当ブログにはPRを含みます。
AWS認定試験にSCS(Security – Specialty:セキュリティスペシャリティ)があります。筆者も合格したのでレポートしていきます。
2023/7にSCS-C01からSCS-C02にアップデートされました。
試験範囲として「第 6 分野: 管理とセキュリティガバナンス」が追加されました。それ以外は細かな配分が変更されていますが、基本的には同じです。
SCS-C01の学習教材は引き続き使用できますが、第6分野の知識は補っておくと良いでしょう。
- ソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)、ソリューションアーキテクトプロフェッショナル(SAP)を取得済
- サラリーマンエンジニアとしてAWS経験2年ほど
この記事を書いた人
管理人:syo
サラリーマンエンジニア歴10年
新卒で入社した大手システム会社でリモートワーク、年収800万円に到達
AWS関連プロジェクトのインフラエンジニア&プロジェクトマネージャーを担当。
IT資格
AWS:プロフェッショナルレベル2冠・アソシエイトレベル3冠・CLF・ペシャリティ資格(SAP, DOP, SAA, SOA, DVA, SCS, DBS, MLS, ANS, PAS)
Azure:AZ-305・AZ-104・AZ-900
その他:基本情報、JAVASE Silver、オラクルマスターブロンズ(DBA)、Silver SQL、ITIL Foundation、LinuC
AWS Certified Security – Specialty(SCS)の概要
Amazon(AWS)社が提供するクラウド「AWS」の認定資格試験です。格付けとしてはSPECIALTY(専門知識)に該当します。
AWS資格試験体系とSCSの位置付け
図の通り、レベルと分野で分かれています。
筆者の体験難易度では以下のように感じました。
FOUNDATIONAL(基礎)<ASSOCIATE(中級)<SPECIALTY(専門)<上級(PROFESSIONAL)
(今のところ、他ベンダークラウド試験でもソリューションアーキテクトプロフェッショナル以上の難易度は経験していません。)
専門分野知識の試験はいくつかありますが、SCSはセキュリティが出題範囲です。
資格名 | 概要 | 難易度(筆者体感) |
---|---|---|
ANS | ネットワーク分野の専門知識試験。 | 難しい。(SAPほどではない) |
DBS | データベース分野の専門知識試験。 | 易しめ。 |
PAS | ERPパッケージ「SAP」の専門知識試験。 SAPの知識も必要。 |
普通。 |
MLS | 機械学習分野の専門知識試験。 | 普通。 |
SCS | セキュリティ分野の専門知識試験。 | 易しめ。 |
DAS ※2024/4廃止予定 | データ分析分野の専門知識試験。 2024/4に廃止が予定されている。 |
普通。 |
試験概要
資格名 | AWS Certified Security – Specialty(AWS 認定セキュリティ – 専門知識) |
試験名 | SCS-C02 |
試験時間 | 170分 |
出題形式 | 選択問題(単一選択/複数選択) |
問題数 | 65問 |
合格ライン | 750点/1000点 |
試験日 | 随時 |
試験場所 |
全国のピアソンテストセンター または 試験監督付きオンライン受験 |
受験料 | 30,000円 ※2024/4より40,000円に変更されます。理由は為替相場の反映です。 |
合格発表 | 5営業日以内にメールで通知(筆者は受験後1時間ほどでメールが来ました) |
有効期限 | 3年 |
受験要件 | なし (受験対象に”設計と実装で 5 年、セキュリティ保護に関する実務経験が 2 年以上”とあるが、必須ではない。) |
出題範囲
詳細な試験範囲は公式試験ガイドをご覧ください。当然ながら、セキュリティ関連サービスが中心です。
- 第 1 分野: 脅威検出とインシデント対応 (採点対象コンテンツの 14%)
- 第 2 分野: セキュリティロギングとモニタリング (採点対象コンテンツの 18%)
- 第 3 分野: インフラストラクチャのセキュリティ (採点対象コンテンツの 20%)
- 第 4 分野: Identity and Access Management (採点対象コンテンツの 16%)
- 第 5 分野: データ保護 (採点対象コンテンツの 18%)
