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AzureのAI資格 Azure AI Engineer Associate(AI-102)に1ヶ月で合格した体験をもとに、効果的な勉強法とおすすめ教材を紹介します。
Udemyや参考書、Microsoft Learnの活用法、出題傾向、注意点まで実体験ベースで解説します。これからAzure AI Engineer Associate(AI-102)に受験する方に役立てば幸いです。
私の受験時の状況とスコア
- 下位資格であるAI-900は合格済み
- 社内システムのRAGアーキテクチャのPoCを担当しており、AzureのAIサービスを少し触ったことがありました。
- Azureの基礎資格AZ-900とAZ-104は取得済み(基本的なクラウド知識はあり)
RAGアーキテクチャは、生成AI(例:GPT系モデル)と情報検索エンジン(例:Azure AI Searchなど)を組み合わせて、より正確で信頼性のある回答を生成するためのアーキテクチャです。
PoCとは、日本語では「概念実証」を意味します。新しい技術やサービス、アイデアの実現可能性や効果を検証することです。
私はAI-900に合格していた状態から約1ヶ月(1日当たり2~3時間の学習)で820点を取って合格することができました。また、AzureのAIサービスはAI SearchやAI Document Intelligenceなどは少し使ったことがある状態からの学習開始でした。
AzureのAIサービスを全く使ったことが無い人だともう少し勉強期間をとったほうがいいかもしれません。

AI-102とは?試験概要と難易度のポイント
AI-102は、AzureにおけるAIエンジニアとしての知識とスキルを問う資格です。このセクションでは、試験の概要や対象者、AI-900との違い、難易度について説明します。

項目 | 内容 |
---|---|
試験時間 | 100分 |
出題形式 | 選択式(単一・複数)、ドラッグ&ドロップ、コード穴埋め(選択)、シナリオ問題など |
問題数 | 40〜50問 (個々で異なる模様。私は48問でした。) |
合格ライン | 700点(スコアは100〜1000点で評価) |
※出題内容や形式は随時アップデートされる可能性があるため、最新情報は公式ページでご確認ください。
AI-102の位置づけと対象者
AI-102は、Azure上でAIソリューションを設計・構築・実装できる人材を認定する中級レベルの資格です。
この試験では、設計力や実装スキル、Azure AIサービスの活用のような実務的な能力が問われます。
出題範囲には、Cognitive ServicesやAzure Machine LearningなどのAIサービスの活用はもちろん、セキュリティやデプロイ、スケーラビリティの考慮まで幅広く問われます。AIプロジェクト全体を見渡す知識が必要とされ、実務経験があることが望ましいと公式にも記載されています。(必ず必要というわけではありません。)
出題形式と合格ライン
AI-102は選択問題に加えてコード穴埋めやコマンド穴埋め(ドラッグ&ドロップによる選択式)などの実務寄りの出題形式が含まれます。合格には700点以上が必要です。
単なる知識の暗記ではなく、実際の設計・実装に即した出題内容です。
私の受験時には、APIの呼び出し方法、dockerコマンドの穴埋め、Document Intelligenceの細かい仕様(ファイル上限サイズ、扱えるファイル形式)など、実務でも普通はリファレンスを参照しながら行うような問題が数多く出題されました。
そのため、Microsoft Learnの参照スキル(目的の情報に素早くアクセスするスキル)も重要です。
補足:AI-102の受験中Microsoft Learnの参照が可能です。
Azure試験におけるMicrosoft Learnの参照については以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

AI-900との違いと難易度の比較
AI-102はAI-900に比べ、格段に実践的で難易度が高くなります。
AI-900がサービスの概要や用語理解が主な出題範囲だったのに対し、AI-102はそのサービスをどう使うか・実装するかまで問われるからです。
AI-102は試験範囲も広く深く、対策にはより深い学習が必要だと感じました。AI-900の合格体験記は以下記事で公開しています。興味がある方ぜひご覧ください。

私の勉強方法と使用教材
AI-102は試験中にMicrosoft Learnを参照することができます。試験問題もMicrosoft Learnを参照する前提の難易度のように思えました。そのため、試験対策もMicrosoft Learnに触れて勉強するのが良いと思います。
私は以下の学習で約1ヶ月で820点を取得して合格できました。
- Udemyの動画講座で試験範囲全体を体系的に学習
- Microsoft Learnの扱いに慣れておく
- Microsoft LearnのAI-102コースを軽く斜め読み+ハンズオン
- Microsoft公式練習問題で難易度を確認
