすソリューションはどれでしょうか。
選択肢
A. 新しいリージョンにLambda関数の新しいセットを配置する。API Gateway APIを更新して、両リージョンのLambda関数をターゲットとするエッジ最適化APIエンドポイントを使用する。DynamoDBテーブルをグローバルテーブルに変換する。
B. 新しいAPI Gateway APIとLambda関数を別のリージョンに配置する。Route 53 DNSレコードを複数値回答に変更する。両方のAPI Gateway APIを回答に追加する。ターゲットヘルスモニタリングを有効化する。DynamoDBテーブルをグローバルテーブルに変換する。
C. 新しいAPI Gateway APIとLambda関数を別のリージョンに配置する。Route 53 DNSレコードをフェイルオーバーレコードに変更する。ターゲットヘルスモニタリングを有効化する。DynamoDBテーブルをグローバルテーブルに変換する。
D. 新しいAPI Gateway APIを新しいリージョンに配置する。Lambda関数をグローバル関数に変更する。Route 53 DNSレコードを複数値回答に変更する。両方のAPI Gateway APIを回答に追加する。ターゲットヘルスモニタリングを有効化する。DynamoDBテーブルをグローバルテーブルに変換する。
考えてからスクロールしてください
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正解:C
解説:
Route 53のフェイルオーバーレコードは、プライマリエンドポイントが正常な間はそちらへトラフィックを向け、プライマリエンドポイントが利用不可になった場合にセカンダリエンドポイントへ自動的に切り替わる、アクティブ-パッシブフェイルオーバーを実現します。ヘルスチェックと組み合わせることで、サービスの可用性に基づいた自動的なフェイルオーバーが可能になります。DynamoDBグローバルテーブルによりデータの一貫性も確保されます。
問われている要件
- REST APIの別AWSリージョンへのフェイルオーバー機能の実装
- 既存のAPI Gateway + Lambda + DynamoDB構成の維持
- Route 53を使用したDNSベースのフェイルオーバー制御
- ヘルスモニタリングによる自動的な障害検知と切り替え
- セカンダリリージョンでのデータ可用性確保
前提知識
Route 53ルーティングポリシーの特徴
- フェイルオーバールーティングポリシーは、アクティブ-パッシブフェイルオーバーを実装するために使用されます。プライマリレコードとセカンダリレコードを設定し、プライマリが利用不可の場合のみセカンダリに切り替わります。ヘルスチェックと組み合わせることで自動的なフェイルオーバーが可能で、最大30秒程度での切り替えが実現されます。
- 複数値回答ルーティングポリシーは、複数のIPアドレスを返してクライアント側での負荷分散を行います。ヘルスチェックに失敗したレコードは返されませんが、正常なレコードはすべて返されるため、フェイルオーバーではなく負荷分散の仕組みです。最大8つまでの正常なレコードがランダムに返されます。
API Gatewayのデプロイメント形態について
- エッジ最適化APIエンドポイントは、CloudFrontディストリビューションを自動作成してグローバルリーチを最適化します。ただし、API Gateway自体は特定のリージョンに配置され、リージョン障害時にはCloudFrontも機能しません。複数リージョンでのフェイルオーバーには、各リージョンに個別のAPI Gatewayが必要です。
- Regional APIエンドポイントは、特定のリージョン内でのみ利用可能で、そのリージョン内のクライアントに最適化されています。マルチリージョン構成では、各リージョンにリージョナルAPIを配置し、Route 53でトラフィック制御を行うのが一般的です。
データベースのマルチリージョン対応について
- DynamoDB Global Tablesは、複数のAWSリージョン間でテーブルデータを自動的に複製し、各リージョンで読み書きが可能なマルチマスター構成を提供します。結果整合性モデルを採用し、通常は1秒以内でリージョン間のデータ同期が完了します。リージョン障害時でも他のリージョンからデータアクセスが継続可能です。
解くための考え方
この問題では「フェイルオーバー」という要件が明確に示されているため、アクティブ-パッシブ構成を前提として考える必要があります。フェイルオーバーとは、通常時は単一のプライマリシステムが稼働し、障害時のみセカンダリシステムに切り替わる仕組みです。
Route 53のルーティングポリシーを比較すると、フェイルオーバーレコードは明確にアクティブ-パッシブフェイルオーバーを実装するための機能です。一方、複数値回答は複数の正常なエンドポイントを同時に返すため、負荷分散やアクティブ-アクティブ構成に適しており、フェイルオーバーの要件には合いません。
API Gatewayのエッジ最適化エンドポイントは、CloudFrontを使ってレスポンス性能を向上させますが、API Gateway自体は単一リージョンに存在するため、リージョン障害に対するフェイルオーバー機能は提供されません。真のマルチリージョンフェイルオーバーには、各リージョンに独立したAPI Gatewayが必要です。
アーキテクチャ図

アーキテクチャ図の解説
フェイルオーバーメカニズムの動作原理
このアーキテクチャでは、Route 53のフェイルオーバーレコードがプライマリ-セカンダリ構成を管理します。通常時はRoute 53がweather.example.comのクエリに対してプライマリリージョン(US-East-1)のAPI Gatewayエンドポイントを返します。Route 53ヘルスチェックが継続的にプライマリAPI Gatewayの状態を監視し、応答がない場合や異常なステータスコードが返された場合に障害を検知します。プライマリが利用不可になると、Route 53は自動的にセカンダリリージョン(US-West-2)のAPI Gatewayエンドポイントを返すように切り替わります。
データの一貫性とサービス継続性
DynamoDB Global Tablesにより、両リージョン間でデータが自動的に複製されます。プライマリリージョンでのデータ更新は通常1秒以内にセカンダリリージョンに反映され、フェイルオーバー時にも最新のデータでサービス継続が可能です。各リージョンのLambda関数は同じビジネスロジックを実装しており、API Gatewayからのリクエストを受けてDynamoDBテーブルにアクセスします。この構成により、どちらのリージョンでも同等のAPI機能が提供されます。
他のソリューションとの比較
エッジ最適化エンドポイントは、CloudFrontの分散エッジロケーションを活用してグローバルなレスポンス性能を向上させますが、API Gateway自体は単一リージョンに配置されているため、そのリージョンが障害を起こした場合にはCloudFrontも機能しません。
複数値回答ルーティングポリシーは、複数の正常なエンドポイントを同時に返すため、アクティブ-アクティブ構成での負荷分散に適しています。しかし、プライマリリージョンが正常な場合でも両方のリージョンの情報が返されるため、フェイルオーバーの要件には適合しません。フェイルオーバーレコードは明確にアクティブ-パッシブ構成を実装し、障害時のみセカンダリに切り替わる動作を提供します。