- 第 6 分野: 管理とセキュリティガバナンス (採点対象コンテンツの 14%)
難易度(例題付き)
専門知識レベルです。
筆者体感としては専門知識の中では易しめに感じました。
アソシエイトレベル以上、プロフェッショナルレベル以下と感じました。
以下、練習問題です。問題文も選択肢もソリューションアーキテクトプロフェッショナルほど複雑ではありません。抑えるべきサービスと用語を理解できていれば正解を選べるレベルかと思います。
解答を確認するには▼を押下してください。
・問題文
EC2インスタンス上にウェブアプリをデプロイして運用しています。発生しうるDDoS攻撃を対策したいと考えています。
アプリケーションを保護するのにどの対策が有効ですか?(2つ選択)
・選択肢
A. 悪意のあるIPアドレスのインバウンドを拒否するセキュリティグループをEC2インスタンスにアタッチする。
B. Application Load Balancer(ALB)とAuto Scallingグループを使用して、EC2へのトラフィックを分散させる。
C. EC2インスタンスでInspectorを使用して悪意のあるトラフィックを排除する。
D. CloudFrontとWAFを使用して、悪意のあるトラフィックをEC2インスタンスに到達させないようにする。
E. GuardDutyを有効にして、悪意のあるトラフィックをブロックする。
正解:BとD
簡単な解説:
DDoS対策にはALBとAuto Scallingによる分散が有効です。
CloudFrontのエッジロケーションでの負荷分散とWAFによる悪意のある通信ブロックが有効です。
なお、WAFはEC2には直接アタッチ不可のため、ALBやCloudFrontを挟む必要があります。
セキュリティグループではIPアドレスが特定できないDDoS攻撃には対処不可能です。
InspectorはEC2の脆弱性を調査することはできますが、トラフィックを調査する機能はありません。
GuardDutyは脅威検出ツールであり、DDoSの防御には使用できません。
よくある質問
AWS Certified Security – Specialty(SCS)取得のメリット
AWSの最優先事項であるセキュリティについて深く学べる
AWSではセキュリティを最優先事項として掲げています。
また、システム開発においてセキュリティは必須条件です。
AWSには数多くのセキュリティ関連サービスがあります。これらのセキュリティ関連サービスを体系的に学べるメリットがあります。
当ブログでもAWSのセキュリティ関連サービスをまとめた記事を書きました。これらのサービスがSCSで学習できます。
Organizations, Control Tower, Security Hub, IAM, Detective, Trusted Advisor, GuardDuty, GuardDuty
Malware Protection, Systems Manager, Inspector, WAF, Shield, Config, Macie, KMS, CloudHSM 等…
転職や就職に有利
総務省の統計では2021年時点によると、クラウドを利用している日本企業は全体の70%以上です。AWSはそのクラウドのなかでトップシェアです。
AWSは日本国内だけでなく、世界中で利用されているクラウドプラットフォームなので、幅広い範囲で活用されています。
企業の70%以上が使用しているクラウド技術ですが、圧倒的に技術者が不足しています。
AWSの資格を持っておくとクラウド人材である証明ができるので、転職や就職に非常に有利になります。
特にSecurity Specialty(SCS)は上級資格かつ必須知識なので専門性をアピールできます。
また、日本の平均年収は400万円ほどといわれていますが、クラウドエンジニアの仕事の平均年収は約582万円という調査結果もあります。
AWS Certified Security – Specialty(SCS)のおすすめ勉強方法
SCS試験はAWS専門分野試験にしては珍しく日本語の教材がいくつかあります。これらを活用して学習することをおすすめします。
学習教材はUdemyがおすすめです。理由は以下の通りです。
- 30日以内であれば返金可能(気軽に始められる)
- 教材購入後もコンテンツがアップデートされる(頻繁にアップデートされるクラウド学習に最適)
- 不明点を講師に質問可能
- スマホでも視聴可能(隙間時間の活用)
- 月に数回(2~3回)実施するセールでは数万円のコースも2,000円程度に割引される(安価!)