- Udemyの模擬試験で知識を定着させて問題に慣れる
以下の章から各勉強方法を詳しく説明します。
1. Udemyの動画講座で試験範囲全体を体系的に学習
私ははじめにUdemyの動画講座で試験範囲全体のインプット学習から開始しました。
AI-102の試験範囲は広く、公式学習ガイドに記載がある個々のサービスをMicrosoft Learnで学習する気になれなかったため、参考書やUdemyなどの試験範囲全体を学べる易しい教材を探しました。
結果的に私が勉強していた時点では参考書は見つからず、Udemy動画教材 【AI-102 Azure AI Engineer Associate】試験対策講座 を見つけました。(参考書については追って発売されたので後に紹介します。)
【AI-102 Azure AI Engineer Associate】試験対策講座このUdemy動画講座は試験範囲を章ごとに網羅しており、Azure AIサービス(例:Azure Machine Learning、Azure AI Vision、Language、Searchなど)を一つひとつ丁寧に解説してくれています。動画の内容に沿って実際にAzureポータルを操作しながら学べるため、知識を単なる暗記ではなく、手を動かして理解することができました。
さらに、講座内ではPythonを使った実装例も豊富に紹介されており、たとえばCognitive ServicesのAPIをPythonで呼び出すコードや、Machine Learningのトレーニングジョブを記述する手順など、試験で問われやすい内容をハンズオンで学べます。実際AI-102の試験でもコードの穴埋めは出題されたので実装例の紹介やハンズオンは大いに役立ちました。
また、各チャプターごとの小テストも、知識の定着に役立ちしました。私はこの小テストを1回解くだけでなく、間違えた問題を復習し、関連するドキュメントをMicrosoft Learnで調べ直すことで記憶の定着とMicrosoft Learnの参照スキル向上を意識しました。
総じて、Udemyの講座はAI-102の学習をスムーズにスタートさせるための基礎的な知識が身につきました。後続のドキュメント学習や問題演習に必要な知識を身に着けられた思います。
記事執筆時点2025年4月には参考書が発売されていました。レビューを見ると初版は誤植が多いようです。唯一の参考書のため、書籍で学習したい方にはおすすめです。

上記レビューにある「本書の演習問題·模擬試験、Microsoft Learnのプラクティス評価のいずれにもー致·類似しない問題」というのは後の章で紹介する、プログラムコード穴埋めやDockerコマンド穴埋め何だろうなと思います。これはUdemy(動画教材、模試)で対策できます。
2. Microsoft Learnの扱いに慣れておく
AI-102では試験中にMicrosoft Learnを確認できるため、Microsoft Learnの操作に慣れておくことが大切です。
AI-102の本番試験ではMicrosoft Learnを参照できますが、Google検索などの一般的な検索エンジンは使えません。必要な情報をLearn内で素早く見つけられるかが、得点力に関わってきます。
私は普段からGoogle検索でLearnの記事にアクセスしてしまっていたため、試験本番で「Learn内検索のみ」で目的の情報を探すことに手間取ってしまいました。私はたまたま合格できましたが、もう一度受験することがあれば、Google検索は使わずにMicrosoft Learn内でドキュメントをたどる練習をします。
幸い私は出題される主要なサービスについてLearn内のどこのドキュメントに何が書いてあるのかは把握する学習をしていたため、なんとか合格することができました。
再掲ですが、試験中のMicrosoft Learnへのアクセス方法については以下の記事を作成したのでぜひご覧ください。

3. Microsoft LearnのAI-102コースを軽く斜め読み+ハンズオン
AI-102のMicrosoft Learnトレーニングコース Microsoft LearnのAI-102コース(AI-102T00) の説明パートはUdemy動画教材の理解度を確認する程度で斜め読みしました。しかしハンズオンはしっかり実施しました。

←Microsoft Learn ハンズオン前ソースコード解説
説明パートは試験範囲に沿って構成されている資料とはいえ、文字だけを読んでいくのは辛かったためしっかりとは読みませんでした。
一方サービス別のハンズオンパートはソースコードも掲載されており、無料のラボ環境も使えたためしっかり取り組みました。
テキスト部分(知識部分)は斜め読み程度であってもUdemy動画教材をしっかり理解しておけば合格できると思います。(実際私も820点で合格できました。)
AI-102の出題形式から考えてハンズオン経験は多いに越したことはないのでハンズオンの実施はお勧めします。
4. Microsoft公式練習問題で難易度を確認
Microsoftが提供する公式の練習問題は、試験の難易度や出題形式に慣れるのに役立ちます。