実装の考慮事項
Route 53ヘルスチェックの設定では、適切なチェック間隔と失敗閾値を設定することが重要です。デフォルトの30秒間隔、3回連続失敗でのフェイルオーバーが一般的ですが、サービスの要件に応じて調整が必要です。API Gatewayのヘルスチェックエンドポイントは、単純なHTTP 200応答だけでなく、DynamoDBへの接続確認を含む実際のサービス状態を反映するよう実装することを推奨します。
DynamoDB Global Tablesの設定時には、結果整合性モデルの特性を理解し、アプリケーションレベルでの競合解決戦略を検討する必要があります。また、フェイルオーバー後のプライマリリージョン復旧時には、自動的にプライマリに戻るか手動切り替えにするかを運用ポリシーとして決定しておくことが重要です。
参考資料
- Amazon API Gateway による DNS フェイルオーバーの設定 - Amazon API Gateway 開発者ガイド
- フェイルオーバールーティング - Amazon Route 53 開発者ガイド
- Route 53 ヘルスチェックの作成と DNS フェイルオーバーの設定 - Amazon Route 53 開発者ガイド
- DynamoDB Global Tables - Amazon DynamoDB 開発者ガイド
- 複数値回答ルーティング - Amazon Route 53 開発者ガイド
- API Gateway エンドポイントのタイプの選択 - Amazon API Gateway 開発者ガイド
- AWS Lambda 関数の設定 - AWS Lambda 開発者ガイド
- Route 53 ヘルスチェックの作成、更新、削除 - Amazon Route 53 開発者ガイド
不正解選択肢の評価
A:不正解 エッジ最適化APIエンドポイントはCloudFrontを活用してグローバルリーチを最適化しますが、API Gateway自体は単一リージョンに配置されるため、異なるAWSリージョンへのフェイルオーバー能力を提供しません。このアプローチはクライアントに最も近いリージョンからの応答を可能にしますが、リージョン障害時のフェイルオーバーには対応できません。
B:不正解 複数値回答はアクティブ-アクティブシナリオを実装し、複数のIPアドレスを返してクライアント側でのロードバランシングを行います。これはフェイルオーバーではなく負荷分散の仕組みであり、メインリージョンが正常な場合でも両方のリージョンの接続先情報が提供されるため、問題で要求されているフェイルオーバー機能とは異なります。
D:不正解 Lambda関数の「グローバル関数」という概念は存在しません。また、複数値回答は負荷分散用の仕組みであり、フェイルオーバー用途には適していません。メインリージョンが正常でも両方のリージョンが名前解決で提供されるため、真のフェイルオーバーソリューションとはなりません。
はじめに:筆者の受験時の状況と受験結果
筆者は、AWSソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)、ディベロッパーアソシエイト(DVA)、シスオプスアドミニストレータアソシエイト(SOA)を既に取得済みでした。新しいプロジェクトにリーダーとして参加することが決まり、次のステップとしてソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)取得を目指しました。
受験時の筆者の状況
- 取得済み資格: SAA、DVA、SOA
- 学歴: IT学部卒
- 職歴: IT企業に入社して4年目
- AWS経験: プロジェクト参画1年目、主にインフラ設計やYAML作成を担当
- 受験目的: SAP取得を通じてプロジェクトリーダーに昇格
筆者は約3ヶ月(1日2時間を90日間継続)勉強し、798点で一発合格することができました。
AWS ソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)資格概要
Amazon(AWS)社が提供するクラウド「AWS」のProfessional(上級)認定資格試験です。筆者は複数のAWS認定を受験しましたが、SAPがダントツで難しかったです。試験時間が3時間もありますが、文章量が多いので時間切れ必至です。SAAの上位資格に当たります。

資格名 | AWS Certified Solutions Architect – Professional (AWS 認定ソリューションアーキテクトプロフェッショナル) |
試験名 | SAP-C02 |
試験時間 | 180分 |
出題形式 | 選択問題(単一選択/複数選択) |
問題数 | 75問 |
合格ライン | 750点/1000点 |
試験日 | 随時 |
試験場所 |
全国のピアソンテストセンター または 試験監督付きオンライン受験 |
受験料 | 40,000円 |
合格発表 | 5営業日以内にメールで通知(筆者は受験後1時間ほどでメールが来ました) |
有効期限 | 3年 |
受験要件 | なし (受験対象に”設計と実装で 2年以上の経験”とあるが、必須ではない。) 下位資格のSAAの取得の必要もなし |
SAP試験の難易度について(例題付き)
AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)の試験では、AWSの158を超えるサービス全般が対象となります。しかし、試験では個別のサービス機能に関する質問はほとんどなく、むしろ複雑な顧客要件を満たすために、どのようにサービスを組み合わせるかが問われます。選択肢や問題文が非常に長く、読解力と分析力が重要です。以下がAWS公式の試験ガイドです。
AWS ソリューションアーキテクトプロフェッショナル 公式試験ガイド
SAPに求められるスキル(公式)
- 複雑な組織に対応する設計
- 新しいソリューションのための設計
- 既存ソリューションの継続的な改善
- ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速
筆者が感じたSAPに求められるレベル感
- 長文の要件を理解し、複数のAWSサービスを組み合わせる力:特に複雑な顧客要件に対して、最適なソリューションを考え出す必要があります。
- 各AWSサービスの機能を熟知していることが前提:どのサービスがどのようなユースケースで使えるかを理解している必要があります。
- 複数の正解が存在する中で、最も顧客に適した選択を行う力:ただ要件を満たすだけではなく、顧客が最も重要視する観点を考慮して「最も適切な」実装方法を選択することが求められます。
以下公式のサンプル問題のNo6を引用しました。レベル感を確認してみてください。とにかく文章量が多いことがわかるはずです。
例題を確認する。
(問題)
ある会社には 2 つの AWS アカウントがあります。1 つのアカウントは本番環境のワークロード用、もう 1 つのアカウントは開発ワークロード用です。開発チームと運用チームが、これらのワークロードを作成して管理しています。同社は、次の要件を満たすセキュリティ戦略を必要としています。
- 開発チームのメンバーは、開発アプリケーションインフラストラクチャを作成および削除する必要がある。
- 運用チームのメンバーは、開発および本番環境のアプリケーションインフラストラクチャを作成および削除する必要がある。
- 開発チームのメンバーは本番インフラストラクチャにアクセスできてはならない。