動画教材または参考書でSecurity Specialty(SCS)試験を網羅的に学習します。併用するのもありです。動画教材、参考書ともに練習問題が付属しているので活用しましょう。
BlackBeltはAWS社が各サービスについて紹介している無料の動画です。通勤中などの隙間時間に聞いているだけでも勉強になります。試験範囲のサービスで理解が浅いものは視聴しておきます。
試験形式に慣れるために問題を解いておきましょう。UdemyのWEB問題集は買い切りで試験のアップデートにも追従されるのでお勧めです。
余裕をもって8割以上正解できるようになってきたら本番試験の受験を考えてもよいと思います。
[STEP1]試験範囲の全体を学習する(動画教材または参考書)
Security Specialty(SCS)の試験範囲を網羅しているおすすめの動画教材があります。
各トピックにハンズオンが付属しているので知識の定着が良くなるように構成されています。
本講座はもちろんスマホ視聴が可能です。通勤通学などの隙間時間を有効に使えます。定価は6,200円ですが、月に数回実施しているセール時には2,000円程度で購入できることがあります。
学んだことはOneNoteなどに書いて隙間時間見直す勉強方法がおすすめです。
本動画教材はもともとSCS-C01向けでしたが、SCS-C02アップデートにより補講が追加されています。
- 試験範囲の全サービス網羅解説
- 試験の勘どころの解説
- ハンズオン動画+解説
- 50問の本番さながらの予想問題 + 解説
↓講座のリンクです。リンク先で30分程度のプレビューを無料視聴可能なのでぜひ確認してみてください。(定価:6,200円 セール時参考価格2,000円程度)
AWS認定Specialty – Security(SCS)試験 対策トレーニングコース参考書であれば以下がおすすめです。
参考書はSCS-C01向けなので、SCS-C02で追加された「第 6 分野: 管理とセキュリティガバナンス 」はBlackBeltやホワイトペーパーで補う必要があります。
- 試験範囲の全サービス網羅解説
- 試験の勘どころの解説
- 練習問題 + 解説
参考価格:3,800円ほどです。リンク先で試し読みも可能です。
第 6 分野: 管理とセキュリティガバナンス
対象知識:
- マルチアカウント戦略
- 管理を委任できるマネージドサービス
- ポリシー定義のガードレール
- ルートアカウントのベストプラクティス
- クロスアカウントロール
サービス:
Organizations, Control Tower, Config, CloudFormation, Service Catalog 等。
詳細はSCS-C02試験ガイドを参照してください。
[STEP2]理解が浅いサービスをBlackBeltで理解する
BlackBeltの動画はyoutubeにアップロードされています。
AWSのサービスカット編では各サービスの詳細な説明をしてくれます。20分~60分程度の長さの動画が多いです。
以下のリンクから視聴したいカテゴリーやサービスを選択して視聴できます。理解が浅い分野から優先して視聴していきましょう!
また、SCS-C02から追加された第6分野は重点的に確認しておくことをおすすめします。
↓AWS Control Tower 機能紹介編
[STEP3]模擬問題を解いて試験形式に慣れる
出題形式に慣れておくためにも繰り返し模擬問題を解いておきましょう。安定して80%以上の正答率を出せるようになれば本番試験の受験を考えてもよいかと思います。
以下、Udemyの模試は英語ですが、ワンタッチで翻訳できるので心配無用です。
多少不自然な日本語になりますが、本番試験も日本語が不自然なので良いトレーニングになります。
Udemyの模試は月に数回は実施しているセール時に2,000~3,000円程度(セールの割引率次第ですが)で購入することが可能です。
翻訳方法は右クリック→日本語に翻訳でできます。(Chromeでの方法となります。)
A mid-sized company recently deployed Amazon GuardDuty to monitor their AWS environment for potential security threats. The security team noticed a high number of RDP brute force attacks originating from an Amazon EC2 instance and decided to take action to prevent any issues. The company’s security engineer was tasked with implementing an automated solution that could block the suspicious instance until the issue could be investigated and remediated.
Which of the following solutions should the security engineer implement?
↓自動翻訳
ある中堅企業は最近、Amazon GuardDuty を導入して、AWS 環境の潜在的なセキュリティ脅威を監視しました。セキュリティ チームは、Amazon EC2 インスタンスから発生する多数の RDP ブルート フォース攻撃に気づき、問題を防ぐための措置を講じることを決定しました。同社のセキュリティ エンジニアは、問題が調査され修復されるまで疑わしいインスタンスをブロックできる自動ソリューションを実装する任務を負っていました。
セキュリティ エンジニアは次のソリューションのうちどれを実装する必要がありますか?