ただし、私が解いたときはプログラムコードの穴埋めやREST APIの穴埋めなどの本番で出題された癖のある問題は収録されていなかったのでそれを意識してください。(Udemyの問題集で補完しておくと良いと思います。)
以下のようなazコマンドを選択させるような問題はありましたが、本番試験ではもっと複雑なコマンドの穴埋めが出ていたと記憶しています。

私は公式練習問題を3周以上解きました。1回目は知識確認、2回目は時間制限を意識、以降は復習として解きました。
間違えた分野はMicrosoft Learn を確認して重点的に復習してドキュメントのどのあたりに何が書いてあるのかを把握しました。
練習問題を初めて解いたときにはAzureのコマンドやサービスの細かい仕様について問われたので「思ったより難しい」と感じました。ただし、本番試験の方が多様な癖のある問題が出題されたのでさらに難しいです。(例えばプログラムコード穴埋めやREST APIの穴埋めです。 詳しくはこちらの章で紹介します。)
5. Udemyの模擬試験で知識を定着させて問題に慣れる
Udemyの模擬問題は、試験形式の確認・知識定着・Microsoft Learn参照含めての時間配分のトレーニングのすべてに役立ちました。
上記まででも述べた通り、AI-102の問題はコマンドやプログラムコードの穴埋めなどの癖のある難しい問題が多く、限られた時間で最適な回答を選ぶ力が問われます。またMicrosoft公式練習問題ではカバーしきれていない穴埋め形式などの癖のある問題はUdemyの模擬問題で対策しておいてよかったです。
加えて出題形式に慣れ、知識を定着させ、Microsoft Learnから素早く回答に必要な情報を探す訓練が必要です。
私が使用したのは、以下英語の模擬問題「Azure AI Engineer Associate AI-102 : Practice Tests」で、Chromeの翻訳機能を使いながら解きました。英語ではありますが、翻訳を使えば日本語の問題とそこまで違いなく演習できます。
この問題集は本番と非常に似た構成で、シナリオ文や設問の文量、選択肢などがリアルに再現されていました。この問題集の問題数も322問とたっぷりありますし、実際の試験でもほとんど同じ問題が10問くらいは出題されていました。
Azure AI Engineer Associate AI-102 : Practice Tests (NEW)さらに、私の受験後には日本語版の問題集「AI-102: Azure AI Engineer:模擬試験問題集」も発売されました。
この日本語問題集は、私がAI-900で活用した教材の講師によるもので、AI-900の問題集の内容は良かったのでAI-102に関しても信頼できる内容だと思います。私は使っていませんが、気になる方はUdemyには返金制度もあるので試してみるのもよいかと思います。
AI-102: Azure AI Engineer:模擬試験問題集問題演習は、Udemy模擬問題は1問あたり2分以内で解くことを意識し、Microsoft Learnも時間内であれば参照可能とする形式でトレーニングしました。
実際に出題された問題形式
ここでは私が受験した際に特に印象に残っている癖のある問題形式を紹介します。
コード穴埋め
例えば問題文と以下のようなコードが提示されて選択肢からドラックアンドドロップしてコードを完成させるタイプの設問です。
要件例: Language Understanding(LUIS)モデルのSDKを正しく初期化したい
audio_format = [選択肢1](speechsdk.AudioStreamContainerFormat.MP3)
speech_config = speechsdk.SpeechConfig(subscription="abcde...", region="westus")
audio_config = speechsdk.AudioConfig(stream=push_stream, audio_format=audio_format)
recognizer = [選択肢2](speech_config, audio_config)
result = recognizer.recognize_once()
text = result.text
ここではSpeech Serviceのドキュメントを参照して解答する必要があります。
参考: SDKを使った圧縮されたオーディオ入力を使用する方法、SpeechRecognizer class
参考: 正解コード
audio_format = speechsdk.AudioStreamFormat(speechsdk.AudioStreamContainerFormat.MP3)
speech_config = speechsdk.SpeechConfig(subscription="abcde....", region="westus")
audio_config = speechsdk.AudioConfig(stream=push_stream, audio_format=audio_format)
recognizer = speechsdk.SpeechRecognizer(speech_config, audio_config)