- すべてのユーザーが 1 セットの AWS 認証情報を持っている必要がある。
これらの要件を満たす戦略はどれですか。
A) 本番稼働用アカウントで以下を実行します。
• アプリケーションインフラストラクチャを作成および削除できる運用 IAM グループを作成する。
• 運用チームのメンバーごとに IAM ユーザーを作成する。これらのユーザーを運用グループに割り当てる。
開発アカウントで以下を実行します。
• アプリケーションインフラストラクチャを作成および削除できる開発 IAM グループを作成する。
• 運用チームのメンバーと開発チームのメンバーごとに IAM ユーザーを作成する。これらのユーザーを開発グループに割り当てる。
B) 本番稼働用アカウントで以下を実行します。
• アプリケーションインフラストラクチャを作成および削除できる 運用 IAM グループを作成する。
開発アカウントで以下を実行します。
• アプリケーションインフラストラクチャを作成および削除できる開発 IAM グループを作成する。
• 開発チームのメンバーごとに IAM ユーザーを作成する。これらのユーザーを開発グループに割り当てる。
• 運用チームのメンバーごとに IAM ユーザーを作成する。これらのユーザーを開発グループと本番稼働用アカウントの運用グループに割り当てる。
C) 開発アカウントで以下を実行します。
• 本番稼働用アカウントでアプリケーションインフラストラクチャを作成および削除できる共有 IAM ロールを作成する。
• アプリケーションインフラストラクチャを作成および削除できる開発 IAM グループを作成する。
• 共有ロールを引き受けることができる運用 IAM グループを作成する。
• 開発チームのメンバーごとに IAM ユーザーを作成する。これらのユーザーを開発グループに割り当てる。
• 運用チームのメンバーごとに IAM ユーザーを作成する。これらのユーザーを開発グループと運用グループに割り当てる。
D) 本番稼働用アカウントで以下を実行します。
• アプリケーションインフラストラクチャを作成および削除できる共有 IAM ロールを作成する。
• 開発用アカウントを共有ロールの信頼ポリシーに追加する。
開発アカウントで以下を実行します。
• アプリケーションインフラストラクチャを作成および削除できる開発 IAM グループを作成する。
• 本番稼働用アカウントで共有ロールを引き受けることができる運用 IAM グループを作成する。
• 開発チームのメンバーごとに IAM ユーザーを作成する。これらのユーザーを開発グループに割り当てる。
• 運用チームのメンバーごとに IAM ユーザーを作成する。これらのユーザーを開発グループと運用グループに割り当てる。
サンプル問題の解答を確認する
D – 正解は、管理する 2 つのアカウント間でクロスアカウントアクセスを許可するための標準的なガイドラインに従っています。
オプション A では、運用チームのメンバーに 2 セットの認証情報が必要なため、要件を満たしていません。
IAM ユーザーを別のアカウントの IAM グループに追加できないため、オプション Bは正しくありません。
ロールは別のアカウントのリソースへのアクセス権を付与できないため、オプション Cは正しくありません。共有ロールは、その共有ロールが管理するリソースと同じアカウントに属している必要があります。
SAAの知識が前提となるので、未取得の方は先にSAAの取得をおすすめします。

よくある質問
AWS SAP 押さえておくべきポイント
AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)試験の勉強は、まずソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)の知識が前提となります。SAA試験では、AWSの主要サービスがどのように機能し、簡単な要件に対してどのようにサービスを組み合わせるかが問われます。一方、SAP試験は、これに加えて複雑な顧客要件に応じて、どのようにAWSサービスを最適に組み合わせるかが重要となります。そのため、知識範囲に重複があり、SAAでの学習はSAPの合格に大いに役立ちます。
SAP試験では求められるレベルが高く、中長期の反復学習が合格への鍵となります。モチベーションを維持するために、適度な休憩や小さな達成感を得られる工夫も有効です。
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具体的な目標を設定する
目標を具体的に設定し、進捗を可視化するとやる気が高まります。 -
メリハリをつけた学習
「ポモドーロ・テクニック」(25分勉強+5分休憩)など、集中とリラックスのバランスを取りながら学習を進めると効果的です。 -
仲間との共同学習
一緒に勉強する仲間がいると、モチベーションを維持しやすくなります。 -
適度な休憩を取る
疲れを感じたら休憩を挟むことで、モチベーションを維持し、効率よく学習を進められます。
SAPの学習で重要なポイント
AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)試験で合格するためには、長文問題を時間内に正確に読み解く力が非常に重要です。特に、2つの選択肢に絞ったあと、どちらが正解か迷う場面が多くあります。この時にカギとなるのは、問題文内にある「顧客が重視しているポイント」をしっかり理解し、それに基づいて最適な解答を導き出すことです。
また、このような思考を支えるためには、SAA相当の基礎知識が有効です。SAAの知識がしっかりと身についていることで、複雑な要件にも柔軟に対応できるようになります。
- SAA知識の復習: SAPに挑む前に、SAAの知識を忘れている個所が無いかを確認し、復習することが大切です。
- SAPの参考書や動画教材の活用: SAPの教材を使って、より高度な知識を体系的に習得しましょう。必ずC02に対応している教材を活用しましょう。
- 問題演習の質と量: 特に演習では、2択で迷ったら「顧客が重視すること」を意識して解答する訓練が効果的です。
教材の選び方のポイント
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更新が早いWEB教材を選ぶ
クラウド資格は頻繁に内容がアップデートされるため、最新情報に対応しているWEB教材が最適です。特に、試験バージョンの変更に対応できる教材を選びましょう。 -
問題集は解説が充実しているものを選ぶ
問題数が多く、詳しい解説が含まれている問題集が効果的です。解説を通じて、理解を深めることが重要です。 -
初心者はSAAの教材からスタートする
SAPとSAAの試験範囲は重複しているのでまずはSAAを取得していない人はSAAを取得することをおすすめします。SAAを取得しない方も最初はSAAの教材で学習することをおすすめします。
特におすすめの教材としては、Udemyがあります。一度購入すれば、その後も内容がアップデートされるため、試験バージョンの変更に対応できるだけでなく、3年ごとの再認定時にも活用できます。
- 30日以内であれば返金可能(気軽に始められる)
- 教材購入後もコンテンツがアップデートされる(頻繁にアップデートされるクラウド学習に最適)
- 不明点を講師に質問可能
- スマホでも視聴可能(隙間時間の活用)
- 月に数回(2~3回)実施するセールでは数万円のコースも2,000円程度に割引される(安価!)