UdemyのWEB問題集は一度購入してしまうと新試験へのアップデートが勝手に行われていくところが魅力です。
Udemy SCS-C02対応 WEB問題集150問 定価3,600円(セール時参考価格:2,000~3,000円)
こちらのWEB問題集の評価は 4.4/5.0 の高評価です。
解説もしっかり記載されており、AWS公式ドキュメントへのリンクも記載されています。本番試験でもデジャヴを感じるような高品質な問題が提供されています。
本WEB問題集は定価が安いのでセール期間を待たなくても買いだと思います。(Udemyのセールは価格に下限があるため。)
AWS Certified Security Specialty Practice Exams SCS-C02Udemy SCS-C02対応 WEB問題集130問 定価8,800円(セール時参考価格:2,000~3,000円)
こちらのWEB問題集の評価も 4.3/5.0 の高評価です。
本WEB問題集も質の高い練習問題と詳細な解説が記されています。
Practice Exams | AWS Certified Security – Specialty仕上げ AWS公式SCS-C02模擬試験 20問(無料)
AWS公式で20問の無料模擬問題があります。実力を確認するための総仕上げに取り組むことをおすすめします。
以前は公式模擬試験は3,000円程度かかっていましたが、いつの間にか無料になっていました。
16問(8割)以上正解を目指して取り組みます。もし16問未満の正答だった場合、復習して再度取り組みます。以下のリンクから”ステップ 3: 試験を準備して準備状況を評価する”を選択して受験することができます。
まとめ
試験について
- AWSの認定試験にはセキュリティスペシャリティ(SCS)があり、2023/7にSCS-C01からSCS-C02にアップデートされた。
- 試験範囲では「第 6 分野: 管理とセキュリティガバナンス」が追加され、SCS-C01の学習教材は基本的に引き続き使用できるが、第6分野の知識は補っておくことが推奨されている。
- SCS試験は他の専門知識試験に比べて易しめである。(筆者はアソシエイトレベル以上、プロフェッショナルレベル以下と感じた)
勉強方法
- 試験範囲全体の学習→理解が浅いサービスのBlackBeltでの理解→模擬問題を通して試験形式へ慣れる 以上の勉強方法がおすすめ。
- 模擬試験で80%以上正答できるようになったら本番試験の受験を考えると良い。
各ステップのおすすめ教材まとめ
試験範囲が完全網羅されている動画教材。試験範囲を最初に学習するのにおすすめ!
(定価:6,200円 セール時参考価格2,000円程度)
AWS認定Specialty – Security(SCS)試験 対策トレーニングコース参考書であれば以下。併用も有効です。
BlackBeltで理解が浅いサービスを復習。特に第6分野:Organizations, Control Tower, Config, CloudFormation, Service Catalog あたりはよく見ておく。
以下の模擬問題を解くのがおすすめ。本番試験でも似たような問題が出題されます。
1.[150問 3,600円(セール時参考価格:2,000~3,000円)]
AWS Certified Security Specialty Practice Exams SCS-C022.[130問 8,800円(セール時参考価格:2,000~3,000円)]
Practice Exams | AWS Certified Security – Specialty学習の参考になればうれしいです。以上です。
AWS初学者の方は以下の動画でAWSの基礎を学ぶのがおすすめです。資格取得の前の前提知識として重宝する内容が凝縮されています。インフラやAWSが全くの未経験でもAWSの基礎が学べる講座となっています!
AWS:ゼロから実践するAmazon Web Services。手を動かしながらインフラの基礎を習得- 価格: 定価 ¥11,800、セール時参考価格 \2,000
- レビュースコア: 4.4/5 (13,734件)
- 対象者: AWS初心者、インフラに詳しくない方、ネットワーク・サーバーを構築したいエンジニア
-
特徴:
- AWSの基本サービスを実践的に学習
- 手を動かしながらサーバー・ネットワークを構築
- インフラの基礎概念を丁寧に解説
-
良いレビュー:
- 講師の説明が丁寧で初心者でも非常に分かりやすく、AWSをゼロから学べる。
- ハンズオン形式で、実際に手を動かしながら学べる点が素晴らしい。
- AWSのインフラ構築が理解でき、全体像が把握できるようになった。講師の質問への回答も早かった。
-
悪いレビュー:
- 講座の進行が少し遅いと感じた。
- 一部AWSのコンソールが変更になっているところがあり、自分で調べながら進める必要があった。
- 一部情報が古いことがあり、過去のQAを確認するのに手間取った。
システムエンジニア
AWSを中心としたクラウド案件に携わっています。
IoTシステムのバックエンド開発、Datadogを用いた監視開発など経験があります。
IT資格マニアでいろいろ取得しています。
AWS認定:SAP, DOP, SAA, DVA, SOA, CLF
Azure認定:AZ-104, AZ-300
ITIL Foundation
Oracle Master Bronze (DBA)
Oracle Master Silver (SQL)
Oracle Java Silver SE
■略歴
理系の大学院を卒業
IT企業に就職
AWSのシステム導入のプロジェクトを担当