result = recognizer.recognize_once()
text = result.text
選択肢1: オーディオフォーマットにMP3を指定する記述を問われています。
選択肢2: 音声をテキストに変換するためのSpeechRecognizer
の初期化方法を問われています。
コードの穴埋め問題は、AI-102で頻出です。上記の例のように普段からAzureサービスの実装コードを理解しておくことが重要です。私が受験した時点では、試験開始時にPython と C#のうちから選択可能でした。(あとからの変更は不可)私は慣れているPythonを選択しました。
上記のようにPythonでのAPI呼び出しコードの一部が空欄になっていて、正しい構文や引数を選ぶ形式の問題が複数ありました。
Speech ServiceやAzure AI Vision、LanguageサービスでのAPIクライアント作成や、データ送信、変換のメソッド呼び出しなどがあったかと思います。Udemy講座やMicrosoft Learnで手を動かしてLearnドキュメントの見方をトレーニングしていなければ正解できなかった問題が多数だったと思います。
REST APIの呼び出し方法
例えば以下のように選択肢から穴埋めしてREST APIの呼出しコマンドを完成させる問題です。REST APIの知識とAzure APIの知識が必要です。
要件例: 「Sentiment Analysis(感情分析)」「OCR(光学文字認識)」の両方に使えるリソースを作成したい
[選択肢1] https://management.azure.com/subscriptions/xxxxxxxx-xxxx-XXXX-XXXX-xxxxxxxxxxxx/resourceGroups/RG1/providers/Microsoft.CognitiveServices/accounts/CS1?api-version=2017-04-18
{
"location": "West US",
"kind": "[選択肢2]",
"sku": {
"name": "S0"
},
"properties": {},
"identity": {
"type": "SystemAssigned"
}
}
選択肢1: PATCH/ POST/ PUT
選択肢2: CognitiveServices/ ComputerVision/ TextAnalytics
参考: 正解
PUT https://management.azure.com/subscriptions/xxxxxxxx-xxxx-XXXX-XXXX-xxxxxxxxxxxx/resourceGroups/RG1/providers/Microsoft.CognitiveServices/accounts/CS1?api-version=2017-04-18
{
"location": "West US",
"kind": "CognitiveServices",
"sku": {
"name": "S0"
},
"properties": {},
"identity": {
"type": "SystemAssigned"
}
}
Azureでは、複数のAIサービスを一つのエンドポイントで利用したい場合、「Cognitive Services アカウント(kind: CognitiveServices)」を使います。これにより、Text Analytics や Computer Vision を含む複数サービスへ同一のキー・エンドポイントでアクセス可能になります。
参考: Resources – Create Or Update、クイック スタート: Azure AI サービス リソースを作成する
上記のようにHTTP APIのエンドポイントやメソッド、ヘッダー、ボディーなど、細かな仕様が問われる問題も複数出題されました。
「このAPIエンドポイントに対して、どのようなヘッダーを付けてリクエストを送信するべきか」「どのメソッド(POST/GETなど)を使用するか」といった設問がありました。
APIの仕様を学んでいない、そもそもREST APIを知らないと問題文や選択肢を見てもピンとこない内容だと思います。このような問題もMicrosoft Learnを参照して解答したほうが良いと考えられます。
dockerコマンドの穴埋め
以下のようにdockerコマンドについてイメージURLとBillingエンドポイントが空欄になっていて、選択肢から埋めて完成させるような出題もありました。ハンズオンでdockerコマンドも実施しておけるとベターです。
要件例: Text Analytics Sentiment Analysis コンテナをプルしたのでAzure Cognitive Services のコンテナ版をデプロイしたい
docker run --rm -it -p 5000:5000 --memory 8g --cpus 1 \
[イメージURLを選択] \
Eula=accept \
Billing=[Billingエンドポイントを選択] \
ApiKey=xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
参考: 正解