AWS SAP 効率的に学ぶための5つの学習方法
上記のポイントを踏まえ、以下の勉強方法をおすすめします。「ChatGPTの活用」以外は基本的には順番通りに進めることで、効果的に学習を進めることができると思います。試験が難しいので、問題集や参考書だけの学習では足りないと思います。WEB教材やAI(ChatGPT)、AWS公式資料を組み合わせることで効率に対策できると思います。
- ChatGPTの活用: 学習中に疑問が出たら、ChatGPTのようなAIを活用してすばやく解決することで、効率的な学習が可能になります。特に細かい技術的な質問や、理解が曖昧な部分の補強に役立ちます。
- SAA教材の復習: SAPの学習を始める前に、SAAの教材を復習することで基礎を固めましょう。SAAで培った知識がSAPの高度な内容にも繋がるため、効果的です。
- SAP-C02用の参考書や動画教材で全体を学ぶ: 試験範囲を体系的に学習することが、理解を深める上で非常に重要です。まずは試験範囲全体を理解し、その後で細部に進む「全体→部分」の学習法が効果的です。
- AWSブラックベルトでサービスを深堀り: 各サービスの理解を深めるために、AWSブラックベルトシリーズの資料を活用しましょう。特に、使用経験のないサービスやイメージが湧きにくいサービスについては、この資料を使った学習が役立ちます。
- 問題演習を繰り返す: 特に、選択肢を2つに絞った際には「顧客が重視すること」を意識して解答するようにしましょう。実際の試験に近い形式で繰り返し練習することが、実戦力を高める鍵です。
ChatGPTの活用
学習を進めていて疑問が生じたときは、ChatGPTに質問することで疑問を解消できます。ChatGPT単に「〜とは何ですか?」と聞くだけでも答えてくれますが、以下のポイントを意識することで、より有益な回答が得られます。
- 誰になってほしいのかを示す。
- 例:「あなたは優秀なAWSエンジニアです。」
- 求める情報の粒度やレベルを示す。
- 例:「300文字以内で説明してください。」「初心者にもわかるように説明してください。」など
- 何かを比較したい場合は表も作成できる。
- 例:「LambdaとEC2の違いを表で説明してください。」
- 解答が間違っている可能性があることを理解する
- 生成AIは間違った情報を返すこともあります。AWS公式HP等で裏どりするとベストです。
- 最新のChatGPT 4oでは、かなり正確な情報が得られるようになったと感じていますが、常に裏付けを取る姿勢が大切です。
以下の例では紹介したサンプル問題の解答における「管理する 2 つのアカウント間でクロスアカウントアクセスを許可するための標準的なガイドライン」について聞いてみました。AWS公式サンプル問題の解説以上に詳しい内容が正確に返答されてきました。(掲載の都合上、一部省略しています。)

ChatGPTに関してはスマホアプリもあります。書籍で学習している際もスマホさえあればいつでも気軽に質問することができるので非常におすすめです。筆者はAWSの勉強をする際は常にChatGPTにアクセスできるようにしています。
下位資格のSAAやCLFなどではChatGPTに問題を解かせて解説させる方法が有効でした。しかし、SAPではChatGPTの正解率が劇的に悪いため、あくまで不明点を確認するような補助的な使い方をおすすめします。
SAA教材の復習
AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)の学習では、SAA(ソリューションアーキテクトアソシエイト)の知識が必須です。まだSAAを取得していない方は、まずSAAの取得を目指すことを強くおすすめします。SAP向けの教材の多くは、SAAレベルの知識があることを前提として構成されており、その知識が学習の基盤となります。SAAの取得方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

すでにSAAを取得している方、特に取得から時間が経っている場合は、まずSAAの復習から始めることをおすすめします。以前使用していた教材や模擬試験を再度解き、間違えた箇所を中心に復習しましょう。分からなかった分野は、解説を読むのに加えて、参考書の該当章やオンライン教材に戻って基礎を再学習することが大切です。
PR SAAおすすめ参考書
SAP-C02用の参考書や動画教材で全体を学ぶ
参考書を使用した学習
筆者が使用した参考書は以下の通りです。最新のSAP-C02に対応している参考書であれば、ご自身に合ったものを選んで問題ありません。特に、解説と問題集がセットになっているものが便利です。市販の多くの参考書はこの形式になっています。各章に章末問題があるとさらに効果的です。
リンク先で試し読み可能です。
- 価格: ¥3,300
- 発売日: 2023/5/31(C02対応!)