docker run --rm -it -p 5000:5000 --memory 8g --cpus 1 \
mcr.microsoft.com/azure-cognitive-services/textanalytics/sentiment \
Eula=accept \
Billing=https://contoso.cognitiveservices.azure.com \
ApiKey=xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
少し上記コマンドの解説をします。
項目 | 内容 |
---|---|
コンテナイメージ | Cognitive Services の機能ごとに分かれており、Sentiment Analysis には textanalytics/sentiment を使用する |
Billing | Azure 上の Cognitive Services リソースのエンドポイント URI を使用する |
Eula |
Eula=accept は必須(ライセンス同意) |
ApiKey | 実際の API キーを指定する(ここではマスクされている) |
上記のようにAIモデルやコンテナのデプロイに関連して、dockerコマンドの構文(イメージURLやエンドポイント)を問う問題も出題されました。
AI-102の出題範囲には「モデルのデプロイ」や「コンテナ化」も含まれており、この出題範囲の問題だったのだろうと思います。
受験時に出題されたのは上記のようにdocker自体の構文ではなく、AzureのAIサービスが提供しているエンドポイントやURIを答えさせるという内容が多かったと思います。さすがにURIを丸暗記するのは厳しと思うので、Microsoft Learnから調べる能力を問うているのだと思います。
サービスの細かすぎる仕様
- Document Intelligence カスタムモデルがサポートしているファイル形式とファイルサイズは?
- Azure Computer Vision API がサポートする画像形式は?(画像サイズ、ファイル形式)
上記のように特定サービスのファイルサイズ制限や対応形式といった枝葉の仕様まで問われる問題があり、さすがにすべて暗記するわけにはいかないのでこれもMicrosoft Learnドキュメント参照能力が求められます。
AI-102では実践に重きを置いているのでサービスの仕様を正確かつ素早く調べられる能力が問われているようです。
上記のように、「Document Intelligenceが対応しているファイル形式はどれか」「1ファイルあたりの最大サイズは何MBか」といった細かい知識を問う問題も出ました。
こういった情報は公式ドキュメントに記載されていますが、普段からMicrosoft Learnドキュメントを使っていないと調べるのに難儀すると思います。主要サービスのドキュメントに関してどの部分にどのような情報が記載されているのかは普段から意識した勉強が必要だと感じました。
受験して感じたこと【AI-900との違い・注意点など】
AI-102の受験を通じて、AI-900とは異なる難しさを実感しました。この章では、私が実際に勉強して試験を受けた感想をお伝えします。
時間はギリギリ!Learn検索に慣れていないと厳しい
試験時間は結構に余裕がなく、Microsoft Learnを調べながら解くスタイルに慣れていないと時間が足りなくなります。
上記の章で紹介した通り、AI-102では問題文やコード、コマンド読解に時間がかかります。さらに一部の問題はMicrosoft Learnのドキュメントを確認しないと解答が困難だからです。
私自身、試験中に「この仕様はどこに書いてあったか?」と思いながらLearnで検索する場面が何度かありました。検索に手間取ると、1問あたりの持ち時間(おおよそ2分)がすぐに消費され、焦ります。事前にMicrosoft Learnの構造や各サービスのドキュメントの位置関係を把握しておいてよかったと感じました。
また、Microsoft Learnを参照しなくても解答できる問題は即答して、ドキュメント確認が必要な問題に時間を使うことも必要だと思います。
細かい内容まで出題される!覚えきれない部分は「探し方」でカバー
上の内容と重複しますが、全ての仕様を暗記するのは現実的ではなく、効率的に調べる力=「検索力」を高めることが合格には大切だと感じました。
AI-102の試験範囲は広く、全てのサービスの細部まで記憶するのは困難ですが、試験中に参照可能なMicrosoft Learnを使いこなすことで補う必要があります。
私自身、Document Intelligenceのファイル形式やAzure AI Searchの構成要素など、細かい仕様を正確に覚えていたわけではありません。
しかし、試験中にLearnで「このページに書いてあったはず」と記憶を頼りに探し出せたことで、回答できた設問がいくつもありました。繰り返しになりますが、学習時には、“覚える”だけでなく“Microsoft Learnのどこに何が書いてあるかを把握しておく”ことが大切だと感じました。
よくあるQA
- AI-102はプログラミング未経験でも受験できますか?