- 問題数: 模擬試験82問(解説付き) + 各章の確認テスト
- レビュースコア: (4.3/5)
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良いレビュー:
- 用語がまとめられており、試験後も辞書的に使用可能。
- 試験に出る機能が網羅されている。
- SAP試験の要点を整理しており、分かりやすいレイアウトや図表が多い。
-
悪いレビュー:
- 試験に出ているほどの深い説明は少なく、別途学習が必要。
- Kindle版は検索やコピペができないため、紙の書籍より不便な面がある。
- 模擬試験の問題と解説が簡潔すぎて、詳細な理解が難しい箇所がある。
参考書は最低でも2周は学習することをおすすめします。1周目は参考書をざっと読み進め、2周目ではAWSブラックベルトや公式ドキュメント、ChatGPTを使って深掘り学習を行います。
- 1周目: 軽く全体を把握する。
- 2周目: 不明点を深掘り、特にブラックベルト資料やAWS公式ドキュメントを参考にする。
- 3周目: 章末問題で正答率の低い部分を重点的に復習。
模擬試験は、これらの復習が完了した後に取り組むのがベストです。最初から繰り返し模擬問題を解くと、問題と解答を覚えてしまい、学習効果が薄れると思います。
動画教材を使用した学習

試験範囲を効率的に学習するためには、動画教材の活用も非常に有効です。残念ながら、SAPに関しては現在のところ日本語音声の動画教材は未発売です。
しかし、英語の動画教材を日本語字幕付きで学習することが可能です。特に、図表やアーキテクチャ図が豊富な教材であれば、視覚的に理解しやすく、SAA相当の知識があれば、英語が苦手な方でも十分理解できると思います。
動画教材は、特に参考書だけでは理解しきれなかった章の補完におすすめです。テキストでは伝わりにくい部分も、視覚的な解説やアーキテクチャ図を通じて理解を進めることが可能です。参考書と併用することをおすすめします。
Udemy動画教材の使い方について、画面を交えて詳しく説明しています。ぜひ以下の記事をご覧ください。
記事の内容:
- Udemy動画教材の便利な機能紹介: 再生速度調整、トランスクリプト表示、字幕対応などの機能
- スマホ機能の紹介: コースのダウンロード機能やバックグラウンド再生
- QA方法紹介: 講師への質問方法
特に私は参考書だけでは理解しきれなかったネットワーク回りの解説の章の理解に役立ったと感じました。
リンク先で30分程度のプレビュー視聴も可能です。気になる方はご視聴ください。
Ultimate AWS Certified Solutions Architect Professional- 価格: 定価約19,800円、セール時は通常2,000円前後
- 動画時間: 約16.5時間
- レビュースコア: (4.7/5)
-
特徴:
- ハンズオンは含まず、理論学習の集中講義。各章末に確認テストあり。
-
良いレビュー(日本語訳):
- 説明が非常に分かりやすい。試験合格に必要なポイントを効率よく学習。
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悪いレビュー(日本語訳):
- 動画の進行が早く、初学者には少し難しいと感じた。(プレイヤーで調整可能)
AWSブラックベルトでサービスを深堀り
AWSブラックベルトシリーズは、AWSの各サービスや技術について、日本語で技術解説が行われている資料やウェビナーです。各サービスの詳細な技術情報や活用方法が網羅されており、特にAWSソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)の学習に役立てた方も多いと思います。ブラックベルトシリーズはサービスについて非常に詳しく説明しているため、理解が不足しているサービスを深く学ぶ際に非常に役立ちます。
SAP試験では、サービス単体の機能を問うような出題はほとんどありませんが、サービスの仕組みや特性を理解しておくことは必要です。理解不足を感じたサービスについては、辞書的にブラックベルトを参照することをおすすめします。特に、使ったことがないサービスや、実務であまり馴染みのないサービスを学ぶ際に、ブラックベルトシリーズは知識の補完に役立つと感じました。
筆者は実務では馴染みがなかったDMS(AWS Database Migration Service)やAmazon Route 53 Resolverなどを視聴して知識を補完しました。動画があるものはジョギングしながらや通勤しながら音声だけ聞いても良い勉強になりました。
視聴方法
ブラックベルトシリーズの動画は、YouTubeで無料視聴可能です。一部の資料はPDF形式でも提供されているため、状況に応じて資料を活用しながら学習を進めましょう。
ブラックベルトシリーズを上手に活用することで、AWSの主要サービスを深く理解し、試験対策をより充実させることができます。
問題演習を繰り返す
試験対策として、模擬問題を繰り返し解くことが必須です。出題形式に慣れるためにも、繰り返し演習を行い、安定して80%以上の正答率を達成できるようになることが重要です。これができれば、本番試験を受ける準備が整ったといえるでしょう。
書籍 vs. Web問題集
以下の特徴から、参考書の巻末問題に加えてWEB問題集を利用することをおすすめします。参考書の巻末問題だけでは演習量も圧倒的に不足すると思います。
- 書籍の問題集: 試験対策に役立ちますが、内容が更新されないため、最新の試験傾向に対応しづらいというデメリットがあります。
- Web問題集: 常にアップデートされているため、最新の情報に基づいた学習が可能です。特に、Udemyなどの買い切りタイプの問題集は、将来の再認定時にも活用でき、便利です。
効果的な問題演習の進め方
問題演習で間違えた箇所は、解説を熟読し、再度インプット学習に立ち返ることが大切です。例えば、以下のリソースを活用して知識を補強しましょう:
- SAAの教材
- 参考書
- Udemyの動画教材
- AWSブラックベルト
- AWS公式ドキュメント
注意すべき点は、答えを丸暗記しないことです。本質を理解しないまま問題を繰り返すのは逆効果です。間違えた理由や正しい選択肢を深く理解するために、解説を熟読してインプット学習に立ち返って知識を広げることが必要です。
筆者のおすすめ問題集活用学習方法
-
10問を解いてから答え合わせを行う
- 間違えた箇所は解答を読む
- 正解した問題も、他の選択肢がなぜ不正解かを考える
- 理解不足をブラックベルトやAWS公式ドキュメントを活用してさらに知識を広げる
-
10問区切りで学習を進める理由
- 解いた問題の記憶が新しいうちに見直すことで、効率的に学習できます。
Udemy問題集の使い方について、実際の画面を交えて詳しく説明しています。ぜひ以下の記事をご覧ください。
記事の内容:
- 【神アップデート!】解答を都度確認する方法を解説。(1問1答)
- Udemyの問題集をPCやスマートフォンで効果的に活用する方法を解説。
- ブラウザ翻訳機能を使い英語問題集を日本語に翻訳する手順を紹介。
- 問題演習画面の操作方法や解答確認の仕方を詳しく説明。
- 講師への質問方法を説明。
AWS公式ドキュメントは以下のリンクから。記事によっては日本語対応していなかったり、難解なことが書かれているので、何が書いてあるかわからなくても焦る必要はありません。(SAPを取得した後の筆者も公式ドキュメントに何が書かれているかよくわからないことは多いです。)適度にChatGPTなどを使って読み進めると良いと思います。
正答率が向上したら本番に備える
この10問区切りの学習を繰り返すと必ず正答率が上がってきます。75問のフルセットを解いてみましょう。85%以上の正答率が出たら、本番受験のタイミングを計画しましょう。
UdemyおすすめWEB問題集2選
筆者が実際に使用したWEB問題集と、信用できる作者のWEB問題集を紹介します。
【SAP-C02】AWS認定 ソリューションアーキテクト プロフェッショナル 模擬問題集【4回+α 計360問】
【SAP-C02】AWS認定 ソリューションアーキテクト プロフェッショナル 模擬問題集【4回+α 計360問】上記は筆者も使用した問題集です。本番試験にも似たような問題が数問出題されたので、このWEB問題集で学習してよかったと感じました。
文章量はこの問題集の方が多いように感じたので読解力を鍛えるにはよい教材でした。Udemyの演習モードで学習することにより、隙間時間での学習も可能でした。
- 問題数: 410問(75問×4セット+追加の60問)
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価格:
- 定価: ¥2,600
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- レビュースコア: (4.2/5)
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良いレビュー:
- 本番に近い問題形式で、効率的な試験対策が可能。解説が非常に詳しい。本問題集だけで合格できた。
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悪いレビュー:
- 本番試験で同じ問題は出題されなかった。まれに解説が理解できない箇所がある。
筆者作成問題集 【図解付き】AWS SAP-C02完全対応 2025年版本番同等演習問題集+詳細解説300問
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【図解付き】AWS SAP-C02完全対応 2025年版本番同等演習問題集+詳細解説
問題集のサンプル問題を確認する
問題
企業が複数の顧客に対してREST APIベースで天気データを提供しています。APIはAmazon API Gatewayでホストされ、各API操作に対して異なるAWS Lambda関数と統合されています。企業はDNSにAmazon Route 53を使用し、weather.example.comのリソースレコードを作成しています。企業はAPIのデータをAmazon DynamoDBテーブルに保存しています。
企業はAPIが別のAWSリージョンにフェイルオーバーする機能を持つソリューションが必要です。これらの要件を満たすソリューションはどれでしょうか。
選択肢
A. 新しいリージョンにLambda関数の新しいセットを配置する。API Gateway APIを更新して、両リージョンのLambda関数をターゲットとするエッジ最適化APIエンドポイントを使用する。DynamoDBテーブルをグローバルテーブルに変換する。
B. 新しいAPI Gateway APIとLambda関数を別のリージョンに配置する。Route 53 DNSレコードを複数値回答に変更する。両方のAPI Gateway APIを回答に追加する。ターゲットヘルスモニタリングを有効化する。DynamoDBテーブルをグローバルテーブルに変換する。
C. 新しいAPI Gateway APIとLambda関数を別のリージョンに配置する。Route 53 DNSレコードをフェイルオーバーレコードに変更する。ターゲットヘルスモニタリングを有効化する。DynamoDBテーブルをグローバルテーブルに変換する。
D. 新しいAPI Gateway APIを新しいリージョンに配置する。Lambda関数をグローバル関数に変更する。Route 53 DNSレコードを複数値回答に変更する。両方のAPI Gateway APIを回答に追加する。ターゲットヘルスモニタリングを有効化する。DynamoDBテーブルをグローバルテーブルに変換する。
考えてからスクロールしてください
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正解:C
解説:
Route 53のフェイルオーバーレコードは、プライマリエンドポイントが正常な間はそちらへトラフィックを向け、プライマリエンドポイントが利用不可になった場合にセカンダリエンドポイントへ自動的に切り替わる、アクティブ-パッシブフェイルオーバーを実現します。ヘルスチェックと組み合わせることで、サービスの可用性に基づいた自動的なフェイルオーバーが可能になります。DynamoDBグローバルテーブルによりデータの一貫性も確保されます。
問われている要件
- REST APIの別AWSリージョンへのフェイルオーバー機能の実装
- 既存のAPI Gateway + Lambda + DynamoDB構成の維持
- Route 53を使用したDNSベースのフェイルオーバー制御
- ヘルスモニタリングによる自動的な障害検知と切り替え
- セカンダリリージョンでのデータ可用性確保
前提知識
Route 53ルーティングポリシーの特徴
- フェイルオーバールーティングポリシーは、アクティブ-パッシブフェイルオーバーを実装するために使用されます。プライマリレコードとセカンダリレコードを設定し、プライマリが利用不可の場合のみセカンダリに切り替わります。ヘルスチェックと組み合わせることで自動的なフェイルオーバーが可能で、最大30秒程度での切り替えが実現されます。
- 複数値回答ルーティングポリシーは、複数のIPアドレスを返してクライアント側での負荷分散を行います。ヘルスチェックに失敗したレコードは返されませんが、正常なレコードはすべて返されるため、フェイルオーバーではなく負荷分散の仕組みです。最大8つまでの正常なレコードがランダムに返されます。
API Gatewayのデプロイメント形態について
- エッジ最適化APIエンドポイントは、CloudFrontディストリビューションを自動作成してグローバルリーチを最適化します。ただし、API Gateway自体は特定のリージョンに配置され、リージョン障害時にはCloudFrontも機能しません。複数リージョンでのフェイルオーバーには、各リージョンに個別のAPI Gatewayが必要です。