-
はい、可能ですが、試験ではPythonまたはC#を使ったコードの理解が求められる問題があるため、基本的な文法やライブラリの使い方は事前に学んでおくことをおすすめします。紹介したようなハンズオン形式の教材を活用すれば、実務経験がなくても対応できます。
- AI-102に合格すればどのようなキャリアに役立ちますか?
-
AI-102の取得は、AzureベースのAIシステム設計・開発に関するスキルを証明できるため、AIエンジニアやクラウドソリューションアーキテクトへのキャリアアップに有利に働きます。特にAI関連のPoCやRAG構成のような業務にかかわるきっかけになります。
- Microsoft Learnの教材は全部読む必要がありますか?
-
すべてを細かく読む必要はありませんが、出題頻度の高いサービスの仕様や活用法については、どこに何が書いてあるかを把握しておくと試験中の検索効率が上がり得点力につながります。斜め読みで構成や見出しを確認しておくと良いでしょう。
- AI-102に関連するAzureの無料ハンズオンはありますか?
-
Microsoftが提供する「Azure AI Fundamentals」のハンズオンパートがあります。学習環境として使える無料のAzureサンドボックスも活用すれば、費用をかけずに実際の操作感を確認することができます。
- AI-102の勉強に役立つ参考書はありますか?
-
私が試験勉強をしていたころはありませんでしたが、最近(2024年末) 合格対策Microsoft認定試験 AI-102:Microsoft Azure AI Engineer テキスト&演習問題 という参考書が発売されました。ただし第一版は誤植があるようなので承知の上ご購入を検討してください。
- 試験前日の過ごし方で意識すべきことは?
-
試験前日は新しいことを詰め込むよりも、Learnの情報掲載箇所の確認や模擬問題の軽い復習にとどめることがおすすめです。また、しっかり睡眠を取り、試験中に集中力を維持できるように体調管理を優先するのが良いと思います。
- 試験に落ちた場合、再受験までどのくらい待つ必要がありますか?
-
初回の試験に不合格となった場合は、24時間後に再受験が可能です。ただし、2回目以降は再受験までに14日間の待機期間が必要になります。また、12ヶ月以内に同じ試験を5回までしか受けることができません。再受験時には再度受験料が発生する点にも注意してください。
まとめ
- AI-102はAzureのAIサービスに関する実装力や設計力が問われる中級レベルの試験で、AI-900よりも格段に難易度が高いです。
- 試験対策は、まずUdemy講座で全体像をつかみ、Microsoft Learnで仕様を確認する流れが効率的でおすすめです。
- Microsoft Learnは試験中に参照可能なので、検索に慣れておくことが時間短縮と正確な解答につながります。
- 本番ではコードやAPI、dockerコマンドの穴埋めなど実務レベルの知識が問われ、対策が必要です。
- 暗記よりも「必要な情報を素早く探す力」が重要で、普段からLearnの構成やページ構造を把握しておくと安心です。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

システムエンジニア
AWSを中心としたクラウド案件に携わっています。
IoTシステムのバックエンド開発、Datadogを用いた監視開発など経験があります。
IT資格マニアでいろいろ取得しています。
AWS認定:SAP, DOP, SAA, DVA, SOA, CLF
Azure認定:AZ-104, AZ-300
ITIL Foundation
Oracle Master Bronze (DBA)
Oracle Master Silver (SQL)
Oracle Java Silver SE
■略歴
理系の大学院を卒業
IT企業に就職
AWSのシステム導入のプロジェクトを担当