- Regional APIエンドポイントは、特定のリージョン内でのみ利用可能で、そのリージョン内のクライアントに最適化されています。マルチリージョン構成では、各リージョンにリージョナルAPIを配置し、Route 53でトラフィック制御を行うのが一般的です。
データベースのマルチリージョン対応について
- DynamoDB Global Tablesは、複数のAWSリージョン間でテーブルデータを自動的に複製し、各リージョンで読み書きが可能なマルチマスター構成を提供します。結果整合性モデルを採用し、通常は1秒以内でリージョン間のデータ同期が完了します。リージョン障害時でも他のリージョンからデータアクセスが継続可能です。
解くための考え方
この問題では「フェイルオーバー」という要件が明確に示されているため、アクティブ-パッシブ構成を前提として考える必要があります。フェイルオーバーとは、通常時は単一のプライマリシステムが稼働し、障害時のみセカンダリシステムに切り替わる仕組みです。
Route 53のルーティングポリシーを比較すると、フェイルオーバーレコードは明確にアクティブ-パッシブフェイルオーバーを実装するための機能です。一方、複数値回答は複数の正常なエンドポイントを同時に返すため、負荷分散やアクティブ-アクティブ構成に適しており、フェイルオーバーの要件には合いません。
API Gatewayのエッジ最適化エンドポイントは、CloudFrontを使ってレスポンス性能を向上させますが、API Gateway自体は単一リージョンに存在するため、リージョン障害に対するフェイルオーバー機能は提供されません。真のマルチリージョンフェイルオーバーには、各リージョンに独立したAPI Gatewayが必要です。
アーキテクチャ図

アーキテクチャ図の解説
フェイルオーバーメカニズムの動作原理
このアーキテクチャでは、Route 53のフェイルオーバーレコードがプライマリ-セカンダリ構成を管理します。通常時はRoute 53がweather.example.comのクエリに対してプライマリリージョン(US-East-1)のAPI Gatewayエンドポイントを返します。Route 53ヘルスチェックが継続的にプライマリAPI Gatewayの状態を監視し、応答がない場合や異常なステータスコードが返された場合に障害を検知します。プライマリが利用不可になると、Route 53は自動的にセカンダリリージョン(US-West-2)のAPI Gatewayエンドポイントを返すように切り替わります。
データの一貫性とサービス継続性
DynamoDB Global Tablesにより、両リージョン間でデータが自動的に複製されます。プライマリリージョンでのデータ更新は通常1秒以内にセカンダリリージョンに反映され、フェイルオーバー時にも最新のデータでサービス継続が可能です。各リージョンのLambda関数は同じビジネスロジックを実装しており、API Gatewayからのリクエストを受けてDynamoDBテーブルにアクセスします。この構成により、どちらのリージョンでも同等のAPI機能が提供されます。
他のソリューションとの比較
エッジ最適化エンドポイントは、CloudFrontの分散エッジロケーションを活用してグローバルなレスポンス性能を向上させますが、API Gateway自体は単一リージョンに配置されているため、そのリージョンが障害を起こした場合にはCloudFrontも機能しません。
複数値回答ルーティングポリシーは、複数の正常なエンドポイントを同時に返すため、アクティブ-アクティブ構成での負荷分散に適しています。しかし、プライマリリージョンが正常な場合でも両方のリージョンの情報が返されるため、フェイルオーバーの要件には適合しません。フェイルオーバーレコードは明確にアクティブ-パッシブ構成を実装し、障害時のみセカンダリに切り替わる動作を提供します。
実装の考慮事項
Route 53ヘルスチェックの設定では、適切なチェック間隔と失敗閾値を設定することが重要です。デフォルトの30秒間隔、3回連続失敗でのフェイルオーバーが一般的ですが、サービスの要件に応じて調整が必要です。API Gatewayのヘルスチェックエンドポイントは、単純なHTTP 200応答だけでなく、DynamoDBへの接続確認を含む実際のサービス状態を反映するよう実装することを推奨します。
DynamoDB Global Tablesの設定時には、結果整合性モデルの特性を理解し、アプリケーションレベルでの競合解決戦略を検討する必要があります。また、フェイルオーバー後のプライマリリージョン復旧時には、自動的にプライマリに戻るか手動切り替えにするかを運用ポリシーとして決定しておくことが重要です。
参考資料
- Amazon API Gateway による DNS フェイルオーバーの設定 - Amazon API Gateway 開発者ガイド
- フェイルオーバールーティング - Amazon Route 53 開発者ガイド
- Route 53 ヘルスチェックの作成と DNS フェイルオーバーの設定 - Amazon Route 53 開発者ガイド
- DynamoDB Global Tables - Amazon DynamoDB 開発者ガイド
- 複数値回答ルーティング - Amazon Route 53 開発者ガイド
- API Gateway エンドポイントのタイプの選択 - Amazon API Gateway 開発者ガイド
- AWS Lambda 関数の設定 - AWS Lambda 開発者ガイド
- Route 53 ヘルスチェックの作成、更新、削除 - Amazon Route 53 開発者ガイド
不正解選択肢の評価
A:不正解 エッジ最適化APIエンドポイントはCloudFrontを活用してグローバルリーチを最適化しますが、API Gateway自体は単一リージョンに配置されるため、異なるAWSリージョンへのフェイルオーバー能力を提供しません。このアプローチはクライアントに最も近いリージョンからの応答を可能にしますが、リージョン障害時のフェイルオーバーには対応できません。
B:不正解 複数値回答はアクティブ-アクティブシナリオを実装し、複数のIPアドレスを返してクライアント側でのロードバランシングを行います。これはフェイルオーバーではなく負荷分散の仕組みであり、メインリージョンが正常な場合でも両方のリージョンの接続先情報が提供されるため、問題で要求されているフェイルオーバー機能とは異なります。
D:不正解 Lambda関数の「グローバル関数」という概念は存在しません。また、複数値回答は負荷分散用の仕組みであり、フェイルオーバー用途には適していません。メインリージョンが正常でも両方のリージョンが名前解決で提供されるため、真のフェイルオーバーソリューションとはなりません。
AWS社公式Practiceテスト
以前は約3,000円かかっていたPracticeテストが、現在は無料で受けられます。ただし、問題数は20問と限られているため、問題演習量は不足します。ある程度勉強した後の実力を測る際に活用することをおすすめします。スキルビルダーで「SAP-C02」と検索すると、Practiceテストが見つかります。
Self-paced digital training on AWS – AWS Skill Builder

【超重要】SAP攻略テクニック:最優先事項を見極める
SAP試験では、2つの選択肢までは絞れるが、最終的にどちらが正解かわからないという状況がよくあります。そのような場面で役立つテクニックを紹介します。それは、「顧客が重視していることを軸に解答を絞り込む」という方法です。イメージがつきにくいかもしれませんので、以下の例題を見てみましょう。まずは考えてみてください。
ある企業は、マイクロサービスアーキテクチャを使用してメッセージングアプリケーションを構築しています。各マイクロサービスは、Amazon Elastic Container Service(Amazon ECS)を利用する個別のチームによって独立して開発されています。チームは AWS CloudFormation と AWS CodePipeline を使用して、マイクロサービスを1日に何度もデプロイしています。
最近、アプリケーションのサイズと複雑さが増しています。開発中は各サービスが単独で正常に機能しますが、本番環境で他のサービスと通信する必要がある場合、各サービスはエラーメッセージを発生させます。ソリューションアーキテクトの主な責任は、アプリケーションの可用性を高めることです。
運用上のオーバーヘッドを最小限に抑えながら、これらの条件を満たす方法を選択してください。
- サービスごとに CodePipeline にステージを追加します。追加のステージを使用して、各サービスをテスト環境にデプロイします。デプロイ後に各サービスをテストして、エラーメッセージが発生しないことを確認します。
- サービスごとに CodePipeline にステージを追加します。追加のステージを使用して、各サービスをテスト環境にデプロイします。各サービスの統合テストを作成します。デプロイ後、テストを自動的に実行します。
- AWS :: CodeDeployBlueGreen トランスフォーム セクションと hooks セクションをテンプレートに追加して、CloudFormation でAWS CodeDeploy を使用してブルー/グリーンデプロイを有効にします。本番環境の ECS でブルー/グリーンデプロイを実行するようにテンプレートを構成します。
- テンプレートで ECS の deploymentConfiguration パラメータを使用して、AWSCodeDeploy がサービスのローリング更新を実行するように設定します。デプロイ中にエラーが発生した場合は、circuit breaker プロパティを使用してデプロイをロールバックします。
考え終わったらスクロールしてください。
解答の絞り込み方法
まず、「アプリケーションの可用性を高める」ための手段としては、選択肢2と3のどちらも貢献できることがわかります。
- 選択肢2: 本番前にテスト環境で自動結合テストを実施し、事前にバグを取り除く(予防的対策)
- 選択肢3: 本番デプロイ後、問題が発生した場合にブルー/グリーンデプロイを使って切り戻す(発見的対策)
一見すると、システム開発に経験のある人なら予防的対策の選択肢2を選びたくなるかもしれません。しかし、ここでの正解は選択肢3です。なぜなら、問題文の中で「運用上のオーバーヘッドを最小限に抑える」という優先事項が記載されているからです。
選択肢3では、単にデプロイ方法をブルー/グリーンデプロイに変更するだけで済みますが、選択肢2では自動テストコードの作成やテスト環境の維持に多大なオーバーヘッドがかかります。
このように、正解に見える選択肢も、問題文に書かれた「優先事項」に基づいて見直すことで、最適な答えが見えてくることがあります。このポイントを意識して、問題演習に取り組んでみてください。
SAPを受験した感想
本試験は、これまでに挑戦したクラウド系資格試験の中で最も難易度が高いと感じました。試験は180分間で75問を解答する形式でしたが、問題文や選択肢が長文であるため、時間配分がとても重要(1問当たり約2分程度)だと感じました。
試験勉強を通じて、AWSのベストプラクティスを深く学ぶことができた上に、自分の経験では触れたことがなかったサービスについても学習する良い機会となりました。また、勉強を進める中で、改めてAWSの設計思想やクラウド技術の奥深さを実感しました。
試験結果画面に「合格」と表示されたときは、思わず何度も結果を確認してしまうほど喜びが大きかったです。
次の目標として、AWS Certified DevOps Engineer – Professionalに挑戦しようと思います。さらに、長期的な目標としてAWS認定資格の全冠取得を視野に入れてキャリアアップを目指そうと思いました。
まとめ
AWSソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP-C02)の合格は、中長期的かつ計画的な学習と問題演習が鍵となります。この記事では、効率的な学習方法とポイントを解説しましたが、重要なのは、顧客要件に基づいた最適なソリューションを設計する力を身につけることです。SAAで得た基礎知識を活用し、要件に対するAWSサービスの組み合わせを理解し、長文問題に対応する力を身につけましょう。
それには最新の教材や問題集を活用することが効率的です。参考書、Udemyの教材やブラックベルト資料を使用し、インプット学習を強化しつつ、実際の試験形式に慣れるために問題演習を繰り返すことが大切です。最も大切なのは、繰り返し学習を続け、「顧客が重視していること」を意識した解答を導く訓練を積むことだと思います。
本記事の内容を参考にして、最短での合格を目指して効率的に学習を進めてください。継続的な学習が成果につながるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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システムエンジニア
AWSを中心としたクラウド案件に携わっています。
IoTシステムのバックエンド開発、Datadogを用いた監視開発など経験があります。
IT資格マニアでいろいろ取得しています。
AWS認定:SAP, DOP, SAA, DVA, SOA, CLF
Azure認定:AZ-104, AZ-300
ITIL Foundation
Oracle Master Bronze (DBA)
Oracle Master Silver (SQL)
Oracle Java Silver SE
■略歴
理系の大学院を卒業
IT企業に就職
AWSのシステム導入のプロジェクトを担当